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「最高位より雀王が上だと示す」渋川難波が語った滾る闘志。そして「絶望の連鎖を断ち切る」鈴木優が示した所属団体への愛。渋川難波・鈴木優対談スペシャル企画(3)

渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)、鈴木優(U-NEXT Pirates)は、長年の目標だったMリーグの舞台での戦いをスタートさせた。しかし彼らの目標は、MリーガーになることではなくMリーグで勝つこと。チーム、スポンサー、ファン、さらには団体の威信をも背負い、凌ぎを削る二人が語るものとは…。(全3回の2回目/#1#2へ)
[文・東川亮]

■団体の頂点が選ばれなければいけない

――二人は団体の最高タイトルを獲得しMリーグ入りをしていますが、鈴木優さんは最高位を獲ったときのインタビューで「赤入り麻雀も強い」とアピールされていました。

鈴木 最高位戦には45期最高位の醍醐(大)さんとか、Mリーグに選ばれていなくても強い人がたくさんいます。そこで僕が選ばれたのは、やっぱりタイミングだと思います。

 ただ、それだけ強い人がいる中で2年連続で最高位がMリーガーに選ばれないとなったら、他の頑張っている最高位戦の選手にとっては絶望でしかないんです。夢が見られない。だから、もちろん団体のためではなく僕個人が選ばれるためではあるんですけど、僕が選ばれないといけないとも思っていたので、アピールはどんどんしていくつもりでした。

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――雀王を獲った渋川さんには、そういう感覚はありましたか。

渋川 僕はそもそも、Mリーグに協会員が少なすぎだと思っていました。連盟さんと最高位戦さんの選手が多くて、協会員は松本君と堀さんの2人だけ。だから雀王が、とかではないですけど、協会にももっといい選手はいると知ってもらうために「まず僕が入ってそういうのを広げていかなきゃ」という気持ちはありました。

 客観的に見ても、雀王になる前から僕がMリーガーに一番近かったと思っていましたし。そうしたら雀王が獲れたわけですけど、雀王じゃなくても指名される存在にならないといけないとは思っていました。

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――お二人とも、団体のことをすごく思われていると感じます。

渋川 僕はそういう意識は低い方だと思いますけど、それでもやっぱり、協会から2人だけというのはちょっとイヤだな、悔しいな、という気持ちはありました。

 今シーズンは松本・堀・渋川・仲林と、協会所属のMリーガーが4人になりましたけど、全員かなり強いと思うので、もちろんチームとして勝ちたいのが一番にある上で、協会という枠組でも「協会の選手は強いんだな」と目を向けてもらえるようになるとうれしいですね。

鈴木 協会さんが2人だけという話がありましたが、最高位戦の選手が多くいれば、入れ替えが必要なタイミングが訪れたときに、やっぱり意見を通しやすいと思うんです。だから、最高位戦の選手が一人でも多く入っていれば、団体にとっていいことも多いんじゃないかと思います。団体を背負うというと大げさですけど、どちらかというと僕はその気持ちが強いと思います。

 特に、僕は地方住みだったので、地方にいても最高位になれる、Mリーガーのチャンスがあるというところを見せたかったですし、そういう舞台に立つことで、地方の仲間をはじめ、いろいろな人が刺激を受けてくれたらいいと思っています。

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――ちなみに、Mリーガーの指名については、実力以外の部分が考慮されるところもあると思います。

渋川 僕は、Mリーガーは雀力とか人気とか、総合力で選ばれていると思っています。実際、僕も昨年のドラフトでは指名がなかったわけですが、それは自分が総合力で劣っていただけの話であって、それはYouTubeでの活動などを通じて身につけていけばいいと思っていました。そもそも、麻雀の実力なんて、周りから見て分かるようなものではないですからね。

鈴木 僕は全く逆で、もちろん人気や外への発信、その他にも大事な部分がたくさんあるのは分かっていますけど、麻雀界の最高峰であるMリーグの舞台は、理想で言えば強い方から32人が選ばれる世界であってほしいと、今でも思っています。

 そういう世界にするためには、パイレーツが今シーズンから何年も圧倒的に勝ち続けて、他のチームが「今のままでは勝てない」と考えるようになり、勝つために強い選手を獲得するようになる、という風潮にするのが一番だと思います。

 仲林選手も僕も、周囲の方からは「ガチだよね」と言っていただけているので、それこそ「もう勝てない」と思わせるくらいの圧倒的な勝利を積み重ねたいと思っています。

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■麻雀人生で一番の悔しさ

――お二人は麻雀人生においていろいろな経験をされていますが、その中で一番悔しかったことはなんですか。

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