見出し画像

ゲンロンと私 ①西田亮介編



ゲンロン前夜


(あくまで)僕がゲンロン以前に西田亮介さんについて知ったのは2016年のこと。

東さんの動画を介したSEALDsに対する憤りに触れるまでは『これが現代の若者像の一端かぁ〜。。。(自分は)ノレない、ダサいラップ(のようなもの)だなぁ〜、くだらないなぁ〜(自分とは関係ない)」ぐらいにしか思っていなかった。

今から振り返ってみるに、僕個人における「政治の季節」(オマージュ)は2016年、夏だったんじゃないかな〜?と記憶している。

というのも、その年の夏の参院選に候補として「三宅洋平」が再度、出馬した動きの影響が大きかったように思う(三宅洋平のバンドやミュージシャン、アーティストとしての活動や存在についてはそれまで知らなかった)

三宅洋平単体のみの動きであったなら注目する流れにならなかったかもしれないが、出馬までの経緯に「山本太郎」が噛んでいたこと

それと、自分の中のもう一つの文脈として、前年、知ったビブリオバトルをコンテンツとしたコミュニティを立ち上げようとしていた時期と重なったのもあるかもしれない(ちょうどその時期から選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられ、自分がかつて関わった中高生たちが該当する年齢に達するタイミングだったこともあり、それぞれの投票行動についてゆるやかに受け止め、議論を深める場にもなれば…と考えていた矢先のことだった。そういった意味では既にゲンロン的なコミュニティを求めていたとも言える)

と、ここまで書いてまざまざと浮かび上がった観点として
アイドルが総選挙と銘打つ分には構わない(自分とは関係がない)ただし、自分が一家言あるつもりでいた音楽・ロック・サブカルのフィールドから地続きで政治へ、というムーブを感じたとき(サブカルの観点からも、政治の観点からも)見過ごす訳にはいかなくなってしまったのだろうな、とはたと気がついた。

『マーケティング化する民主主義』

キーワードとしては「選挙フェス」と「ネット選挙」だろう(西田さんの専門が「メディア論」だからこそ、気鋭の若手論客の一人として、これらのテーマに言及していたのだろうし、その一環としての取材、執筆という文脈は今なら分かる)

これも文字にして気づいたことだが「アイドル総選挙」と「選挙フェス」では、言葉の持つ意味合いとベクトルが違うよね。。。(アイドルグループのセンターを民主的に選抜する手段として政治的に介入することと、選挙は本来、マツリゴトなのだから、どうせなら音楽を用いてフェスにしてしまえ!というのでは)

新書『マーケティング化する民主主義」は上記の流れを踏まえて出版されただろう、最新(当時)の書籍だったので、この状況に対する何らかの回答(あるいは示唆)のようなものが得られるのでは?と期待して購入したのだが、結果は肩透かしに終わった(今、改めて読んでみたら違った読後感を抱くのだろうか…)

くだらないのを承知で記すと、西田さんの著者略歴にあった「社会学者」という肩書きと、掲載されていた三宅洋平取材時の近影のイメージがあまりにかけ離れていて(確か、ワックスで立たせた髪にサングラス、日焼けした肌にタンクトップ?で腕組みしていたような…)これも今、思えば西田さんの趣味がサーフィンであり、40代になった今はむしろ、戦略的にスーツにタイピンまで徹底してメディア出演していることを鑑みれば、若手論客としてナメられぬよう、精一杯、虚勢を張っていたのかも?と思えなくもないが…当時はただ、サブカル(アカデミズムどちら)目線から見ても中途半端にイキってるようにしか見えず、内容が頭に入ってこなくなってしまった(苦笑)

リハック(ひろゆきとの共演)

リハックが今年、国内の政治状況に対して果たした一定の役割については認識しているつもりだが(他意はないけど)特に重宝されているひろゆきにあまり興味がないので、西田さんの世間での認知度が上がった?とされているひろゆきとの絡み(ひろゆき相手にキレた…?)については詳細、知らない。

それよりは、リハックのコンテンツを通して
ゲンロンにおけるトークからは垣間見ることができなかった一面を知れたこと

・大学教員としての葛藤など

知名度が上がった(新たな収入源に繋がった)ことで

・既存のメディア(朝日新聞等)に対して自分のスタンスが貫けるようになった

(ちょうどマスメディアから諸般の事情により退いた後のタイミングだったのは少し残念だが)

・宇佐美典也さんと東さんとの座組が揃い踏みした

論壇の存在が危ぶまれている中で、西田さんがこれまでの活動を継続する上での好ましい変化が起きた年になったのはよかったのでは?と思っている。

日大危機管理学部

僕はアカデミアを通過していないので、今春から西田さんが東京科学大(旧東京工業大学)から日大危機管理学部へ移ったことに関して、そのステータスについて計る尺度は持ち合わせていない。

ただ、たまたま今年は「職業としての大学教員」やその立場、業務内容について知れる本を何冊か読んだので、西田さんの場合にも当て嵌めてイメージし易かったというのはあったと思う。

それと、当人同士の絡みはまだ見たことがないが
最近、東さんとの対談でその存在を知り、僕と同世代の批評家(大学教員)でも
こういう気概のある人がいるのか…と感じた先崎彰容さんも日大危機管理学部だと知り、論客としての活動もし易い環境というか、何かあるのかな?とも思った。

宮台真司の弟子

これは確か、ゲンロンのトークの中で知ったのかもしれないが

「宮台真司の弟子」筋に当たるという自覚を明確に持った人なのだな、というのは理解できた。

僕自身、90年代の宮台さんの在り方については、どちらかといえば嫌悪感があったし、現時点での東さんとの関係性や距離感を見るに複雑な心境でもあるけど…

本人談のエピソードからは、宮台さんに対する敬意のようなものを感じる。

公明パンフ

今年は聖教新聞紙上で宗教団体(公明党の支持母体)としての創価学会の役割について言及した記事も読んだし、公明パンフでは冒頭に登場して笑顔で見解を述べている。ゲンロンに登壇する僕と同世代の論客はどのように見ており、何を述べるのか?とハラハラもしたが、概ね皆、正視眼で地に足のついた意見を堂々と述べている姿に感心もしたし、自分自身、しっかりとした批評眼を持ち合わせて生きたい、自分の思想に自信を持って生きたい!と強く感じ、襟を正す契機となったと思う。


いいなと思ったら応援しよう!

公認心理師キンキー
楽しいを共有できたらうれしいです!