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魔神の父のМリーグ観戦記Ⅱ ④ 2023年11月3日 Mリーグ最低記録達成から1年 黒沢さんとの因縁の対決!

1 渋川難波のリーチ対策

A荘にて。今日の相手は、通(夫)・ひろっぴ(妻)夫妻、そして若手有望株のスタッフアキ君。南3局、親のアキ君のリーチ。

ここに断トツのひろっぴさん、一発で7索を切る。卓内の私達のみならず、卓外に居る勝ち頭のスタッフ枝襟さんまでもがその7索に注目。全員がひろっぴさんの顔を見たんだ。恐いなあ、どんな手が入ってるんだ。しかしその局は普通に流局。
半荘終了後、どんな手で7索を打ったのか聞いてみた。すると意外にも「ああ、あれはベタオリだったんですよ」って。そうかソーズの壁が有ったのか・・・・いやいや、あの時私の手には5索6索が2枚ずつ。一体何の壁だ。

「私、渋川さんの教えに従ったんです」

ええーっ‼渋川の教え‼渋川一体何を言った‼

「リーチには2枚有る牌を切れって。あの時2枚有るのは7索しか無かったんです」

ああ渋川、そう言えばYouTubeでも言ってたな。

「渋川さん、リーチに安全牌が有りません」という女の子に「2枚有る牌を切りなさい」なんて。

そこからみんなで「リーチに2枚有る牌を切るのは本当に有効か?」の侃々諤々の議論が盛り上がった。昔から「一枚通れば二枚通る」というが、数牌でそれはセオリーになるんだろうか、とか。話し合いの結果、字牌の2枚、特にオタ風の2枚は大丈夫ということになった。

「うん、それは渋川さんも言ってるから間違いないですね」と通さん。渋川、これ程信頼されるとは何とまあ有り難いことか。

しかししかし、私は程なくこのオタ風2枚の背筋が寒くなる攻防を目にすることになる。

2 10月20日南3局1本場の闘い

これが松ヶ瀬さんの5巡目リーチ。何?‼出アガリハネ満以上。とんでもないリーチだ。

松ヶ瀬さんの捨て牌は


さて渋川の手は?

やばい、オタ風の北2枚。例の「ほぼ安パイ」の奴じゃないか。

ただ渋川もシャンテン。ここで西を一枚押す。                                          

その結果10巡目、優さんの追いかけリーチが入った時の渋川の手牌は

となり、二人のリーチに現物の2万を切ることができたのだ。

しかし9巡目、2万をツモ切りしていたらどうなったか。渋川の手牌には2万の代わりに1筒が入る。そして優さんのリーチ。

ここで打つ牌は北しか有るまい。現実は渋川、猿川さんより優さんが恐いと見て2万の方を残した。隠れたフアインプレー。

 この局にはもう一つの未来も有った。渋川は最初に西を勝負したが、ここで1筒で降りるという選択肢も有った。すると優さんの追いかけリーチの10巡目、渋川の手牌はこうなる。

何とこれでも切る牌は、北しかない。
まさに薄氷の打ち回し。もちろんラッキーな部分も有る。松ヶ瀬さんの待ちが西だったらそれで終了なのだ。しかし、たまたまだが西は通った。その後が凄い。「優さんの白の二枚落とし」や「松ヶ瀬さんの第1打1筒切り」から緻密な読みを積み重ね、放銃回避。
本人は「ついていた」とか「たえたー」とか言っているが、もっと胸を張っても良い。「渋川は降りているときの安心感が素晴らしい」というファンの声がリアルに響く。

もう一つこの局に絡んで良かったことが有る。渋川は第1打の発をかぶった。これに噛みついたのが堀さんだ。トイトイを睨めばこの手、役牌のかぶりは痛すぎる。第1打發は無いという訳だ。
それに対して渋川はチートイを主眼に置く。第1打7万では、後に發や西の待ちになってもおいそれとは出してもらえないというのだ。うん、確かにMリーグでは渋川のチートイリーチの待ちが、結構止められていたなあ。ただ渋川は「振り返り」でも同じような主張をしていた。
彼は昔から妙に頑固なところがあり、今回もかたくなに凝り固まるのか心配だった。
だが違った。
彼は最後にこの手牌でのトイトイのメリットを認めていたのだ。
これは凄いことだと私は思った。

ともあれ渋川ここをしのいでこの半荘2着となり、3連続連帯となる。

3 あれから1年。黒沢さんとの因縁の対決。オーラス勝負‼

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