醍醐大の孤高の一打vol.2 〜打牌批判と4p切りの理由〜【文・成田裕和】
「自分は人が驚くような打牌をすることが多いが、そこには必ず理由がある」と語る、セガサミーフェニックス『孤高の探究者』醍醐大。本企画では、彼のオリジナリティーあふれる一打の思考に迫る。
10/16(月)で通算5試合を終えた醍醐。現時点での感想を聞いた。
「とにかく『緊張』ですね。額から出る汗の量、牌を扱う手のおぼつかなさ。心は正常でも、体はいつもと違う感覚でした。でも、最初の3戦を終えて次第に緊張はほぐれてきましたね。もう大丈夫だと思います。ただ、まだトップがないですがいつもどおり結果は気にしていないですか?とよく聞かれますが、初トップは喉から手が出るくらい欲しいですよ(笑)。
僕みたいなタイプって、ある程度数字を残さないと受け入れてもらえないと思うんです。だからある程度最初にプラスが来ればいいな、とは思っていましたけど、結果は42423。ですがそんなに悲観してはいません。いつもどおり選択を繰り返していくだけです」
緊張もほぐれ、ようやくMリーグの舞台になじんできた、と言ったところか。今回はMリーグ自身3戦目となった10/5(木)第2試合(仲林・黒沢・高宮・醍醐)の試合から、ネット上でも大きく話題に上がったあの1局を振り返る。
(取材・構成:成田裕和)
打牌批判と4p切りの理由
この日はジリジリとした展開が続き、点数状況も誰がトップを取るのか全くわからない緊迫した状態。そこで訪れた南2局、供託5本の3本場。
なんとしても加点したいところで醍醐は高宮から出た8mを67mでチーし、早くもこの巡目でタンヤオ赤1のイーシャンテンまで来ていた。
ここで持ってきたのは4p。醍醐からは4pが全て見えていて、8sも3枚見え。
平面だけで考えると、5p2枚と8s1枚のポン、7p4枚のチー、計7枚分テンパイを取れる牌が増えたので、目一杯に構える西切りをする打ち手が多そうだ。しかし醍醐はこの4pを何事もなかったかのように平然とツモ切った。
「試合を終えたあと、Xやその後の牌譜検討配信の反応も見ましたが、この選択はネット上で叩かれました。『供託5本もあってテンパイ枚数マックスに取らないのはおかしい』『ミスを認めろ』などといったコメントがいくつかありましたね。こうした打牌批判について、よく落ち込んだりしないんですか?と言われるのですが、私はこうした打牌批判を一切気にしないんですよ。なぜなら、
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