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InstaComposerの設定がめんどくさすぎる件

InstaComposerを購入したが、手持ちのDAWでのルーティングがよくわからずお困りの方、意外といるのではないだろうか?思いの外設定が面倒でパッと使わせてくれないのがこのプラグインである。

日本語の情報もそこまで多くないようなので、ここではInstaComposerをLiveとLogicでルーティングする方法について簡単に紹介したいと思う。

Ableton Liveでのルーティング

Ableton Liveユーザーの方は、InstaComposerに必要な「マルチMIDIチャンネル」(DAW内部で複数のMIDIチャンネルを使用する機能)が非対応なので、最初からつまずくことになる。

DAW側で非対応なので、LiveでInstaComposerを使う場合、「マルチMIDIチャンネル」を可能にするプラグインを新たにインストールしてルーティングする必要がある。方法は2通りあるので、順に紹介しよう。

Suiteユーザー限定の設定

Suiteユーザーは「マルチMIDIチャンネル」を可能にするMax4Liveデバイスがあるので、それを介してInstaComposerを使うのが一番簡単なようだ。手順は以下の通り。

  1. InstaComposer Wrapperデバイスをここから ダウンロードする。

  2. 「Max 7 Pitch and Time Machines」をここからダウンロードする。

  3. Ableton Live Suiteを起動する。

  4. 「Max7PitchandTimeMachines_r43196_v1.0.alp」ファイルをAbletonにドラッグし、インストールを有効にする。

  5. 新規Abletonプロジェクトで、MIDIトラックを6つ作成する。

  6. 「Instacomposer Wrapper.amxd」ファイルを最初のMIDIトラックにドラッグする。

  7. InstaComposer Wrapper上の保存アイコンをクリックし、自身のライブラリに保存する。これで自身のAbletonライブラリのMax MIDI Effectsで次回からデバイスを起動することができるようになる。

  8. InstaComposer Wrapperで、RESCANをクリックする。

  9. 表示されるドロップダウンで、InstaComposerを選択する。

  10. InstaComposerウィンドウを閉じる。

  11. Max for Live User LibraryのMax MIDI Effectsの下にある、Max MIDI Receiverを残りの空の5つのトラックにドラッグする。

  12. 5つのトラックそれぞれに、(InstaComposerで)鳴らしたいインストゥルメントを追加する。

  13. 5つの各インストゥルメントトラックで、Max MIDI ReceiverのRECEIVEをクリックし、InstaComposerから受信したいチャンネルを選択する(ここで選択するチャンネルは、InstaComposerの各トラックで選択したチャンネルと対応していること)

  14. InstaComposer Wrapperで、SETTINGSを選択しInstaComposerのウィンドウを開く。

  15. 左下のALLをクリックし、GOをクリックして5つのチャンネルすべてのパターンを生成する。

  16. 最後にDAWPLAYをクリックし、InstaComposerのPLAYをクリックする。

  17. 正しく再生されていれば設定は完了だ。

すべてのバージョンに対応した設定

StandardやIntroでもInstaComposerを使用することは可能だが、Max4Liveデバイスを使えない分、ルーティングは上記のものよりやや複雑となる。

(Macユーザーの手順)

  1. Kushview Elementここからダウンロード、インストールする。

  2. MIDI Patchbayここからダウンロードする。

  3. 2つのアプリのインストールを完了させる。

  4. Macのアプリケーション > ユーティリティからAudio MIDI Setupを開く。

  5. Window > Show MIDI Studioに移動する。

  6. IAC Driverをクリックし、Device is Onlineのボックスにチェックを入れる。

  7. MIDI Patchbayを開く。

  8. MIDI InputでIAC Driver Bus 1を選択し、MIDI OutputでEdit Virtual Outputsを選択して、「InstaComposer All」のような新しいアウトプットを作成する。

  9. Kushview Elementを開く。File > Preferences > MIDIに移動し、MIDI Output Deviceの下で、MIDI Patchbayで選択したデバイスを選択する。

  10. Kushview ElementでInstaComposerを読み込む。読み込む方法は以下2つのやり方がある。

    1. Element > Preferences > Generalに移動し、「Scan plugins on startup」の隣のYESを選択し、閉じてElementを再度開き、スキャンが終了するまで待つ。終了したら、プラグインのリストからInstaComposerを選択する。

    2. 面倒くさいのが嫌いな人は、プラグインのフォルダーからInstaComposer.vstをウィンドウにドラッグするか、マッピングエリアで右クリックしてPlugins > Unverifiedに移動し、InstaComposerを探す。

  11. InstaComposerが開いたら、マッピングエリアのInstaComposerモジュールの下にあるオレンジのドットから、MIDI OutモジュールのオレンジのドットへInstaComposerをドラッグする。

  12. InstaComposerで、5つのすべてのトラックにパターンを追加する。プラグイン左下のALLを選択し、GOをクリックするとすぐに実行できる。

  13. Ableton Liveを開き、Live > Preferences > Link Tempo MIDIに進みます。MIDI Portsの下に、MIDI Patchbayで作成したMIDI出力が表示されているはずです。デバイスの横にあるTRACKのボックスをチェックする。

  14. Abletonで5つのMIDIトラックを作成する。MIDI FromをMIDI Patchbayで作成したMIDIデバイスに設定し、5つのトラックのチャンネル1〜5をそれぞれ選択する(トラック1にはチャンネル1、トラック2にはチャンネル2、といった具合)。

  15. 5トラックすべてでMonitorをINに設定する。

  16. InstaComposerで再生を押す。InstaComposerのパターンが、Abletonの5つのトラックで別々に再生されるはずである。

Logicでのルーティング

Logicの場合は以下の手順で「MIDIエンバイロメント」を介してルーティングすることになる。

(Macユーザーの手順)

最初にソフトウェア音源トラックを6つ作成し、それぞれInstaComposer用のトラック(音源スロットではなくMIDIエフェクトスロットの方に立ち上げる)、そして各音源用のトラックを5つ用意しておく。

トラックの作成

音源用の5トラックにはそれぞれ別のMIDI入力チャンネルを割り当てるので、インスペクタの「トラック」フィールドの「MIDI入力チャンネル」をInstaComposerと対応させる形で割り振っておこう。

MIDI入力チャンネル

次に、アプリケーション > ユーティリティに移動し、「Audio MIDI設定」を開き、「ウインドウ」メニューから「MIDIスタジオを表示」をクリックして、MIDIスタジオを開く。

MIDIスタジオ内の「IACドライバ」をダブルクリックして開き、「装置はオンライン」にチェックを入れて有効にする。

IACドライバ

Logicに戻り、「⌘0」を押すか、optionキーを押しながらウインドウメニューをクリックし「MIDIエンバイロメントを開く」でMIDIエンバイロメントを表示する。すると以下のような画面が出てくるので、「新規」メニューからフィジカルインプット、モニタ、チャンネルスプリッターを追加する。

MIDIエンバイロメント

InstaComposerのトラックのインストゥルメントにUtility > External Instrumentを挿入し、MIDI Destinationで「IACドライババス1」を選択する。

以上で設定は完了なので、必要なときにすぐに呼び出せるようテンプレートで保存しておくなどすればよいだろう。

まとめ

以上、LiveとLogicでのInstaComposerのルーティングを紹介した。使い方については別途投稿する予定である。使い始めでつまづきがちなツールだと思うので、正しい設定をし、テンプレートなどで保存してすぐに呼び出せるようにしておくと、効率よく作曲に活用できるだろう。

では、よいDTMライフを!


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