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醍醐大、孤高の一打 〜Mリーグデビュー戦〜【文・成田裕和】

「自分は人が驚くような打牌をすることが多いが、そこには必ず理由がある」と語る、セガサミーフェニックス『孤高の探究者』醍醐大。本企画では、彼のオリジナリティーあふれる打牌の思考に迫る。

9月19日、醍醐は近藤誠一監督から、チームのシーズン初戦を任された。悔しい4位に終わったMリーグデビュー戦、そしてチーム戦を経験しての印象を振り返る。(取材・構成:成田裕和


「緊張は全くしなかったですね。開幕戦の相手が仲林さん、園田さん、渋川さんだったのですが、仲林・園田は勉強会も一緒にやっていてしょっちゅう話していますし、いつものメンツだな、って感じでした。

笑顔で試合後のインタビューに臨む醍醐

でも、開局してから数局は手が震えてしまって、牌をこぼさないようにツモる動作をより丁寧にしていました。至って冷静で麻雀の思考に影響はないのですが、汗をかきすぎたり、手が震えたり、体に出ちゃうタイプなんですよね。

初アガリは1sツモの満貫。フェニックスを象徴する鳥でアガって魅せた

デビュー戦の結果はラス。
もちろん悔しかったんですけど、その後のことが印象に残っています。2戦目で出場した魚谷さんが、開局早々小林剛さんから12000をアガったんですね。僕はそれまで他人のアガリを喜ぶようなことはなかったのですが、あれはすごくうれしかった。そういう気持ちが芽生えたことで、チームで戦うMリーグという舞台の意味を改めて理解した気がします。他にも、チームメートと話したり仲間の麻雀を見たり、SNSでファンの方々の反応を見たりしていて、自分もフェニックスの一員になったことを感じました」

そんなMリーグデビュー戦となった9/19(火)第1試合(渋川・仲林・園田・醍醐)の試合から、醍醐がMリーグで初めて打った局の、印象的な選択を振り返る。

■2軒リーチに愚形待ちで追っかけた理由は?

東1局、醍醐は渋川・仲林の2軒リーチに対し、4m待ちのチートイツでダマテン。

そこに暗刻となる6mを引き、待ち変えができるようになった。

醍醐の選択は、カン3mに待ちを変えてのリーチ。


通常、追っかけリーチは後になるほど十分形になっていることが多いが、今回は待ちがよくない。醍醐は比較的リスク回避の選択をすることが多い打ち手だが、カン3m待ちリーチに踏み切った意図とはなんだったのだろうか。

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