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800の救世主たち~Mリーグ2023-2024 U-NEXT Pirates 二度目の優勝【文・黒木真生】

写真©Mリーグ

 「朝日新聞Mリーグ2023ー24 ファイナルシリーズ 最終決戦」のあった5月17日。私はどうしても外せない用があり、パブリックビューイングの会場に行くのが大幅に遅れた。
 竹書房の人には20時半ぐらいに到着すると告げてあったのだが、実際に汐留駅に着いたのは21時を過ぎていた。
 私が目指す方向から、逆流してくる人の波があった。
 移動中、スマホでチェックしていたので、すでに試合も式典も終了していたことは分かっていた。
 会場にいた客800人が、一斉にぞろぞろと帰る最中だったのだ。
 「やっぱり東の対子があったからさ」
 「雷電のファンってすごいよね」
 「この前、居酒屋でスマホで見てたら同じタイミングで喜んでる人がいて」
 口々に同じ「Мリーグ」のことを話しながら歩く人たち。
 中には知人もいて声をかけられた。
 「黒木さん、もう終わりましたよ! 何してるんですか!」
 あるチームスポンサーの社長さんから言われた。
 いや、すみません。ちょっと色々ありまして。
 実際、選手たちはまだまだ帰ることはできず、マスコミ各社による囲み取材を受けている最中だった。私が到着した時、ちょうどそれが始まるタイミングで、すべてが終わったのは23時頃だった。
 選手たちは、晴れやかな表情をしていた。勝ったチームも負けたチームもあったわけだが、暗い顔をしているような人を見つけることはできなかった。
 たぶん、私がすれ違った800のファンで埋まった会場は壮観だっただろう。心強かったと思うし、選手は感謝したはずだ。
 1年間リーグ戦を戦って勝ったり負けたりしても、これだけ大勢のファンが自分たちを「推し」てくれている。
 だからもう一度顔をあげて、明日からの戦いに臨めるのだと思った。

悪意のこん棒

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