小林剛が語る「多井、小林、堀のデータ比較」
聞き手・青森りんこ
平均打点はほぼ最下位
よくインタビューで「2着を狙いたい」と答えているU-NEXT Pirate小林剛プロ。
確かにたくさんトップを取るイメージはないが、Mリーグの過去の試合での合計スコアは、2021-22シーズン終了時点で多井隆晴プロに次いで2位、そして2022-23シーズンが開幕した現在では多井隆晴プロ、堀慎吾プロに次いで3位となっている。
小林プロによると、安定した成績を出し続けている3名のデータを見比べてみた時に「明らかに僕だけ違った特徴がある」とのこと。
3名のデータの特徴と、それらを比較して見えてくる各選手の戦術について、小林プロに分析していただいた。
小林剛プロのメモ
※データは辺六筒さんの集計データを参考にしております
上記は2022-23シーズン開幕時点でのデータとなります
条件が関係ある対局も含まれているため、あくまで参考データです
セミファイナル・ファイナルのデータは、2倍・4倍にせず集計しています
参考:リーグ全体の平均データ
アガリ率 19.6%
アガリ点 6697点
放銃率 10.6%
放銃点 5800点
ーこちらのメモはどのようなデータがまとまっているのでしょうか。
これは各選手の「トータルポイント」、その下の2つの数字は左から「素点で稼いだポイント」と「順位点で稼いだポイント」、”打”が「打数」、”平”が「1半荘あたりの平均スコア」、”アガリ率/点”のところは、上が「アガリ率」で下が「平均打点」、”放銃率/点”のところは、上が「放銃率」で下が「平均放銃点」です。
丸で囲んだ赤い数字は、全35人(※)のMリーガーの中での各順位となっています。
※2021-22シーズン終了までに出場した選手
「多井さんが一番強い」と言われているところに、堀さんが食い込んできた感じですね。
この通りの実力とは限りませんが、とりあえずこう並んでいます。
ーこのデータから、3名の麻雀のどういった特徴がわかるのでしょうか。
まず、アガリ率と平均打点をかけ算したものが”総収入”です。
僕の平均打点はほぼ最下位ですが、アガリ率は1位でその分アガっているので、”総収入“はそんなに低くありません。平均打点を下げても、ものすごくアガることによって総収入を増やしています。
一回の打点で見るより、「アガリ点を総額で何点稼ぐか」が大事です。
また、アガリ率を徹底的に上げることによって放銃率も下がっています(3位)。
アガリ回数が多くなることによって、本来放銃もしくはツモられになっていた局もアガリになり、”アガリによる総収入”が増え、相手3人のアガリが減ることで”相手にアガられることによる総支出”も減っています。
多井さんと僕は、共にアガリ率が高く平均打点が低いので、言ってることは違っていても、データの傾向を見ると、やっていることは近いですね。
共通点としては”見切りが早い”ことで、欲張らずにアガリ率を上げて、放銃率を下げている部分です。”相手の手をかわす”ということの価値を大事にしています。
それに対し、堀さんは高いアガリ(9位)を作ることをだいぶ重視しています。
しかも、読みによってギリギリで放銃をすり抜けて(1位)アガりきるということができているので、平均打点が高く、アガリ率も高いというデータになっていますね。
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