気づかされること【文・佐々木寿人】
Mリーグが始まってから、ファンの方々と触れ合う時間が増えた。
直近では最強戦のDVD販売会や、新刊のサイン会、パチンコ店の来店イベントなどがそうだ。
一人一人とのコミュニケーションの時間は決して長くはないけれど、それでも思いの込もったメッセージを数多くもらう。
「攻めの姿勢が好きです」
「どうやったら迷いなく打てますか」
内容としては攻撃に関するものが多いのだが、ふと考えたことがある。
最近そんな麻雀を打てているだろうかと。
私は来年、プロ活動20年目を迎える。
入会当初と比較すればオリを選択する局面も増えたし、所作動作も遅くなっているのは間違いない。
そこには年齢的な衰えももちろんある。
ただ一番は、どうやったら結果を残しやすいのかということを、自分なりに突き詰めたところが大きいような気がする。
もうかれこれ13年ほど前になるだろうか、毎週開かれている勉強会の場においてこんなことがあった。
当時はまだBリーグの所属だったと記憶しているが、オーラスに西家でタンピンドラ1の手をテンパイして、私はリーチを打った。
持ち点は32000ほどで、仮に満貫をツモアガってもトップには届かないという局面。
結果は流局。
すると後ろで観ていた森山茂和さんからこう言われた。
『ダマテンでよかったんじゃないの?』
私もまだ若かったのだろう。
「自分はこのスタイルでいきたいと思います」
こう返答すると、
『だったら結果を出せ』
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