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ポジティブなリリィ Positive Victoria 【文・馬場裕一】

※Victoriaとは「勝利の女神」を意味する


◇鮮烈な連続インパチ

今年1月に開幕した「麻雀BATTLE ROYAL チーム・チャンピオンシップ2022」。
人気と実力を兼ね備えた総勢18名の女子プロたちが、3名ずつ6チームに分かれて優勝を争う企業対抗戦である。
年に一回開催されるビッグイベントだ。

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▲人気と実力を兼ね備えた旬の女子プロたちの煌びやかな集合写真

全試合をYouTubeで生配信。
4月からはMONDO TVでも放送を開始。
毎回好試合が繰り広げられ、視聴者の視線を釘付けにした。
その中でも、特に注目を浴びたのが第1戦、即ちこのイベントの初戦だった。
なんと2局連続の三色インパチが出現したのである。
立役者は麻生ゆり
麻生はまーすたチームから指名を受け、栄誉ある18名の中に選抜されていた。

麻生「前回(2020年)の開催を見て、羨ましいなと思っていたので、山田(昌和)監督からLINEでオファーをいただいたときは、思わずスクショをとるぐらい嬉しかったです。絶対に選んだことを後悔させないぞ!ポイント伸ばすぞ!と気合いが入りましたね」

監督の山田昌和も麻生を抜擢した理由をこう語る。

山田「麻生を選んだのは、プリンセスオブザイヤー2018の優勝や、昨年の麻雀最強戦、予選を勝ち上がって放送対局まで進んだのを見ての判断です。実績と実力を評価して、更なるチャンスさえあれば活躍し、掴み取ってくれるのではないかという期待から、彼女を指名いたしました」

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▲まーすたチームのユニホーム

そして麻生はいきなりの初戦登板を任された。
まーすたチームは他に、キャプテンの松嶋桃と中山百合子がいたが、監督はこの一戦を麻生に託したのである。
それだけ彼女に対する信頼が厚かったのだろう。

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▲左から中山百合子・麻生ゆり・松嶋桃のまーすたチーム

最初の見せ場は、東2局1本場の親番でやってきた。

インパチ1

ご覧のように[九筒]を引いて[789]のチャンタ三色のテンパイ。
ドラの[一筒]や[九索]を先切りしてまで赤[五索]を引っ張っていたおかげで、捨て牌からチャンタや三色の気配が全く感じられない。
どちらかというとストレートなタンピン系の捨て牌に見える。
[八筒]が1枚出ていたので、ヤミテンという選択肢もあったが、麻生はノータイムで赤[五索]を横に曲げて即リーチに踏みきった。

麻生「ヤミテンに受けても、そこまで和了率が上がる気はしなかったんです。1枚切れの[八筒]だし、みんなの不要牌とは限らない。なので、まずリーチで足止めしつつ、もしアガれたら決め手になるようにしました。みんながリーチに注目してくれるだろうから、後スジになったり、ノーチャンスができることを期待した部分もありましたね」


結果は赤[五索]をポンした下家の内田みこから[八筒]が出てロン。

インパチ2

親ッパネ、18000点のアガリをものにした。
ドラの[一筒]が捨てられていて、しかも赤牌切りリーチ。
内田もこんなに高い手だとは思ってもいなかったであろう。

次局、東2局2本場、この局も三色の手が入る。

インパチ3

今度は[345]の三色のテンパイ。
対面の宮内こずえが先行リーチをかけていて、その捨て牌に[三万]が出ている。
しかし麻生はかまわず[三筒]切り追っかけ即リーチに踏みきった。

麻生「実は高目[三万]が2枚切れていて、安目の[六万]も先行リーチの現物になっていたんですね。ヤミテンで[六万]が出ると2900点、それは安すぎると思いました。あと、宮内さんは2着目だったので、それなら戦う価値は充分あると判断してリーチをかけたのです」

3巡後にラス牌の高目[三万]をツモ。

インパチ4

またも親ッパネ、6000オールのアガリ。
この連続インパチで麻生の持ち点は6万点をあっさり超え、大事な初戦を圧勝で飾ったのであった。
麻生ゆりの知名度を一気に広めた、鮮烈なBATTLE ROYALデビュー戦であったといえよう。


◇人生を変えた様々な出逢い

麻生のことを大阪出身だと思っている人が多い。
しかし麻生は生まれも育ちも奈良である。
ただ、奈良といっても、実家があったのは大阪から歩いてほんの15分程度のところ。
つまり日常の活動範囲は大阪が中心になっていた。
ご両親が教育熱心だったこともあり、麻生は小中高と優秀な成績を収める。

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▲妹と一緒に幼少時代。この頃から才媛ぶりを発揮していた

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