醍醐大孤高の一打Vol.10 テンパイにとらわれず「リーチのみ」を避けその先の「アガリ」を目指す醍醐の手組み
「自分は人が驚くような打牌をすることが多いが、そこには必ず理由がある」と語る、セガサミーフェニックス『孤高の探究者』醍醐大。本企画では、昨シーズンに続き彼のオリジナリティーあふれる一打の思考に迫る。
今期すでに5トップを獲得、ラス1回と非常に安定した成績を維持し、個人首位を走る醍醐。チームはロケットスタートを決めた序盤から大崩れすることなくポイントを着実に伸ばし、首位のドリブンズを2位で追いかける展開だ。
「今期は順調にプラスを重ねているのを見て、ファンの方やまわりからも『ぜひ個人MVP獲ってください!』と言われることが多いんですけど、まだ全然わかりません。このまま運が良ければなれるかもしれませんが、これからマイナスになる可能性もあるわけなので、1戦1戦目の前の試合でポイントをしっかり積み重ねていきます。MVPは、シーズン終盤になってようやく意識するくらいですかね」
と語る醍醐。普通人間はこれだけ勝っていると気分良くなって「MVP取りたいですね!」「狙ってます!」など言ってもおかしくない。しかし、この感情の起伏の少なさと冷静さが、醍醐のストロングポイントである。ゆったりマイペースで打ち続け、気づいたらMVPを取っていた。そんな情景が眼に浮かぶのは私だけだろうか。とにかく、今後の醍醐の戦い、そしてフェニックスの躍進に要注目だ。
さて今回は2024-2025シーズンMリーグ自身11戦目となった12/5(木)第1試合(岡田・醍醐・浅見・松ヶ瀬)の試合での、醍醐がテンパイ取らずした選択からの手組みについて深掘りしていく。(取材・構成:成田裕和)
愚形リーチのみテンパイからより良いイーシャンテンへの道筋
この日は東3局2本場でリーチ・ピンフ・裏1の3900点をサクラナイツ岡田からアガるものの、ドリブンズ浅見に高打点を決められ苦しい展開が続く。
3着目で迎えた南2局親番、5mを引いてペン7sの役なしをテンパイした醍醐。ここまでの醍醐を見ている読者はすでにもうお気づきだろうが、この局面で3pを切ってリーチの選択はほぼないと言い切っていいだろう。そこで何を切ってテンパイを外すかだが、醍醐が選んだのは9sだった。
「まず、ペン7sのリーチのみですが、親とはいえ愚形リーチのみの手組みはほぼしません。リスクとリターンが見合わないことがほとんどですからね。そこで私は9sを切ってテンパイ外しをしました。解説の石橋伸洋さんが『4p切らなかったですね』とおっしゃっていたこともあり、この手順について牌譜検討配信でも聞かれる声が多かったので、解説していきます。ここで9sを切った理由、それは
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