黒沢咲という漢【文・吉田光太】
【これが俺の麻雀】
皆さんは何を切るだろうか?
私は8ソーを切る。
赤牌や裏ドラが無いルールならば4ソーだ。
だが、お嬢はここから六萬を切る。
そして7ソーを引いて、6ソーをツモッてしまう……
私はお嬢の麻雀のファンだ。
Mリーグをつけて登板していると必ず見る。
「私は簡単に鳴かない――」
そう言って(対局中は言ってない)麗しく腕を牌山に伸ばし、痛快なアガリを炸裂させる。
お嬢ファンや雷電ユニバースの方々同様に。
読後感というか、佐々木寿人と並んで私はお嬢の打ちっぷりが好きなのだ。
Mリーグ初年度から比べると、それまで重腰だった選手も軽く打つ局面が増えた。
相手の速度に合わせて2000点のポンシャンテンを取る。
お嬢だけがまるで石器時代の武器一つで立ち向かっているかのように見えるのは私だけだろうか?
【武田信玄か山のフドウか】
<南1局南家 8巡目 ドラ9s 21200点持ち>
先日、お嬢と打ったときの手だ。
お嬢はダブ南を仕掛け、捨て牌はあきらかにソーズ一色手。
前巡に字牌を一つ余らせた所だ。
ここに上家から2ソーが打たれた。
だが、お嬢は微動だにせず腕を伸ばす。チーテン取らずだ。
あくまで結果論だが、すぐにペン7ソーを引き込んで2ソーでツモアガった。
たとえマンガンでも。
いや、チャンス手であるからこそ、窮屈な待ちになる動きは避ける。
日頃からそう打っている彼女の経験則がそうさせるのだろう。
【鳴かない本当の理由】
お嬢は今シーズンもフーロ率5%、平均アガリ点8000点と野球でいったら打率は低いが長打ばかりのロマン砲だ。
鳴かない事が偉いとは思わない。
むしろ選択肢は激減するので、思考の放棄とも言える。
お嬢が鳴かない理由――それは、“運気が散る”からなのだ。
運気や流れについて語り辛い時代になった。
だが、この地球には70億の人間が居て70億通りの思想がある。
自分と異なる思想全てを排除するのは勿体ない。
そういう考え方もあるんだ、と楽しんで頂きたい。
そもそも――50年億前に超新星爆発によって地球が誕生した。
マグマに包まれていた地球に何度も天体が衝突し、蒸発した水分が海となった。
隣の金星や遥か遠い海王星では海が存在できず、地球は太陽系の中で唯一水が液体で存在できる絶妙な位置に存在するのだ。
そして太陽と月の存在という「奇跡」。
これら全てが偶然織りなって私たちはいま存在している。
科学、という物だけが絶対に正しいとは言えないだろう。
人類が古から培った経験則では……
安易に鳴く=他人のツモ筋を貰うと位置エネルギーが落ちるのだ(不調時を除く)。
特に、チーという行為。
「吃」という漢字を書く。
他人から「乞う」という意味なので、古代の中国人が同じ認識だった事が判るだろう。
大地のエネルギーをしっかりと受け止めるんだ!!
*来月以降私のnoteが更新されなくなったら、大きな力が働いたと思って欲しい
お嬢が腕を伸ばすと良いことが起きる――
そんな風に信じているのは私だけだろうか?
【夜も三色――?】
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