損を抑える鳴き【渋川難波×園田賢スペシャル対談2】
構成・東川亮
園田賢・渋川難波の対談で何度か挙がっていたのが、「損を抑える鳴き」。一見悪あがきに見えるが、失点を加点につなげられれば、積み重なって微差の勝利を得ることにもつながるだろう。
・損を抑える鳴き・1
アガれそうにない手の中盤。ドラの発も浮いている。ここで上家から出た7pどうする?
園田 7pをチーして赤5s切り。
渋川 これを鳴かないとノーテンで終わっちゃいそうなので、とりあえずチャレンジするのはアリなんじゃないですか。
園田 7p出たなら一応鳴いておこうかと。これを鳴かないとしても、いいことが何もないですからね。鳴いて「アガリに向かっている」とか「テンパイ料を取りにいっている」とか言われるけど、そういう細かい話より、鳴かない世界線と鳴いた世界線の比較なんですよね。鳴かない世界線へ進むと、たぶん100年に1回くらいメンピンツモイッツードラ1のハネ満とかをアガれるのかもしれないですけど、それ以外はほぼオリでノーテン罰符を支払うことになるじゃないですか。つまり、マイナスがほぼ確定している世界線なんですよね。でもここで7pをチーしておくと、たまにイッツーでアガれるかもしれないし、テンパイ料も取れるかもしれない。
渋川 これは鳴いてもあまり損はないですよね。ただ、鳴いた後に何切るか、どうするかは結構割れてもおかしくない気はします。
園田 安全にいくのは、チーして役がいらないといって、ピンズ567pでチーして89p切っていってテンパイ取りにいく手はありますよね。
渋川 あと、本気でこの局のテンパイを取りたいなら、今ドラ発切りですよね、完全に。
園田 でもここでドラを打つのは発想になくて。こういう仕掛けをした上で、相手からはこちらのドラ暗刻とか、「ドラ打つの嫌だな、ドラ持っていたら嫌だな」という感じでけん制はしておきたいから。こういう仕掛けって、ドラが役牌のときは鳴きやすいし、雀頭が西というのもあってのチーしやすさなんですよね。
渋川 単純に、鳴かないより鳴いた方が得しそう、というか。どっちにしろ大損みたいな手、負け確定の手をちょっとでも負けを縮めよう、みたいなチーですよね。
結果
この局、園田はさらに積極的に仕掛けていき、最終的にはテンパイ料をもぎ取った。中盤過ぎて
この手から1500点のプラスで終えられるのはこの鳴きがあってこそ。
損を抑える鳴きが得につながったケースだ。
・損を抑える鳴き・2
上家からリーチを受け安牌を切りながら形だけ保っている状態。白も発も通ってない。
上家から5mが出た。鳴けるが…鳴くのか?切る牌あるの?
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