1人の人間はとても複雑で理解に苦しむ話
この記事で書いたように、「自分がどういう人間かを知る」ことがこの世界を攻略する最初の課題だと知った私は、自己分析をすることに夢中になっている。
20代も後半に差しかかっているというのに、まだ自分探しをしている私は、未熟な人間だなあと思う。
転職活動を通して自分のことを少しずつ理解していった私は、1人の人間のことを理解することの難しさに直面していた。
1人の人間というものはとても複雑で、とても簡単に理解できるものではなかったのだ。
それは、ハローワークへ失業保険の認定を受けに行った時だった。
書類をファイルに挟み、受付BOXに入れ順番が来るのを奥の椅子で待っていた。
私の前には、机の上にカバンと複数のチラシや求人票のようなものを広げて椅子に座っているおじさんがいた。そこに違うおじさんが机の上にある書類を見に来て、椅子に座っているおじさんとなにやら会話を始めた。
どんな会話をしているのか、聞き取れるか聞き取れないかの距離だったのだが、たまたま耳に入ってきたのがこんなセリフだった。
“65歳やったら1から就職は無理やねぇ”
そのセリフを聞いた私は、
そりゃそうだよな、年齢で仕事がなくなっていくというのはわかる
という自分と、
年齢でムリってなるのはなんでなんやろう?
と疑問に思う自分がいた。
そこで初めて自分の中に、常識を考えて論理的思考があって社会に順応できるやつと、常識とかなくて根拠もなく思い込みで発言や行動をしてみんなに馴染めないやつがいる気がしたのだ。
自分のことをよく知らないでいた時は、そういうのもぐちゃぐちゃに混ざり合って得体の知れないものだったのが、その時初めてちゃんと区別されて、自分の中に2人いるというような感覚になった。
本当は2人ではないかもしれないけれど、その時はそう感じた。
1人の人間の中には幾つもの面があることを実感してから、それはきっと環境にもよるだろうし、その時の精神状態にもよるだろうし、時と場合によって変わるのだということを意識して、自己分析を慎重に行うようになった。
そうして1人の人間は、“自分とはこういうものだ”と一言で表すことができるような単純なものではないことを悟ったのだった。
とはいえ、この世界で挑戦や行動をするには自分の特徴を知る必要があると思っているので、まだまだ自分探しを続けていた時、本屋さんでたまたま出会ったのが「クリフトンストレングス」だった。
もちろんこれだけ自己分析に夢中な私がこれの存在を知らなかったわけではない。
自己分析は、自分のこれまでの思考や行動が大事になってくるし、ネット検索すれば無料で診断を受けられるものがたくさんある。
私は診断というものに対してあまり真に受けないようにしていたこともあり、お金をかけてまでやるものではないと思っていた。
しかし、クリフトンストレングスの評判は良さそうで、自分の強みを知るのは人生で一番若い今知るべきだと思ったし、なにより本屋でたまたま出会ったということが本屋での出会いを大切にしている私にとってご縁を感じたのだった。
さっそく家に帰って本を開いた。クリフトンストレングスとはどういうものなのか、をまず理解した。
私がした解釈では、クリフトンストレングスを受けることによって自分がどんな武器(強み資質)を持っているかがわかる。その武器は使い方によって、すごく使えたり全然ダメだったりする。クリフトンストレングスでは34の強み資質があるのだが、それら全てをみんな持っているけれど、その中でも自分が無意識のうちに使っている武器、その組み合わせを知ることができる。それを知ることによって作戦を練ることができるのだ。
つまり、こんな資質を持っている自分は〜に向いているとかではなくて、“何をするにしても”、こういう装備の自分はこういう闘い方ができる、ということだと解釈した。
その上で実際にクリフトンストレングスを受けて、私の上位5つの強み資質がわかった。
内省/回復志向/共感性/慎重さ/公平性
結果は上記のものであり、ひとつひとつ説明と、その中でも自分独自の特性は何かの説明、そして行動アイデアなどを知ることができた。
この結果はすごく納得のいくものであると同時に、自分はこれらの特性のことを短所だと思って生きてきている。
例えば、考えすぎることや決断に時間がかかること、完璧を求めがちなことなどだ。
武器は使い方によって強みにも弱みにもなるもので、弱みは強みが出過ぎた状態だということを調べているうちに理解した。だから、弱みを消そうとすると強みも消えることになるようだ。
これらの資質は無意識レベルで行なってしまっているので、それが出すぎて短所だと感じていたのだと知った。
そしてこの上位資質の組み合わせは1人1人異なるものであり、組み合わせによって武器の使い方も異なってくる。
その自分独自の武器の組み合わせを理解して、これからの挑戦や行動にどう活かしていくのかを分析し、使いこなせるようになりたいものである。
客観視ができていないのか、この組み合わせだとどういった活かし方ができるのか、またわからないでいる。どなたか教えていただけたら幸いである。
クリフトンストレングスを受けてみて、もともと自分の特性だとわかっていたものばかりだったが、自分では弱みだと認識していたのでそれを強みとして使うことができるのか!という新たな視点を得れたことがよかった。
それと内省の自分独特な結果に、あなたは活字に魅了されています。と書かれてあったことで、たしかに本を読むことが好きだしテレビや動画でも文字が出るとそっちに目が行ってしまうこととか無意識にやっていることが、私って活字に魅了されてたんや!と自覚することができた。
自然にやりすぎて自覚していないことってたくさんあると思うが、それに気づくことができたのは嬉しかった。
これらを複雑な1人の人間の理解に活かしていくことがまたこれからの課題であり、まだまだ自分探しの旅に終わりが見えないでいる。
それでも進んでいくしかないのが人生というものらしい。