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悔しかった誕生日───私は最強戦に出たい! (文・木下遥)

【画面の向こうの最強戦】

2024年3月17日

わたしの誕生日です。

この日「麻雀最強戦2024」が開幕。
タイトルは、

女流新スター決戦

この場に私はいなくて、
ABEMAでライバル(と思っている人)たちの
麻雀を見ているだけでした。

誕生日なのに。


この日は大会イベントで、皆さんがお祝いしてくれて、ものすごく嬉しかったです。
でも、反面「女戦士」きのはるが顔を出してきてしまいます。

お祝いされながら、みんなと最強戦を観戦しながら、内心「くっそー」という気持ちがふつふつと湧きあがっていました。

まだまだわたしには実力も実績もないけど、これから「新スター」になれるかもしれない存在だと思っているから、呼ばれなかったのが悔しかったです。
出場している皆さんが羨ましくて仕方なかった。

夜、家に帰って、じっくりと見ました。

出ていた選手のなかでも、特に注目していたのは、安藤りなプロです。
わたしが以前所属していた、日本プロ麻雀連盟北海道本部の選手で、先輩なのですが、わたしは勝手に「りなたんさん」と呼んでいます。

りなたんさんは去年に引き続き、今年も麻雀最強戦に出場しました。

麻雀最強戦は、多くの麻雀プロや麻雀ファンが観ています。

元々多いフォロワーもさらに増えただろうし、
知名度もすごく上がったはず。

同じ北海道出身で、
りなたんさんは北海道に残って頑張っていて。
わたしは東京にやってきて、まだ何もできてない。

「りなたんさん頑張れ」という気持ちと「いや、本当に頑張らなきゃいけないのはわたしじゃん!」という複雑な気持ちで見ていました。

りなたんさんは以前から、毎週金曜日に「麻雀最強戦練習会」を開いてきました。
普段から「X」でも積極的に発信していて、日々の努力が半端じゃないです。
これは並大抵の気持ちでは続かないことです。
本当にすごいです。

わたしはこのまま北海道にいて、りなたんさんと同じようなことをしても、だめだと思いました。

初めて言いますが、東京に出た理由のひとつがそれです。
わたしはわたしのやり方で「最強戦」に出るんだ。そう決心して、東京に武者修行のつもりで出てきました。

それなのに、わたしはまだ画面の前。

人によっては「まだ半年」かもしれないけど、
わたしにとっては「もうプロになって2年」だし、「もう東京にきて半年」なんです。
まだ、何もできていません。

画面の中には、次々とかっこいいライバルたちが出てきます。

プロ歴は先輩だけど、実は同い年だった内田みこプロ
彼女はなぜ呼ばれているのだろうと考えました。
彼女は最初に最強戦に出た時に、一盃口を見逃して四暗刻をツモりました。
そういうインパクトを残したからこそ、優勝できなくても、また呼ばれたのかもしれません。
その後、ファイナルに勝ち進むなどして、すでに最強戦の常連になりつつあります。
もしかしたら、その一盃口をアガっただけで、彼女には「次」がなかったかもしれません。
そんなことを思ったら、自分の身体に緊張感が走りました。

同時に、そんな、一打一打が自身の人生を変えてしまうような場=最強戦で、絶対に打ちたい。
絶対に出たい。そして勝ちたい!

テレビの前でもだえながら「わたしはどうしたらいいのか」を考えました。

【最強戦にこだわる理由】

麻雀最強戦に出たいです。
最強戦が、わたしの麻雀の原体験だからです。

わたしは大学生のときに麻雀を始めました。
それよりもっともっと前から開催されている麻雀最強戦。

実は2017年、まだ大学生だった頃、アマチュアとして北海道の予選に出場したことがあります。

地方予選の決勝で1位になれば、札幌の「ハートランド」で行われる「北海道地方最強位決定戦」に出場できます。

わたしは「北海道地方最強位決定戦」まで勝ち上がったものの、準決勝に惜しくも残れず敗退となってしまいました。

このとき喜多清貴プロ(日本プロ麻雀連盟北海道本部本部長)に初めてお会いし、わたしの敗退が決まって帰り際に「惜しかったね」と優しく声をかけてくださった記憶があります。
運営をしてくださっていた、かわいめぐみプロもとても優しかったです。

わたしは子供の頃からずっと負けず嫌いなので、この大会でも出来ることを精一杯やって挑んだので負けた時も悔しかったのですが、
でも、ここからわたしの麻雀人生が始まりました。

日本プロ麻雀連盟の北海道本部に入れてもらうことになりました。

北海道の皆さんには本当にお世話になりました。
北海道が好きで、できるのであればずっと北海道にいたいです。
それでも東京に出ることを決めました。
このままじゃ一生何者にもなれない気がしたので。
りなたんさんと一緒に北海道を盛り上げるようなやり方もあったかもしれません。
でも、それじゃわたしらしくない。
わたしはもっと戦闘的で、どこにいっても一番でありたいんですよね。
たとえ仲間であっても、同じプロ同士はやはり「戦う相手」です。
それなら北海道で頑張って、りなたんさんよりすごいプロになればいいじゃんと思う人がいるかもしれないけど、違うんです。

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