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「収録日が来るのが憂鬱だった・・・」麻雀遊戯王「豊後散歩」スタートからもうすぐ5年、MC・豊後葵の今だから語れる裏話と番組の力

YouTubeチャンネル「麻雀遊戯王」の中でも安定した人気を誇る「豊後散歩」。日本プロ麻雀協会・豊後葵プロが女流プロの自宅を訪問してトークを繰り広げ、そこで見られる思わぬ一面が認知度や人気の向上につながるなど、視聴者はもちろん、出演する側にも影響力のあるコンテンツとして親しまれている。

今回は改めて、豊後散歩についてインタビューを実施。2019年8月の初回放送からスタートからおよそ5年、その中では番組はもちろん、豊後自身にもさまざまな紆余曲折や葛藤があったようだ。


■憂鬱だった収録を、続けることで生まれた自信

-豊後散歩はどういう経緯で始まったんですか。

一度、麻雀遊戯王の企画に出た後、プロデューサーの星野さんから竹書房に呼ばれて「チャンネルで何かやってほしいけどいい企画ない?」ってざっくり聞かれたんです。実は最初に出たときに「1回出ればまた声がかかるはず」という謎の自信があって(笑)、実際その通りになったというところで、当時テレビでやっていたアイドルのお宅訪問をまねして、「女流プロのお宅訪問なんてどうですか?」と提案したら、その企画が通りました。

-豊後さん発信の企画だったんですね。

でも、当時はすごく後悔したんですよ。何がキツいって、女流プロにオファーするのは私の役目なんです。今でこそ認知度がアップして出たがってくれる人も多いですけど、最初は断られることも多かったですし、始まった頃は息子がまだよちよちの赤ちゃんで、母とも同居していなくて仕事をセーブしていた時期だったので、子育てと並行してやるのが本当に大変でした。そもそも私、YouTubeって当時は全然見ていなかったですからね。出演することも全然考えていなくて、だけどお世話になっている星野さんの話だから、というのでやることにしたんです。

(初回出演は早川林香プロ)

-豊後散歩は、そこから約5年続く人気企画になっています。自分の中で手応えをつかんだタイミングというのは。

茅森さんの回で、当時としては驚異的な再生数をたたき出したことですね。

(茅森早香プロの回。前半の動画は、現時点で豊後散歩史上最多の再生回数となっている)

今では、ゲストによっては10万再生とかあっというまに行くのが当たり前になってきましたけど、麻雀遊戯王の他のコンテンツと比べても茅森さんのお宅訪問が圧倒的に再生数が伸びて「こんな数字を出したら、もしかしたら定期的にやることにかも」と思いました。でも、そのときは不安とかプレッシャーのほうが大きかったんです。やるからには面白くしなきゃいけないし結果も求められるでしょうし、ギャラもそんなにいいわけではないし(笑)。

最初の1、2年は、どんなに周りから「面白い」と言われてもポジティブになれなかったですし、エゴサとかしていやなことが書かれていると落ち込んで、収録日が来るのは憂鬱でした。今だから言えますけど、日程確認の連絡を受けて、空いているのに嘘ついて断ったりしてましたからね。でも、当時は放送対局にも呼ばれなくなっていたので、今この仕事を断ったら、私なんて麻雀プロとして本当に終わってしまうんじゃないかと思って、辞めるに辞められない状態でした。

-でも、そのままでは続けていくことはできなかったと思います。転機はあったんですか。

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