心電図のリアルな臨床〜国試対策編〜
こんばんは!
近畿アウトプット会、理学療法士の吉川です!
2020年8月9日に、総勢50名ほどの学生さんにお集まり頂き『心電図』をテーマに国家試験と臨床を絡めて、お話しさせて頂きました。
◾️スライドの表紙
さっそく、内容に入っていきます!
この不整脈はなんでしょうか?
正解は、2の『心室性期外収縮』です。
僕が学生の時は、こう思っていました。
◾️心電図の見方
心電図の波形の意味を知るために、刺激伝導系の解剖学、生理学の整理をします。P波:心房、PQ間隔:房室(心房と心室の間)、QRS:心室とそれぞれ電気が通ったときの刺激が心電図として表されます。
◾️マス目について
P、PQ、QRSがどこを表すかを理解したら、あとは正常なマス目を覚えるだけです。例えば心室で問題が起これば、QRSの幅が広くなり(3マス以上)形が変わります。心房でも、房室間でも同じように問題が起これば、P波、PQ間隔のマス目が大きくなります。
◾️心電図の解き方
国試のポイントは2つだけです。
①不整脈の名前からP、PQ、QRSのどこをみるかを決めます。②あとはそこのマス目を数えます。
◾️例)心室性期外収縮
例えば、心室性期外収縮であれば心室を表すQRSに着目し、そのマス目が3マス以上なのか確認するだけです。
◾️問題
さぁ、最初に出した問題と同じです!解けましたか?ちなみに、この心電図はモニター心電図です。QRSが下向きでも気にせずQRSの幅のマス目を数えてください。
◾️2020年8月9日の内容
8月9日は臨床場面でもよく遭遇する心室性の不整脈についてを取り上げました。心房、房室結節はまた機会があればさせて頂きますね😊
◾️臨床場面!
さて、少し臨床にも触れてみます。なぜ、心室期外収縮が2連発出たら中止なのか?みなさん、考えてみたことありますか?Lown分類、教科書によっても中止基準は少し異なるかもしれませんが、4aの2連発が出たらリハビリは一旦中止にし、ドクターに報告するのがいいかと思います。
◾️心室性期外収縮では心室の収縮は不十分である
QRSが幅広くなったということは、左心室に電気信号がうまく伝わらなかったということです。つまり、左心室の収縮が不十分であることを意味します。それが2連発、3連発、続くと組織(筋肉、臓器)に血液量が減り血圧が下がったり、意識が無くなったりすることがあります。なので、2連発以上ではそういうリスクが起こりうるということと、致死性の心室細動(心停止に近い)に陥る可能性が高くなるためリハビリの中止基準となっています。
◾️実際の症例
末期心不全患者でした。この波形は心室性期外収縮8連発(心室頻拍)ですね!
その日も朝から心室性期外収縮が2連発、3連発と続いていました。もちろんリハビリは中止です。しかし、この方の希望は椅子に座って家族と面会することでした。一家の大黒柱が寝たきりの姿を家族に見せたくないということが伝わってきました。かなりリスクの高い症例ですから、医師、看護師、家族とカンファレンスを行い、安楽な座位の獲得に向けてリハビリを行うことになりました。移乗後、心室性期外収縮は8連発出ていましたが、意識レベルの低下はなく、血圧は保たれており脈も触れていました。心室性期外収縮でも抹消まで血液が送られていたのでしょう。生命を脅かす程には至りませんでした。もちろんその後、看護師、医師には報告しました。ヒヤヒヤしましたが、なんとか安楽な座位保持の獲得に至りました。心室性期外収縮が出てもあわてず、目の前の患者さんの意識レベル、血圧などのバイタルサインをまずはしっかり確認し、もしもの時にすぐに応援を呼べる余裕を作ることが大切かなと思います。
◾️つづく
今回は、心室性の不整脈を取り上げましたが、心房性、房室結節での不整脈の話も用意しています。次回開催する機会があれば、興味がある方はどうぞ参加してみて下さい。お待ちしております!!!
この心電図のセミナーを50名近い学生さんに届けることが出来たのも、一生懸命勉強されている学生さんがいるからだと本当に思いました。また、近畿アウトプット会のメンバーの協力があってこそ実現したものです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
■プロフィール
最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう!
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