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「森山会長にトロフィーをもらって、美しいピリオドを打ちたい」最高位戦日本プロ麻雀協会・浅井裕介

最高位戦日本プロ麻雀協会・浅井裕介。元々麻雀ファンの間では実力派としてよく知られる打ち手の一人だが、彼の名がより広く知れ渡ったきっかけには、ある事件があった。

麻雀最強戦2020「超攻撃型プロ決戦」決勝卓、南2局。浅井が形式テンパイを取る鳴きをした結果、リーチをしていた近藤誠一が高目ツモ裏裏で6000オールをツモアガった。このときの浅井に対し、解説を務めていた日本プロ麻雀連盟・森山茂和会長が「麻雀を辞めたほうがいいね」と発言したことで、団体を巻き込んだ大騒動になった、という一件だ。

本件に関しては、日を置かず2人に竹書房で対談をしてもらい、その場で和解。

その後、浅井は2023年に連盟4大タイトルの一つ「麻雀マスターズ」を制覇。2024年には会長推薦という形で「麻雀日本シリーズ」に出場し、見事決勝へと進出した。

憧れの舞台で大一番を迎える浅井に、現在の思いなどを聞いた。


■その言葉に、何も言えなくなってしまった

4年前の騒動は、結果的に浅井の知名度を高めることに大きく寄与したそうだ。多くの人が話題にする中で、当時のTwitter(現:X)のフォロワー数は10分に100人ペースで増加していったという。

「やっぱり、影響力は大きいなと感じました。あの発言について、身の回りで僕のために怒ってくれた人たちもいるので難しいところはあるものの、結果としてものすごく背中を押す材料にはなったと思います。さすがに今は風化していますけど、あれから1、2年は、この業界で知らない人はいない、くらいの一件でしたからね。周りのみんなが僕のために怒ってくれていたのは、率直にうれしかったです」

その後、浅井は2023年の麻雀マスターズ表彰式で久しぶりに森山と対面する。そのときの第一声に、浅井は面食らってしまった。

「元々、連盟さんのG1タイトルを取ると、基本的には会長か副会長の方がトロフィーの授与に来てくださるというのは知っていたんですよ。だから、もし僕が森山会長からトロフィーをもらえたら、すごくいい絵面になるなと思っていましたし、そのときのことをシミュレーションしていたんですよ。どんなことを言ってやろうか、とか。

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