長戸雅之『怪獣幻想曲』
たまには単行本未収録だったり雑誌に一回載ったきりの作品を紹介したいと思う。月一は厳しいが年に二、三回を目標にしていく。
というわけで今回は、月刊漫画ガロ1984年8月号に掲載された、長戸雅之『怪獣幻想曲』を紹介。
夏休みも終わりに近い東京に怪獣が出現したとのニュースを見ながら、一家の父親は懐かし気に怪獣を語り始めるが、かなりの怪獣好きな一方で現実的な人のようでテレビ局のヤラセだと考えている。ウルトラ怪獣だけでなくジャイアントロボの怪獣もいたりするが、そこは気にしない。
自衛隊による怪獣攻撃は一向に効果がなく東京は死の街になると伝えられるが、まだ父親は気にしないどころかウルトラマンが登場するのではと揶揄とも期待共とれる発言をする。ただし一部のウルトラマンは好きではないらしい。
そしてついに業を煮やした一家の子供が両親にこう告げる。これはヤラセではなく現実の出来事であり怪獣を操っているのは自分だと。
そして、その正体を告げるのだが・・・
両親ときたら丸きり信用せず、怪獣も子供の正体も現実なのか幻想なのか分からずじまいというオチ。
私も怪獣好きのはしくれなので、結構面白いと思った。ひょっとして作者は泉昌之のウルトラマンネタに影響を受けたのだろうか?そして某プロダクションから著作権料を請求されそれが払えなかったので、この作品はお蔵入り(封印作品)となってしまったのかも知れない。
なおネットで調べた限りでは、作者の長戸雅之は雑誌の編集者になっているそうである。