
サボると生活が一瞬で負のループに入ってしまうたった一つの作業
何事にも「力点」というものがあると思う。
中学校では取り敢えず英語と数学さえしっかりやっておけば大丈夫、とか、社会人1年目は取り敢えず挨拶と報連相だけしっかりやっておけば大丈夫、とか。
力点とはつまり費用対効果が一番高いポイントのことであり、最優先事項。
最近、日々のお家での生活にも力点があるということに気づいた。
これをサボってしまうと、部屋がどんどん汚くなっていってしまう。逆に、これさえ気をつけていれば割とラクに生活を進めることができる。
今日は僕の考える一見意外な「生活の力点」について紹介してみたいと思う。

「洗い終わったものをすぐに取り出す」ことがめちゃくちゃ重要だと思う。
ドラム式洗濯機が乾燥運転まで終わったら、入れたままにせずに中の洗濯物をすぐに取り出す。
食洗機が乾燥運転まで終わったら、入れたままにせずに中の食器をすぐに取り出す。
これを聞いて「いや、当たり前でしょ」と思った人は素晴らしいと思う。おそらく部屋もそこまで散らかっていないのではないだろうか。
僕は違った。
洗濯機の運転が終わった後は基本的に中身をそのまま放置していた。直接洗濯機から服を取り出して着ていた。もはや、乾燥機能が付いている利点は中身をほったらかしにできることだとさえ考えていた。

食器は乾燥ラックや食洗機から直接取り出して盛り付けに使った。部屋に食器棚も置いてあるが、いちいち片付けるほうが面倒だと考えていた。

でも、10年近く一人暮らしをしてきて、機械の中から洗い終わったものをすぐに取り出すということは間違いなく生活の力点だと考えるようになった。理由は次の2点になる。
1.すぐに取り出さないと「二度手間」になる
食洗機の中が空っぽだったら、使い終わった食器はそのまま食洗機に突っ込むことができる。
でも、食洗機の中にまだ洗い終わった食器が残っているとどうなるか。
使った食器は行き場を失い、しかたなくシンクに置かれる。
食洗機待ちの食器たちが、どんどんシンクに置かれていく。
そして、シンクが食器でいっぱいになったある日、大移動が計画される。
まずはじめに食洗機の中に残っている洗い終わった食器たちをすべて食器棚に片付ける。
そして食洗機を空っぽにした後、やっとシンクに溜まった食器たちがどんどん食洗機に移されていく。
最初から食洗機の中を空にしておけばそもそも大移動を実行せずにすんだのである。

洗濯でも同じようなことが起こる。
着終わった服は普通洗濯機の中に入れていく。
でも、洗濯機の中にまだ洗濯が終わった後の服が残っていると、着終わった服は洗濯カゴかどこかに仮置きする。
そして洗濯カゴがいっぱいになったら、まず洗濯機から洗濯物を取り出した後に、洗濯カゴに溜めた服を洗濯機に移さないといけない。

つまり、洗い終わったものをすぐ取り出さなかったがゆえに、移すという家事のタスクがまるまる1つ分増えてしまっている。
2.仮置きしていると複利で面倒くさくなる
上で見たように、
・使ったお皿をシンクに溜める
・着終わった服を洗濯カゴに入れる
といったような行為は洗う前の「仮置き」に過ぎない。そして、この「仮置き場」はある一つの決定的な特徴を持つ。
それは、満杯になるまで溜め続けてしまうという特徴である。
だって、どうせお皿をシンクから食洗機に移さなければいけないんだから、まとめてやったほうが効率が良い。どうせ服を洗濯カゴから洗濯機に移さなければいけないんだから、まとめてやったほうが効率が良い。つまり、溜める行為が正当化されてしまう構造にあるとも言える。
その結果、どんどんシンクにお皿が溜まっていく。どんどん洗濯カゴに洗濯物が溜まっていく。
しかし、溜まりすぎるとそれを処理する腰もどんどん重くなっていく。食洗機や洗濯機の稼働サイクルが遅くなっていき、生活から流動性が失われていく。
何より、お皿の溜まったシンクや洗濯物がぎゅうぎゅうに詰め込まれた洗濯カゴを目にするのは精神的にも良くない。
仮置き場を作らない
以上の理由により、食洗機や洗濯機の中は極力空にしておき、使い終わった食器や服をダイレクトに突っ込めるような状態にしておくべきだと思う。日常の簡単なタスクの一つだけど、サボったら後々自分に負担がかかってしまう。これは僕にとって重要な生活の力点だった。
また、このことを一般化するなら、「使い終わったものを入れるスペースは常に空にしておく」ということに尽きる。
そういった意味では、ゴミ箱の中身を常に空にしておくのも結構な力点なのかもしれない。ゴミ出しをサボりすぎてゴミ箱がいっぱいになり、急いで「2個目のゴミ袋」を出してしまった経験がある人も多いと思う。
その2個目のゴミ袋も、紛れもない「仮置き場」。目に触れている最中はあなたに精神的な負荷をかけ続け、そしてゴミ箱に設置するときにあなたの時間を奪いにくる。