ありありと
いつからから僕は「とっておき」とお別れしました。
「とっておかない」ようにしようと決めた訳です。
人はみんな意外性が好きです。
あっと驚く瞬間に心を動かされがちです。
だからこそ、とっておきのニュースとか、とっておきの切り札とか、とっておきの秘伝のタレとか、とっておきのサプライズとか、
世の中「とっておき」が多すぎる嫌いがあると思うんですよ。
まア、行政も企業も個人も割と境目なく動く今の世の中って情報で溢れてますからね、とっておきの1つや2つ持っておかないといけない時代なんですよ。
でもね、だからこそ、「とっておき」にしようと思って他人に隠しているものを見直してみると、案外大したものじゃないんですよ。
いつかの友人へとっておきのサプライズを用意してやろうと画策してあれやこれやと予定を立て、最高のタイミングを見計らってプレゼントを渡したらさぞ驚かれ喜ばれるだろうと思っていざそのときになってみたら、「最高のタイミングっていつだ?」ってなってしまって帰り際ぎりぎりになって渡して、自分の想像の何割か下回った反応が返ってきて、さもしいですがちょっとがっかりしてしまったことがあるんですよ。
何でも話せる間柄の友人だったので自分がお返しをしてもらうタイミングがあったときに聞いてみたんだけれど、案の定タイミングが悪かったらしいのだ。まずもって最高のタイミングを見計らっている僕のソワソワ感は相手から見たら筒抜けだったらしく、サプライズも糞もなかったらしい。
あア、恥ずかしいことこの上ない。
「とっておき」ってやつは時間を犠牲にしてしまう。そのとき初めてこれはちゃんと胸に刻んでおこうと思った。
美味しいものもあったかいうちに食べた方が絶対美味しいんだ。
「いつか」の為にとっておくなら案外その「いつか」と思ったときにすべきかもしれないね。
「とっておき」とお別れしてみたけれど今のところ支障はない。
とっておきなんてなくなったらまた探せばいいじゃないのん。案外とっておきのアイデアは次から次へと溢れてくるもんだよ。
今週も読んでくれてありがとうございます。
秘すれば花なり秘せずは新しい花を探しましょう。