「オカルトバスターズの戦い~過去から未来へ~」小林剛プロ・村上淳プロ特別対談

取材&構成:東川亮

10数年前に麻雀界で結成されたユニット「オカルトバスターズ」。メンバーは小林剛・村上淳・鈴木たろう。今日ではいずれもMリーガーとなり、麻雀界の最前線でトッププロとして活躍している3人だ。麻雀界にはびこる「オカルト思想」と戦い続けてきた彼らは、若き日の自分たちが描いた未来を作ることができたのか。小林剛と村上淳の二人に、過去から現在、今後について語ってもらった。


■オカルトバスターズの理念

-まず、オカルトバスターズ結成の経緯から教えてください。

小林 「月刊プロ麻雀」という雑誌の企画で、当時比較的実績のあった若者3人でオカルトを否定していこうという趣旨で始まりました。

村上 当時、我々がベテランプロと戦ったり一緒に勉強会をしたりすると「前局いいアガリをしたからここは押すべき」「そんな鳴きをするから相手にアガられた」とか、そういうことで上から説教をしてくる人が多かったんです。そんな間違った理論がはびこると今後の麻雀界、これから麻雀を強くなりたい人たちにとってはよくないという考えが僕たち3人の中で共通していて、それがオカルトバスターズの理念となりました。
 
小林 当時はほとんどの観戦記が、オカルト思想を前提に書かれていました。たとえば、リーチに対して安全にテンパイを取り切れるからと鳴きを入れ、ツモ順がズレた結果、ツモられた。その局面では絶対に鳴いた方が得なのに、それを否定的に書かれるのです。鳴いたこととツモられたことはそれぞれ独立した現象でしかありませんが、そこに因果関係を作って敗因や勝因を見いだそうとする人がたくさんいて、それによって麻雀の理論として正しいはずのことが間違っているかのように世に広められるのが許せませんでした。

村上 当時、我々3人を選んでくれたのが、「月刊プロ麻雀」の編集長だった山内啓介さん(101競技連盟)でした。選んだ3人が後にみんなMリーガーになっているわけで、先見の明があってすごいと思いますし、山内さんのおかげで今の我々がいると思っています。

■現在の麻雀界とオカルト

-それから10数年が経ち、オカルトバスターズのメンバーは全員がトッププロとなりました。当時と比べ、今の麻雀界はどのように変わってきましたか。

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