ルールに厳格な最高位戦、その運用や信念は?さらにはMリーグで話題になったあのシーンまで、浅井裕介プロに聞いてみた
最高位戦日本プロ麻雀協会は、麻雀プロ団体の中でもペナルティーの規定を細かく設けている団体である。それは麻雀をより競技として成立させたいという信念に基づくものであるが、さまざまな観点からそれに反発する声もなくはない。
そこで現状のルール運用について、最高位戦の理事を務める浅井裕介プロに話を聞いてみた。
■罰則はポイントを引くことが目的ではない
-最高位戦は麻雀のルールとは別に、フーロ所作などの細かいやり方についても規定やペナルティーを設けていますが、それはどのように決まったのでしょうか。
まず、元々の最高位戦の競技規定では見せ牌など「ダメだと明記されているけどペナルティーはない」というものがたくさんありました。でも「ダメって書いてあるけど罰則がないならやった方が得」ということになりかねないので、きちんとペナルティをつけようという動きが数年前からありました。そして2期前からペナルティーを細かく定めた新しいルールを採用することにしました。
当然ですが、罰則をつけるのはポイントを引くことが目的ではありません。「罰則をつけるから、気をつけてちゃんとやってね」ということです。今までノーペナルティーにしていた、たとえば山の牌をこぼすだとかは、極論を言えば罰則がないならやったほうが得ですよね。わざとやるのは論外としても、雑にやってうっかり牌をこぼす回数を増やしたほうが得しちゃうじゃないですか。そういうのはおかしいからなくしていこう、という考えが根底にあります。
ちなみに、このルールは最高位戦のリーグ戦限定の運用であって、時間打ち切りアリの対局や他団体さんのタイトル戦では関係ありません。たまに他団体のタイトル戦に最高位戦のルールを持ち込む人がいて、それはよくないことだと思っています。
-あくまでも、最高位戦は団体内でルールを厳格に適用していくことで、麻雀をきちんと競技として成立させていこうというお考えだということですね。
「ちゃんとやっている人がちゃんとやっていない人のせいで損をするのは違うよね」っていうのが一番ですね。もしかしたらそれによって対局時間が遅くなる、という懸念もありますが、団体の方針としてはそういう部分で訴えていって、それが好きな人にファンになっていただく、そして最高位戦の対局がいいと思ってもらえるように、変えられる部分を変えていこうとしている、ということです。そして麻雀以外の部分ではスタジオを作ってオープニングやエンディング映像を撮ってとか、みなさんに楽しんでもらえるように力を入れています。
-ルールの策定に関わったのはどなたなのでしょうか。
団体内でプロジェクトチームを作って、そのメンバーを中心に決めていきました。主要メンバーは園田賢、中村誠志、新井啓文、浅井裕介(私)の4名で、そこにスポットで何人か加わるという感じです。
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