#3 【10分で読める】「おいしいコーヒーの真実」を見てわかる8つの真実
普段飲んでいる「コーヒー」。その裏になにが潜んでいるかご存じだろうか。
おいしいコーヒーの真実を知ってもなお、私たちは同じような笑顔を浮かべてコーヒーを飲めるのか
今回は2006年公開の映画「おいしいコーヒーの真実」(英題:BLACK GOLD)でわかる8つの真実をお伝えします。
真実1:農家はコーヒー1杯の1000分の1の価格しかもらえない
エチオピアのコーヒー農家が豆1㎏に対して受け取る額はわずか2ブル(0.12米ドル)
1㎏のコーヒーから80杯のコーヒーが作れ、欧州でコーヒーが1杯25ブルであることを考えると、
コーヒ―豆1㎏は2000ブルになる可能性がある。しかしエチオピアの農家はその1000分の1である2ブルしか得ていない。
貿易商が一方的に価格を決める現状を変えない限り農家は貧しいままだ。
真実2:コーヒー豆の価格はたった1か所で決まっている
ニューヨークにある取引所でコーヒーの国際価格は決まっている。
多くの契約者がこの価格を参考に取引をする。
1400億ドルの市場がこの1か所で動いているのだ。
多くの起業は先物価格を利用する事でリスクをおさえているが、小さな生産者に価格決定権はない。
真実3:エチオピアの女性は日給0.5ドルの重労働をしている
アディスアベバにある輸出加工センターでは女性たちが良い豆を選別する。
先進国の加工業者が機械でまとめて作業をしている一方で、彼女たちは一粒一粒手作業で丁寧に選り分ける
しかし、狭い工場で1日8時間働いて支払われる給料は4.5ブルであり、0.5ドルにも満たない。
真実4:コーヒーは5年の歳月の賜物
コーヒーの木が豆をつけるまで4年の歳月がかかる。木を植えて5年たって初めてお金になるのだ。
しかし、コーヒーの価格は刻刻と移り変わる。
植えたときは高額だったコーヒー価格が5年後には大きく下落していることも日常茶飯事だ。
真実5:農家の子どもは教育を受けられない
コーヒー農家が集まる地域の学校では年々子どもの数が減り続けている。学校に通う余裕がないためだ。
「コーヒーの価格が安定しない限り黒板1枚すら買えない」と学校長アレマイユ・アブラヒムは言う。
「状況が許すのであれば勉強を続けて、医師になりたい。国のために働きたい。」と話す少年が夢を実現することは難しいだろう。
真実6:がりがりの子どもでも治療を受けられない
スターバックスで使用されている豆の生産地、エチオピアのシダモ地区では2004年飢餓が生じた。
救急医療センターはあるものの、9.5㎏で骨と皮だけのようになった子どもでさえ治療基準から外れてしまう。
スターバックスで笑顔を振りまく彼女たちはこの事実を知っているのだろうか。
真実7:麻薬を育てたほうが儲かる
コーヒーを切り倒してチャットという麻薬植物を育てる農家が多くいる。
痩せた土地ではコーヒーかチャットを育てることしかできず、チャットの方がはるかに高額だからだ。
コーヒーは1kgで2ブルだが、チャットは小枝20本ほどの束が30ブルで売れるのだ。
アメリカなどでは違法の薬物だが生き抜くためにはしょうがない。
真実8:貿易額の1%上昇は援助の5倍価値がある
世界全体の貿易額にアフリカ諸国が占めるコーヒー豆のシェアは1%まで下落した。
もしこのシェアが1%増加したら、700億ドルが創出される。この額はアフリカ全体が先進国から受け取っている援助額の5倍だ。
だから彼らは援助よりも公平な貿易を求める。
まとめ
簡単に映画の内容をまとめたが、文字だけでは伝わらないところも多くある。
16人が暮らしている狭い家。お粗末としか言いようのない黒板。小枝のような子どもの足。
この映画をみることでしか得られない体験がある。
興味を持たれた方はぜひ見てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=1ZtSo9gje9E
「もっと消費者に農家の現状を知ってほしい。そしてフェアトレードの商品を買ってほしい。それだけで農家の状況は改善する。」
とオロミア州コーヒー組合の代表、タデッセ・メスケラさんは言う。
消費者の我々にもできることがあるはずだ。