「二つの世界で生きる二人からの背中を押す言葉。そして渡辺太が憎くてしょうがない伊達朱里紗、二人の麻雀好きの今季の抱負」伊達朱里紗・渡辺太対談スペシャル企画(3)
近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。伊達朱里紗と渡辺太は、共に別の世界で仕事をし、活躍をしてきている。最近では麻雀界でも異業種で活躍した後にプロとなった「二刀流」と呼ばれる存在が増えているが、二人はその中でもトップクラスに活躍していると言っていいだろう。二つの道を歩む上での葛藤や苦労は、そして楽しさとは。
(全3回の3回目/#1、#2へ)
[文・東川亮]
■うちら、「二刀流扱われ好きじゃない勢」です
――お二人は、麻雀プロとは全然違う世界で全然違う仕事をしている、という点で共通点がありますが、その両立や切り替えについてはいかがでしょうか。
伊達 してないですね、切り替えとかは特に。「声優だから」とか「麻雀だから」とかは一切考えてなくて、全部「伊達朱里紗がおこなっていること」っていう感じなので。今の日本って、いろんな人がいろんなことをしているのが当たり前になってきていますよね。なので「二刀流ですごいですね」みたいに言われることに私は常に違和感があって、むしろ「一個しかしてないとか無理じゃね?」「いろんなことしたくね?」みたいなタイプなんですよ。
私は昔からいろんなことをしたいタイプだったので、いろんなしたいことをして、それで今、生活ができているっていうのは本当に夢みたいなことだなって思いますし、今後も自分のしたいことで生活していけるようにっていうのは、「努力しなきゃ」とか思わずに頑張れることなので。声優だから、麻雀だからとかはなく「好きなことだから頑張るのも苦じゃないよ」みたいな感じですかね。
太 自分も二刀流っていう自覚はないです。ただ、医者と麻雀プロをどちらもできるのかっていう自信がなくて、なかなか踏ん切りというか勇気が出ずに、ここまできていました。プロになったのも34、35のときで、10年ぐらいずるずるときてしまっていたんですけど、でも入ってみたらすぐにドラフトで指名していただいて、人生が様変わりしました。
伊達 結果的に、最高のタイミングでプロになれたかもしれないよね。
太 すごく恵まれたなとは思ってますね。あと、麻雀プロになってみたら、意外と医者と麻雀プロを両立している方って結構いらっしゃるんですよ、それを前に押し出していない方がほとんどですけど。伊達さんも声優から麻雀プロになって、(鈴木)大介さんとかも将棋棋士と麻雀プロで、僕がプロになるちょっと前ぐらいから、いろんな分野から麻雀プロを目指す人が増えてきたのはすごく感じています。最高位戦にも弁護士の方や漁師の方、「朝、海に出てから昼の勉強会に来ました」みたいな方もいて、そういう話を聞くと、やっぱり自分もなってよかったと思います。一つの職業を全うするプロフェッショナルな生き方もかっこいいと思うんですけど、自分のやりたいことをやったほうが楽しいなって、今になって実感しているんで。
だから、形にこだわらないような働き方、生き方、麻雀との関わり方が自然になったらうれしいなと思いますね。僕も「二刀流」って言われるのはちょっと。
伊達 好きじゃないよね。うちら、「二刀流扱われ好きじゃない勢」です。
太 ただ、自分の好きなように働けている環境は、すごくありがたいなと思います。
伊達 間違いない。
■やりたいことがあるならやればいい
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