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プロ雀士超技巧伝・堀慎吾⑬ 市井の真剣師堀 リアルゆえに見抜ける手牌【須田良規】


<降級はしたけれど>

こんにちは!
降級はしたけれど。日本堀慎吾研究会の須田良規です。くぅ~。

そういえば僕は今の若い麻雀ファンの方はご存知ないかもしれない、
「東大を出たけれど」という漫画原作を以前やっていました。
主人公の須田がやたらカッコいいので未読の方はどうぞよろしくお願いします。全3巻。続編も2巻あります。
たぶん須田に惚れます。

昔堀くんはその漫画を知ってて、初めて僕本人に会ったときに、
「あれは須田さんじゃないな・・・」と仲林にこぼしたそうです。
失礼しちゃいますよね!!!

さて、日々堀くんに超思考麻雀を教わっているのですが、
さすがにもうそんなに新しいネタなんて出てこないんじゃないかなと思っていました。

この前やってた第23期雀王決定戦の田幸くんのリーチのチートイツ読み切りで6sぶっ放したやつとか、
もう驚かないですよね。
チートイツ大体当てちゃうし。

でも、ありました。すごいのが。
これはやっぱりみんな気になっていたんじゃないでしょうか。

Mリーグ2024-2025シーズンの、2024年10月25日(金)の第1試合東4局2本場のシーンです!

<親がドラポンから3フーロ>

東家の多井隆晴選手がこの手。
ドラの9pと中がトイツ。16600点持ちと点棒が少ないので、ぜひアガりたい手ですよね。

南家の佐々木寿人選手が2巡目にドラの9pをぽいっと切ります。
まあ全然いりませんしね。今のうちって感じです。

多井さんがそのドラ9pをポン! 中バックですが鳴いときましょうか。

すぐに西家の堀ぽよが中を切ります。
ポン! 元気に多井さんが鳴きます。

打6pとして、手牌は7枚になりました。

ただこのとき堀くんの印象としては、ドラ9pポンはノータイム、って感じではなかったかなぁ、ということです。

まあね、たとえ多井さんといえども、確かに2巡目にいきなり出たドラ9pに反応できるような手格好ではないですね。
だから堀くんもすぐ中を切ったんでしょう。
自分も14600点持ちのラス目ですしね。

そして多井さんの上家、北家鈴木優さんの手です。

どうしよっかなぁ・・・って感じですよね。
鳴かれないのは1p6p中がありますが、今から多井さんに絞っても先が長すぎます。

というわけで自身の手に不要で、特にネックになりそうでもない端牌の9mを、先切り気味に切ります。
トップ目ですし、手が詰まる方が嫌ですからね。

多井さんがその9mをチー、打7mとしました。
なんと恐ろしい、親のドラ9pポン、中ポン、978mチーで3フーロです。

この後多井さんは、

6sをツモって来て、打9s。
3フーロからの手出し9sです。
いやもうみんなソーズなんて切れないでしょうよ。
12000ですからね。

<立ち向かう堀くん>

それを受けての、堀ぽよでした。

これです。この手。
8sめっちゃいらないですよね。多井さんはさっき9s手出しです。
全体図でも見てみましょうか。

この8s易々と切れます????
いくらラス目でも、マンズは愚形残り、
4頭立ての多井さんの最終手出しが9sですよ。

点棒ないから行くんじゃね~っていう考えはごもっともなんですが、
そうはいっても8sは結構怖いですよ。4枚のうちにソーズあるの確定ですからねぇ。

しかし堀くんはひょいっと8sをつまみます。
おいおいマジかよ。

解説の藤崎さんも戦慄していました。
すごいねぇ~、と。
リューハ、会社が違う、など我々世代ドンピシャの麻雀用語でおなじみ藤崎さんです。ニンニン。

そしてカン5mをズコッと引き入れて、4m切りのリーチです。

この気怠そうなツモモーションの、なんと心強いことか。

多井さんは結局3467sのまま延々ツモ切るしかなく──、

堀くんが終盤に7sをツモ!
裏も乗って今日も元気に3000!6000!ハネマンなのじゃ~。

カッコよ。
何これ。

もちろん何も考えずに押し続けてもこうなります。
同じ結果にすることは難しくないかもしれません。

でもそんなにたやすく8sなんて親のドラポン含み3フーロ手出し9sに打てますか!?

<またもやいつものように堀くんにLINE>

いつも忙しいところすまないねぇ堀くん。
この局面なんだけど、ラス目だから渋々の8s切り?
でも堀くんだとやはり多井さんのノーテンを読み切ってたとか?

「いや今テンパイかノーテンかはわからないですが、9mチーのときにノーテンなので、8sは通ります」

な、何言ってんだかわかんないよ!!!!!!!!!

「えっとですね、多井さんは9mチーするときに、ちょっとキズがあったんですよ」

あんだって?
VAR確認してみましょう。

優さんが少考して、スパっと9mを切ったシーン。
奥にある多井さんの右手は、今確かに卓の上にありますね。うんうん。

その直後。
手前の優さんじゃなくて奥の多井さんの方を見て下さい。

多井さんの右手が卓上にないぞ。
影が卓上に伸びていますよねぇ。

「多井さんは、右手をツモ山に一瞬伸ばしてるんですよ」

う、うん。確かに。
それが何か!?
150円でその先の秘密が知れちゃうんですね!

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