
「試合中3回ミスしたら交代」は悪い指導なの?
こんにちは。
shimbaです。
前回の記事を想像以上に多くの方に読んでいただき、様々な反響を頂きました。ありがとうございます。
「親とコーチのコミュニケーション、伝え方」をテーマに書きましたので、伝わりやすいように、それ以外の部分はなるべく簡潔に書きました。
今回は、前回書かなかった部分、質問をいただいたことなどを含め、もう少し掘り下げて書きたいと思います。
以下は、前回の記事をまだ読んでいない方にはわからない話かと思いますので、ぜひお読みになってください。
当時の状況の説明
まずは補足として、当時の状況を説明します。
・次男は9歳か10歳のときの話(小学校3年生か4年生)
・このチームは次男より1つ年上の2008年生まれのチームで、次男1人だけ2009年生まれ(北米では生まれた年によってカテゴリーが分けられます)
・日米でサッカーチームに所属していたものの、バルサアカデミーに入ってからは半年ほど
サッカーに詳しい方ならご存じだと思いますが、バルサアカデミーはある意味特殊で、明確なクラブ理念やゲームモデルがあり、それを教わる場所です。
バルサ流に片足を突っ込んだばかり、といったところです。
次男の性格
彼は日本語でも口数が多くなく、シャイです。
英語には不自由していませんが、授業中もわかっていても積極的に手を挙げて発言する子ではありません。
優しくて遠慮がち、自分よりも他人を優先する、我が子ながらとてもいい子です。
補足はこれくらいにしまして、本題に入ります。
「試合中3回ミスしたら交代」が悪い指導だって、誰が決めたの?
頂いた反響の中で私が一番困惑したのは、タイトルにも書きましたこの部分です。
「スペイン人コーチがこんな指導するなんて」
「日本だったら炎上もの」
などなど、この指導自体に否定的な意見ばかりだったからです。
私は確かに「それをやめてほしい」と思いました。
しかし、です。
前回も書きましたが、たまたまこの時の次男に合わなかっただけで、他の子ではうまくいったかもしれないとは思いませんか?
もしその子が、周りをよく見ずに、雑なプレーが多い子だったら。
もしその子が、3回までミスしてオッケーなのか!と受け取る子だったら。
もしとか、たらとか、仮定の話ばかりになってしまいますが、
この指導方法自体に問題があるわけではなく、何度も繰り返しますが、次男には合わなかったことが問題なのです。
さらに、この約束のおかげで次男が成長できた部分があったかもしれないのです。
例をあげるとすると、
次男はポジションにいることを覚えた、安全なパスを出すことを学んだ、のかもしれません。
この約束のおかげかもしれないし、約束がなくても成長したかもしれません。それはもう誰にもわかりませんよね。
ただ、次男の性格から、ミスして交代したくない気持ちが先行し、
結果、そればかりになってしまった、のが問題なのです。
もしかしたら指導歴が長い方々は、この指導は悪いやり方、という明確な根拠や過去データなどをお持ちかもしれません。
ですが、私はサッカーに関しては素人でありますので、この指導自体が悪いとは考えていませんでした。(今もそう思っています)
明確な狙いがあっての使い方次第、受け取り方次第、だと思っています。
なぜ次男本人に言わせなかったのか
これも反響のなかでいただいたのですが、親の私がコーチと話すことになった経緯の詳細は、最小限しか書きませんでした。
試合のビデオを見ながら、主に長男から具体的なアドバイスをもらったり、プレーについて話し合っていました。
2人でどんな話をしていたのかは、聞いていません。そこは子供たちに任せるべきと思ったからです。
それが功を奏したのか、練習では徐々に動きもプレーもよくなりました。
それでも試合になるとできない。
これは次男本人ももどかしさを感じているのが見てわかりました。
悔しさを感じていました。
少し意地になっているようにも見えました。
このままだと、サッカーを嫌いになるのではないか、と思いました。
先に補足で書きました次男の性格上、自分のもどかしい状態を自分でコーチに伝えることは難しい、と判断しました。
9歳10歳で話せる子もいるでしょう。
ですが、次男には難しかったのです。まして英語です。
あと1週間待ったら、次男が自分で言えたかもしれません。半年先まで言えなかったかもしれません。それも誰にもわかりませんよね。
「コーチに自分で伝えられるのを待つか、現状の打開を優先するか」で、私は後者を選んだのです。
会話のねらい
私がコーチと話した本当の目的は、コーチの考えを知ることです。
「次男のこのプレーでチームに貢献できているか」
「今後もこのプレーでいいのか」
コーチが考えた通りになっているか、の確認です。
コーチをリスペクトしているからこそ、一方的に批判するのではなく、まずは彼の考えを聞こうとしたのです。
私(と長男)が事実を伝え、それに対してコーチが約束はやめると判断したのです。
そのときコーチが何を考えていたのか、私にはわかりません。コーチは特に何も言いませんでした。何も言わなかったことが、答えだと思っています。
「こういう成長を期待しているから、もう少しこのまま続けたい」などと言われ、それが納得のいくものであれば、私はコーチに従いました。
こちらでは自分の考えを相手に伝えるのが当たり前だからです。
親の言うなりになるコーチは見たことがありません。
しかも私は「やめてほしい」とは言っていないのです。
終わりに
日々子供のことで悩む親たち、指導で悩むコーチたちを私はリスペクトしています。
個々の考え方があって、その時その時に各々が考える、最善の方法を選択していくしかないのです。
それは「結果的に」最善の方法でなかったかもしれません。
気が付いたときに、分かったときに、都度修正していくしかないのです。
99人に当てはまっても、我が子に当てはまらなければ、そのときは別の選択肢をとる必要があります。
たとえ何十年後かに次男がプロサッカー選手になったとしても、犯罪者になったとしても、このときのこれが要因だ、とは断定できません。
様々なことの積み重ねだからです。
子育ての答え合わせなど、できないのです。
長い文章を読んで下さり、ありがとうございます。
みなさまからいただくスキがとても嬉しいです。