がんばれ鳥井ゆう【文・五十嵐毅】
優勝しないと覚えてもらえない
「優勝したい! 女流プロ最強戦新世代で勝って、ファイナル行って、勝って最強位になりたい! 決勝残っただけじゃ誰も覚えてないじゃないですか。テッペンならないと意味ない!」
鳥井ゆう、日本プロ麻雀協会12期後期入会。プロ10年目である。
愛称は「とりどん」井の中に点を打てば「鳥丼」になる。しかし、女性を「どん」と呼ぶことはあまりない。このあたりにも彼女のキャラクターが表れている。他県民がイメージする、きどらない「大阪のネェチャン」そのものだ。
性格はどちらかというとおっとりしている。上京して活躍の場を広げようなどという願望はない。「大阪でおじいちゃんたち相手にのんびり麻雀打っている今のままでいい」と言う。
それなのに、最強戦の意気込みを訊くと冒頭の言葉が返ってきた。それは決勝に何度か残りながらも一度も勝っていない悔しさからだろう。
日本プロ麻雀協会関西で行われている女流スプリントで3回(5期2位・9期3位・10期2位)、第18期女流名人戦でも決勝に残るが4位で終わっている。優勝しないと覚えてもらえない現実の厳しさを痛切に感じているのだ。
麻雀は家族麻雀で覚えた。大阪なので三麻。アガリ点は「お父ちゃんが数えてくれた」そうだ。
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