【無料記事】選ばれなかった女たち・続報③胸を出して売れないでくれ!【文・飯盛裕美子】
先日黒木さんと食事させていただく機会があり「打ち合わせのnote最近どうなの?」と聞かれた。私なりに工夫を凝らしてはいるが、文章が面白いかと言われたら…うむむ…とあまり自信がないことを白状した。
今回の記事も実は苦戦した。
黒「飯盛さん真面目そうだから、意識的に全然関係ない話とか下世話な話とかもしてみないと、たとえば『今まで付き合った男の中で1番ヤバいやつの話』とかw素でかねやんみたいな変わってる人ならアレだけど」
そんな話をしたら偉い人に怒られないか?コワイなーと思っていたら和泉由希子プロがちょうどそんなnoteを書かれていたw
実際には打ち合わせで際どい話はしているのだが「表には出せない本音」的な感じで、書くことがはばかられる。
ここ最近のnoteは参加者の皆様を紹介する内容が多く「真面目な子をイジるのって出来ないんだよな…」という気持ちもあった。
竹田有希プロは、そういう意味ではありがたい人物だったかもしれない。
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「友達に『絶対胸出して売れないでくれ!』って言われたんですよ」
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ご自身をどのように魅せたいか?と聞くとまだ迷われているとのことだった。
飯「このように魅せたい、が難しい場合、例えばですが『こうなりなくない』とか『こう見られるのはやだな』とか、ネガティブなイメージから逆説的に導き出すこともできるかと思います」
竹「…麻雀プロの大事なところって【どれだけ麻雀に時間をかけられているか】だと思うんですよ。
トップの方たちを見ていると、寝ている時とご飯の時以外は牌触っているんじゃないかっていうくらいに思っています(笑)
そもそもの話【麻雀】のイメージが第一にないといけないと思っていて、女流プロは本当にたくさんの選択肢が広がっているから正解も不正解もないと思いますが、なりたくない像があるとしたら【あの人何者だっけ?】ってなることですかね。
自分がたどり着きたいのは第一線で活躍している人たちと同じ土俵で打つことです。ならばゲスト活動なんかせずに毎日麻雀打つべきじゃないの?なんて言われちゃいそうですが、誰にも知られないのは…やっぱり嫌なので(笑)。だって私のことは…知ってほしいんですもん…」
きゅん。
竹田プロは雀荘のお仕事の他にも、積極的に自団体のリーグ戦やタイトル戦の運営、実況等も行われている。
飯「そう言う風に考えている人はこの企画に乗ってくれると思ってましたw」
竹「あとは麻雀業界全然知らない女友達に【胸出して売れるなよ】って言われてて…」
飯「www」
つまり竹田プロは麻雀が生活の1番中心にあるべきだという考えで、かつ麻雀に関わった成果や実績を積み重ねて売れたいのだ。
だからこそ新人麻雀プロというカテゴリーの中で【選ばれなかった】ことに対する悔しさはひとしおだと思う。竹田プロは芯がしっかり通った強い人だなと思った。
ちなみに飯盛は全然強い人とかではなく、昔からマキシマムザホルモンが好きで売れる流れに迎合するとか、あるいは用意されたレールの上をおとなしく歩くことを好まない「パンク」なだけである。ただしホルモンは「エンタメとして昇華する」事を大切にしており、そのマインドは私にも脈々と?受け継がれて?いる。
竹「友人は【安直に売れようとするなよ】という意味でこれを言ったのだとは思いますが、あまりにもインパクトが強かったのでずっと忘れずに残っていました。私自身、あるモノはあるかもしれないのですが他がいかんせんシュッとしてないから…なんてこればっかりは言い訳になっちゃうのですけどね(笑)。これに関わらず何かイメージついちゃうと、ずっと定着すると思うので諸刃の剣のイメージなんです。」
竹田プロは役者経験がおありで、人前に出るお仕事は慣れていらっしゃるはずだ。肌を出せばある程度人気が得られることはわかっているけれど…諸刃の剣という表現が秀逸だ。
ちなみに飯盛にはあるモノは無い。
飯「私は麻雀プロや業界全体が、新しいファン層を獲得していかなければいけないんじゃないかと思ってるんです。竹田さんのお考えに通じる部分があると思ってます。新しいファン層を捕まえたい!と考えた時に、それってつまり私たちの世代のことなんだと思うんですよね。私たちがしっかりお金落とさなきゃいけない。つまり私たちの感覚で、かっこいい事や可愛い事をやらなきゃいけないって思ってます」
飯「ちなみに撮影の時にこんな格好したいとか、具体的なイメージとかあるんですか?」
竹「彼シャツとか、朝チュン的なのはどうですか?ちょっとオシャレじゃないですか?ww」
飯「朝チュン!?!?!?めちゃくちゃ久々に聞きましたwww」
竹「私すごい平凡なんですよ(笑)。学生のころから振り返っても何一つ1番になったことがなくて、それは上でも下でもで。言ってしまえば【おもろくない奴】なんです…。これがコンプレックスなんですけど、これをこれで終わらせないのが唯一の持ち味かなって思います。今回の企画に参加するみたいな…じっと大人しくすることができないんですよね。私は【前向きネガティブ】って名付けています」
朝チュンに衝撃をうけつつ、「1番になったことがない」このセリフが私に深く突き刺さる。なぜ竹田プロはこんなにも共通点が多いのか?同世代だからなのか?私もずっと同じ気持ちで今まで生きてきた。
凡庸な人間は自らはみ出そうとしない限り、永久に「凡庸」の箱に閉じこもるのだろう。だって凡庸だから。
私たちのささやかな反骨精神【前向きネガティブ】をどうぞ応援していただきたく存じます。
つづく
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