![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134989144/rectangle_large_type_2_0b045f7e6913848d44a075eb8d74a99e.jpeg?width=1200)
「てめえ、メンバーのくせにモロひっかけかよ!」文・長村大
アラームが鳴る前に起きる、だが快適な目覚めとはとうてい言えない。クソったれのウイスキーとクソったれのワインのおかげで頭が重いが、寝る前に口に放り込んだビタミンCの錠剤がなければ、もっとひどい思いをしたかもしれない。もちろん錠剤だって、少しマシなだけのクソに違いはないのだが──ここ数日、少々体調をくずしており、その隙に大好きなジョー・R・ランズデールの小説をひととおり読み返したおかげで、文章が下品になっているかもしれない。
なんとはなしに手の甲を見ると、カサカサに乾燥しており、まるで老人の手である。テキサスの砂漠を這いまわるサソリのほうがまだ、潤いのある肌をしているだろう。やつらの使っている化粧水のメーカーを今度聞かねばなるまい、東京に遊びに来たおりにでも。
老いはいつからか、いつだっておれをぐったりさせにくる。肌の乾燥だなんて、そんなバカげた話はしたくないんだ。昔は……またそんな話か。
ここから先は
1,008字
この記事のみ
¥
120
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?