「Mリーガーになり削られる子供と過ごす日常。ガラっと変わる生活面の不安、そして寝れずに迎える朝とは?」日向藍子・浅見真紀対談スペシャル企画(2)
近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。母親としては同期の日向藍子と浅見真紀だが、Mリーガーとしては日向のほうが4年先輩に当たる。新たな舞台を楽しみにしている反面、不安なことも多いという浅見に対し、日向が乗り越えたママさんMリーガーの苦悩とは。
(全3回の2回目/#1、#3へ)
[文・東川亮]
■Mリーガーは家族の協力と気持ちのケアが不可欠
――浅見さんが先輩Mリーガーである日向さんに聞きたいことは。
浅見 今は何が分からないのかすら分からないんですけど、やっぱり気になるのは、ママさんMリーガーたちは子どものことをどうしているのか、ということですね。試合が夜だから、家に帰ってくるのは絶対に寝ている時間になるじゃないですか。そうなると、朝しか会えなくなっちゃう。
日向 そうですね。でも今シーズンからチーム数が増えて試合が週1になるところもあるので、前よりは余裕ができるのではないかと思っています。だけどそれでも家族の協力が一番ですよ。旦那さん(※日本プロ麻雀協会・橘哲也プロ)か真紀ちゃんのご両親か、とにかく誰かの協力が必要ですし、ないと無理です。ちなみに、対局後は寝られるタイプですか?
浅見 寝られない。私、放送対局とかで打った後は絶対に見返すし、そのまま朝まで眠れなくなるタイプ。
日向 でしょ。私も試合見返しながらあれこれ考えていたらあっという間に朝になっていて、いろいろ準備して子どもを保育園に送り届けるという。私の場合はその後に2、3時間仮眠をとって、そこから仕事に行っていました。
浅見 そこから寝るんだね。
日向 あと、旦那さんとは麻雀の話はされますか? するなら、揉めるからやめたほうがいいと思います(笑)。
浅見 うちの家庭は本当に揉めないの。麻雀の話で喧嘩をしたことがなくて。
日向 Mリーグで打っていると麻雀の勝った負けたを不特定多数の人に評価されてコメントもいっぱい飛んできますから、頭がパンパンになるんですよ。だから私は、せめて家ではいつだって何があっても褒めてほしい。家事をして偉いとか、お仕事頑張って偉いとか、麻雀のことじゃなくていいから。
特に私はメンタルが弱いので。とにかく、あまりいろいろな声を入れすぎないほうがいいですよ。「私は私の良さがあって、私の麻雀を認められてここにいるんだ」と常に思う気持ちがすごく大事になる気がします。
■家族、麻雀プロとして、お互いの立場を尊重して
――浅見さんは、Mリーグで戦っていく上ではどんなイメージを持っていますか。
浅見 麻雀の部分はやってみないとわからないですし、チーム練習もそれほどたくさんやっているわけではないので、本番で打っていく中で気づくことがたくさん出てくると思っています。私自身、分からないことは「この選択どうだった?」と周りに聞いて、その返答を集めて答えを決めていくタイプですし、そこもやってみないと分からないですね。
ただ、やっぱり一番不安なのは生活面です。うちの夫はサラリーマンとして月曜から金曜まで働いて土日が休みという生活をしていて、一方で日本プロ麻雀協会のA1リーガーなんですね。A1リーガーの生活を私のために調整させるのも少し申し訳ない気持ちがあるし、彼の練習の時間とかも確保してあげたいです。
でも、Mリーガーになると土日にいろいろなお仕事をいただくことも多くなるわけで、家庭内での時間分配もそうですし、プレーヤーとしてのそれぞれのプライドも含め、お互いがどうやって麻雀に向き合っていくかを、お互いをリスペクトし合った上できちんとすり合わせていかないといけないと思います。それができないと、たぶん家庭が崩壊します。
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