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見せ牌について思うこと【小林剛】

この記事は近代麻雀1月号に掲載されます

先日のMリーグの試合中、鈴木大介さんが山から一枚、6sをこぼしました。
数巡後、リーチをかけた手牌がこちらで、6-9s待ちです。

先行リーチをかけていた本田さんが6sをツモ切りましたが、大介さんはアガりませんでした。「自分のミスで見せてしまった牌ではアガらない」といった意志があったようで、当然ながらこの件は大きな議論を巻き起こしました。
 

<「見せ牌」とは>

麻雀中、本来見えてはいけないのに見えてしまった牌は「見せ牌」と呼ばれ、ルールによっては見せてしまった人にペナルティが科されます。
厳しい場合ではチョンボやアガリ放棄になったり、その色でのロンアガリが禁止されたりなどです。
Mリーグの場合は、「複数枚こぼした場合はイエローカード(イエローカードが1日で2枚となるとレッドカードとなり、チョンボ相当)」なので、今回のケースはノーペナルティですね。
にも関わらず、大介さんはアガりませんでした。こぼした牌を狙って手作りをしたわけではなく自然な手順ではありましたが、自分のミスでこぼした牌でアガることを良しとしなかったわけです。
私としては、こぼしてしまったことの方が問題で、アガることは問題ないと思いますが、「リーチはかけるけどその牌だけはアガらない」という価値観には考えさせられました。
今後同じようなことがあった場合、大介さんはどうするのでしょう。チームの優勝や敗退がかかっている状況であってもアガらないのか、それとも思い直してアガるのか。また、大介さんがこぼした牌は安牌だと思って切っていいのだろうか。興味深いところです。

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