Kawaii Future Bassの作り方 (2/4)
Kawaii Future Bassレシピの第2回。
今回はしーたけびーつ DTM Channel様の動画で解説されている同ジャンルの情報をまとめていきたい。リンクは巻末に記載したので、興味のある方はぜひ実際の動画も合わせて見てみてほしい。さっきー様の動画と合わせ見応えのある内容となっている。
Kawaii Future Bassの楽曲構成
一般的な構成
セクション構成は以下のように「ヴァース(Verse)」「ビルドアップ(Build Up)」「ドロップ(Drop)」の3段構成が一般的。
1. ヴァース(Aメロに相当)
2. ビルドアップ(Bメロに相当)
3. ドロップ(サビに相当)
J popでは「Aメロ」「Bメロ」「サビ」に該当するものであり、ホップステップジャンプの理論で展開を派手にしていく構成でもある。
展開を作るための要素
展開は必要だが、コード進行とメロディーは同じでもOK。セクションごとに変える必要はない。つまりはワンループ進行で、音の抜き差しで展開を作るということ。動画ではワンループ進行で展開を作るための要素として以下の2点を提示している。
・音の分厚さを変化させる(リズム、リード、FXの各パート全てで)
・FX&ドラムを活用する
「ヴァース」「ビルドアップ」「ドロップ」とセクションが進むにつれて音数(トラック数)が増えていき、それとともに楽曲展開を作るという考え方だ。
音の選び方
次にKawaii音を作るにはどうすれば良いか?ズバリそれは以下の2つだ。
・ソフトシンセ(ウエーブテーブル)の使用
・(上記シンセのKawaii用)プリセットパック、サンプルパックの活用
つまり、一から音を研究して作らずとも、他人が作ったKawaii Future Bass用のプリセットをそのまま使った方が効率的に作れるよということ。
SerumのKawaii無料サンプルパックはこちらでDL可能:
https://www.youtube.com/watch?v=9LXa_4Dn-n8
コード進行のポイント
①オシャレなコード進行
7thノートやテンションの入ったコードを使用するのがポイント。動画ではCのキーのダイアトニックコードのIVメジャーから始まる「FM9 - Em7 - Am7 - CM7(IV - IIIm - VIm - I)」という進行を取っている。
なお、このジャンルに限らずサブドミナントからスタートすると切ない雰囲気を作りやすい。
②オープンボイシング
1オクターブを超える範囲でコードを配置する手法で、クローズドボイシングよりもよりレンジの広い響が得られる。ただし、以下の「ローインターバルリミット」には注意が必要だ。
ローインターバルリミット
ロー、つまり低い音のインターバル(音程間隔)は広めに取り、ハイ、つまり高い音のインターバルは狭くてもOKという考え方。低い音を密集させると音が濁るため、低い音では1オクターブか7半音以上空けよう。音を詰める場合は高い音で。
③とにかくレイヤー
音のレイヤーはダンスミュージックの肝である。ただ、闇雲にレイヤーすれば良いというわけではないので、以下のような基準でそれぞれの音に役割を持たせると良いだろう。
・音の高さ
・キャラクター
・パンニング
リードメロディーのポイント
①グレースノート(装飾音)の追加
コードトーンに対する半音上、半音下からのアプローチノートの追加など。
②レイヤーする
リードにもやはりレイヤーが重要だ。気をつける点としては上記「コード進行のポイント」と同様なのでそちらを参照のこと。
ベースのポイント
①ベタ打ちでOK
ベースラインよりもよりも音の厚さが重要なので、音作りを重視しよう。
②サブベースをレイヤー
サブベースは超低域で可聴範囲外にあるが、身体で感じられる音なので、聞こえないからといってないがしろにしないようにしよう。
ダッキング処理
コード、リード、ベースにはサイドチェインによるダッキングを入れる。Kickstartなどのプラグインの使用がオススメ。
FX
FXのサンプルはかなり多めに使用するとのこと。Future Bassでは一般的なポップスを始め、他ジャンルよりもFXが多く使われているかもしれない。
ヴァースで使用するFX
Reverse Cymbal
Crash Cymbal
Impact
Down Lifter
ビルドアップでさらに追加するFX
Up Lifter
Build-up Snare
(Drum) Fill
Kawaii Voice
逆にいうと、幅広いFXの多用がこのジャンルの特徴だとも言えるだろう。
ドラムのポイント
参考音源ではドロップのみドラムがある。
①ハーフテンポ
Future Bassの最大のポイント、それがテンポが半分になるこの「ハーフテンポ」の使用だ。3拍目のみにスネア・クラップを入れるのがポイント。
②Trapのハイハット
16分の中に、32分、48分などの細かい音符を入れる手法。打ち込むよりもサンプルを使用するのがオススメとのこと。
まとめ
第1回で紹介したさっきー様の動画と重なる部分もあるが、楽曲構成やボイシング、そしてFXについての言及もあり、ダンスミュージック制作のチュートリアル入門編としても見る価値のある内容となっている。
基本の楽曲構成を知ることができるのと、FXの詳細情報は他の動画にもあまりないので、参考になるのではないだろうか。それでは、良いDTMライフを!
参照元はこちら:
【Kawaii Future Bass 作り方】初心者のためのhow to【logic pro x】
BY:しーたけびーつ DTM Channel様
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