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「最初にリャンメンは強いと教えられるので、その部分をトイツとして見ることが難しいのです」副露率53%で魂天になった男、川村晃裕に聞く鳴きの極意

【鳴き麻雀】

川村晃裕氏が得意とする”鳴き麻雀”と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、クイタンや役牌を鳴いてガツガツと安手でもアガりに向かう麻雀だ。
しかし誰もが接戦や、アガりトップなどでは鳴き麻雀で打つことはよくあるし、さほど難しくないだろうと私は考えていた。

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川村氏の麻雀もどうせその延長だろうとその程度にしか思っていなかったのだが、日本一鳴くというその男の麻雀も1度くらいは見てみようと今回はネット麻雀を打ってもらった。

さて、試合が始まって東1局の序盤。

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鳴き麻雀にはもってこいの手牌に見えた。
北家なので、が出たら鳴けばドラ1の2000点。
それなら簡単にアガれそうだ。
もしかしたら日本一鳴く男なら、が出なかった時のために456からも鳴いていくのか??

しかし、そもそもこの手牌を躊躇なく鳴く事は勝てる麻雀として正しいのだろうか?
東風ならまだしも、半荘戦の東1で門前も十分に見れる手牌。
それを早々に2000点で鳴くのは、”鳴き麻雀=打点を軽視している”だけではないのだろうか?

そんな事を考えていると予想通り『ポン!』という声が聞こえてきた。
「やはりただの早アガリか・・・」

北

を鳴いてしまえばこの後は真っすぐアガりに向かうだけである。
誰でも同じ手順を辿るだろう。
それなら「この局にもう見せ場はない」そう思い私は飲み物でも取りに行こうと立ち上がり、ふと鳴きを見るとそこには予想もしていなかった手牌が出現していた。

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しかもこの手牌で川村氏は何も切らずに静止している。

『川村さん、普段使い慣れているパソコンでは無いですし、クリックミスは仕方ないですよ。この局は見なかったことにするのでお茶でも取ってきますね』
私はそう優しく声を掛けた。
しかし彼からの返事は予想外の物だった。

『今一番鳴きたい牌が鳴けました。5s切るか8s切るかが難しいので少し話かけないでください』

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