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Ableton Liveで作るDaft Punk風ボコーダー

ボーカルにシンセサイザーの音を合成して作るボコーダー。ダンスミュージックを聴いている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか?

DTMでボコーダーサウンドを作るには、ボーカル素材の入ったオーディオトラックとシンセサイザートラックの2種類のトラックが必要だ。今回は以下のSlynk様の動画を元に、Ableton Liveの純正プラグイン「Vocoder」を使ってボコーダーサウンドを作る方法を考えていきたい。


ボコーダーの仕組み

ロボットボイスのようなサウンドが特徴だが、これはボーカルが発する周波数帯域をボコーダーによって分析し、その周波数をシンセサイザーで再構築するという仕組みによって成り立っている。

ボコーダーにおいては、声などのオーディオを「モジュレーター」、合成するシンセなどを「キャリア」と表現する。以下DTM Hacker様のブログに詳細が掲載されているので、ご覧いただきたい。

モジュレーターの設定

まずはモジュレーターの設定。オーディオトラックにボーカルなどのオーディオ素材を配置し、Vocoderプラグインを挿入する。その後、必要に応じてEQやバスコンプ、(ピンポン)ディレイ、リバーブなどで音を整えていこう。

Ableton Live純正プラグインで言うと、以下のようになる。

Vocoder > EQ Eight > Glue Comp > (PingPong) Delay > Reverb

では、Vocoderの設定を詳しくみていこう。

Vocoder

基本的には画面の左、中央、右と3つのセクションがあり、左から順に触っていくと良いと思われる。

①キャリアの設定

まずはキャリア(合成するシンセ)のルーティング設定から。Enhanceは全体の設定が終わってからでもOK。

Carrier:External
Audio From:MIDIトラックのキャリアを指定
Enhance:ON(キャリアの周波数とダイナミクスをノーマライズする機能。高域が強調されたきらびやかなサウンドになる)

②発音の最適化

ボーカルがモジュレーターで、声が聞き取りにくい場合は、UnvoiceやSensibilityを調整して音の出方を最適化する。

Unvoiced:「f」や「s」などモジュレーターの音の中でピッチのない音の再合成に使用されるノイズ・ジェネレーターのボリュームの調整。
Sens. (Sensibility):無声検出アルゴリズムの感度を設定。0%だと検出なし、100%だと無声ノイズジェネレーターが常にオンになる。

③周波数関連の設定

次に、合成する音の解像度や帯域など、周波数関連のパラメーターを設定する。

Bands:ボコーダーで扱う周波数帯域のバンド数。4〜40バンドまであるが、基本的には最高解像度の40とし、そこから必要に応じてバンドを減らしていけばOK。
Range:ボコーダーで扱うバンドパスフィルターの周波数帯域。20Hz〜18KHzまでに対応している。
BW:[Precise]/[Retro]ボタンでフィルターの種類を決め、アマウントを10〜200%で決定。Retroにすると高域が強調される。
Gate:ゲートの設定。
Level:音量の設定。

④キャラクターの設定

最後は音のキャラクターを調整。特にDepthやRelease、Formantを調整することでかなり印象が変わるので、これら3つを中心に詰めていこう。

Depth:キャリアに適用するモジュレーターのエンベロープの深さ。0%だとエンベロープの適用なし、200%だと高域のピークのみが検出される。
Attack:モジュレーターのアタック(音の出始め)をコントロール。
Release:モジュレーターのリリース(音の長さ)をコントロール。
Formant:フォルマント。聴きながらちょうど良いポイントを探そう。
Dry/Wet:ボコーダーと原音のドライ/ウェット。


次にEQをプラグインで追加してローカット。

Vocoderプラグインについて詳細は以下を参照のこと。

キャリアの設定

キャリアはシンセを使用するが、Ableton Liveでは純正シンセのOperatorのノコギリ波が使用されることが多いようだ。

Operator

基本的にはWaveを「SwD」にし、LevelとSpread(ステレオ幅)をチェックしておけば良いだろう。必要があればFilterを切っておいても良いかもしれない。

シンセの設定ができたら、Glue Compなどで音を整えればOK。

まとめ

いかがだっただろうか?モジュレーターとキャリアを適切に設定できれば、かなりイメージに近いボコーダーサウンドを作れるのではないかと思う。

なお、DAWについて総合的な理解を深めるなら、書籍で学ぶのもオススメ。

以下の「サウンドプロダクション入門 DAWの基礎と実践」では、DAWソフトを使った音楽制作を俯瞰的に解説しているので、本で学んでみたいという方は、ぜひチェックしてみるとよいだろう。

では、良いDTMライフを!

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