昭和のgifted - 78 明日あなたは誰かのヒーロー
前回のお話しはこちら
決まったよ。
と言われた仕事がまさかの決まり切らなかった結果になってうーん、詰んだなぁとなっている木春です。
世の中って難しい。
面接官にはオーバースペックと言われたり、逆に足りない気がすると言われたり、一緒仕事をしてきた人にはもっと単価を上げて評価されるべきと言われるのに一方でお高いだろうからと難色を示される。
困りに困った私は、私のイマジナリーフレンド(実在する)に相談してみたんだけど、やり方がまずい、こうした方が良いというアドバイスをもらい、なるほど納得したものの実行に移せないでいる。
良かれと思って言ってくれる人の言葉を受け止めて実行に移せないなんて、私はどれだけ傲慢で怠惰な人間なんだろうと思いはするけれど一朝一夕で出来上がった訳ではない歪みを正当化しないとなんとも自己を保てないでいるのもまた事実だ。
誰かに感謝されても、才能があるともてはやされても、今月の家賃どうやって払おうかなぁと思い悩んでなにもできないでいる。貯蓄も打ち尽くした。
私は無力だ。
木春さんはなんでもできるとか、そのままの君でいてとか色々言ってくれる人がいたところで言うだけで、何もしてくれないんだからと殻に閉じこもるしかない。
木春さんのおかげで救われた!
くらいのことを言ってくれる人がいて、世間的に仕事ができるらしく、パトロンおじさんたちに出資するから企業しないかと持ちかけられているのだが断っているという話を聞いて、じゃあそのおじさんたち私に紹介してよと頼んでも一向に梨の礫である。
自分なんかが木春さんにできることなんかないです!
だとよ。
何もしないまま、我がのことだけ考えて、彼女はついに自分の不甲斐なさや絶望、受け入れてもらえないことの辛さとかいろんな感情に押し流されて(私のこととは別件だが)最近記憶健忘になって病院に担ぎ込まれたらしい。
それでも毎日のように友達や職場の人からの連絡が途絶えず、心配してくれる人がいて、病院にはお見舞い客が絶えず、自死を仄めかせる度に駆けつけて止めてくれる友人たちがいるそうで、私からすると随分恵まれているのになにが彼女をそうさせるのかがわからない。
強いて想像するならそれくらいしてもらえる環境にいたとしても自己が満足できていないんだろう。
私なんか「木春さんはなんか大丈夫そう」って言われて誰も助けてくれないのに。
気にかけていてもらってもそれはたまの連絡程度だから私が死んでもしばらく誰も気づきもしないだろうなぁと思うくらいのアクションしか起こしてもらえないでいる。
例えば、ビッグイシューを買ったことはあるだろうか?
私はある。
ホームレスの自立支援を目的とした雑誌で、街角手売りで450円だ。
たったこれだけのことかもしれないけれど、買ったことがない人よりかは私は"なにかをした"経験がある。
これに近い話で、私は写真家もやっている訳だが、1枚の写真を300円でもいいから買ってくれる人がいて、そういった人たちが1000人いれば30万円は儲けることができる。
それでも、まずは自分が300円とスタートを切ってくれる人はいない。踊る阿呆に見る阿呆のリーダーシップ論じゃないけれど、心配するだけで動かないのはわりかし罪だと思うので私はこうしてnoteを書くようになった。
仕事なくて税金とか払わなきゃで今めちゃくちゃ困ってるけど、行政支援も前々年まぁまぁ稼いでるから支援対象に該当しないとかだし、撮影依頼も写真とかニット買うよ!とかの声がけもないので私は自力でなんとかしないといけない。
これまでだってなんとかしてきたし、今はちゃんと愚痴を言える場所もある。
ただ、"支援"ってなんだろうって考えたときに、何の役にも立たない、自己満足で提供したいだけの支援が蔓延していて嫌になる。
大それたことを考えなくって良いんだけど、目の前にいるひとりにアクションを起こすことができれば、きっとあなたは明日誰かのヒーローになる。
コンビニで買い物した時に「ありがとう」って言うところからスタートするのでも全然構わない。
誰かのために何かしたいと思える人が1人でも増えてくれさえすれば、ものすごく長く遠い未来になるかもしれないが世界は優しさで溢れるんじゃないかと思う。