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仲介物件の「御用聞き」

こんにちは、不動産業歴10年超の金城(きんじょう)です!

「不動産の御用聞き」について考えることがあったので共有です。

仲介と管理について

不動産業は仲介と管理というお仕事があります。
仲介は賃貸(借り手貸し手)売買(売り手買い手)を繋いで手数料を頂くことです。
管理は大家さんから物件の管理委託を受けて清掃やメンテナンスを請け負うものです。

収益の面でいうと、仲介は単発売上なので継続的に伸ばすには仕組み作りが必要です。月々によって売上の波があります。
一方、管理は管理料として大家さんから家賃の3%~7%が毎月安定的に見込めます。複数の管理物件で総家賃が1000万円を超えれば、管理費5%で毎月50万円の売上が上がることになります。

不動産会社としては従業員の人数が増えてこれば、管理戸数を増やすことで安定的に売り上げ見込みがたつのですね。

では大家さんの自主管理している物件で、紹介だけの戸建て賃貸があるとしましょう。

仲介(紹介のみ)の物件

大家さんは近くに住んでおり、家賃が10万円だと管理料5%は月々5500円(税込み)収入が減るので手取りで94500円になります。
なので戸建て賃貸では大家さんが自ら自主管理していることがあります。

入居の際には仲介して契約書まで作成した不動産会社にどのラインまで仕事をお願いしていいかどうか、実はその線引きは難しいのです。

契約書上でいえば、管理委託契約書を結んでいないので入居中に不具合があったとしても業者の手配や手直しなどは基本大家さん自ら行う必要があります。
しかし大家業を専従でやっている方ならともかく、親からの相続した戸建てなどで、不動産に詳しくないけど管理はお願いしていない人は少なからずいます。
水漏れが起きたら頼める業者、電気系統が壊れたら頼める業者、トラブルに対応は迅速にしないとクレームになるので賃貸仲介した不動産会社に手配をお願いするのは想像できるかと思います。

そこで手配を受けるかどうかが会社の方針といえるでしょう。

不動産の御用聞き

この手配しても不動産会社は売り上げを上げれません。小工事に紹介料を乗せるわけにもいかないのでほぼただ働きです。
さらに退去立ち合い・清算まで仲介した会社に依頼が来ることがあります。管理委託契約書を交わしていないのに行う義務はないのですが、それを受けることがあります。
もしかしたら大型リフォームの依頼があるかも、将来的に売買や相続の相談があるかもという期待を込めて業者の手配したりします。
※筆者商圏内では大家さんから広告料を貰うのはまだ浸透していません。

「街の不動産屋」という言葉があるのは、地域でのお困りごとを解決するために御用聞きとしてお金にならないことも請け負うことがあるのが不動産業です。

「あの時困った時に対応してくれた不動産会社に、今度売却することになった土地を依頼することにしよう。」

「子供が家を建てることになったからあの時の不動産会社に物件を探してもらおう」

こんな依頼を受けることを夢見て?御用聞きをしていっている不動産営業マンなのです。

不動産業に染まってしまった金城

大家さんが困っていたら何でも「御用聞き」をしていたので、違う視点から待った!がかかったのはある意味新鮮でした。

私自身、転職先は決まっているので何か意見を発しませんでした。

けれど不動産会社が沢山ある中で、依頼が来たのを断ればその大家さんとの縁は切れることになるでしょう。

正直、「御用聞き」は許される範囲でなんでもやってきました。

それが営業職だとも思っていたのですが思い返すキッカケにはなりました。

それを忘れないために今回のエントリーです。


それではまた!!

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