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スペイン旅行記【7日目】

お久しぶりの海外旅行、
行程7日目、滞在6日目の記録です。

【7日目(7/23)】

●この日は日曜日。スペインで主に進行されているカトリック的には「安息日」とされているため、前日盛り上がったINGLESはじめ主だった商店やレストラン、一部観光施設でも休業のところが多かったりする。そんな事情があるので、事前の計画ではフリーにしていたこの一日ではありますが、ある程度「開いてそう」なことを見越してザックリと計画は立てていました。
●少し前日より遅めに起きての朝食。会場は空いていたけど我々の他にも宿泊客がちらほらいて、昨日開栓されていなかったシャンパンは、今日は誰かが飲んだ形跡があった。この日はサーモン&クリームチーズ、ズッキーニと鶏肉の炒め物、ケーキ1種類追加等、前日より料理が増えていた。何故だ。日曜日だからだろうか。

もちろんケーキも食べた

≪バルセロナ凱旋門≫

赤い

●この日最初の目的地は、ホテルから北東に進んでいったところに見える、レンガ造りの立派な門、その名も「バルセロナ凱旋門」。スペインにも凱旋門があったのかと思われた方、我々も、初めて知った。
●なんでも1800年代に行われた万博の際に建設されたそうで、日本で言えば太陽の塔みたいなものでしょうか。凱旋門をくぐってまっすぐ進むとカタルーニャ議事堂やバルセロナ動物園があって、動物園にはかつてはパンダや珍しいゴリラがいたらしい。けど、現在はご不在らしく、この暑さもあって歩いて回るのは健康的に少々厳しいため、訪問は回避。ただ、凱旋門だけでも思ったよりも十分迫力があったので、割と満足しました。

≪カタルーニャ音楽堂≫

●凱旋門から再び旧市街へと足を延ばし、次なる目的である「カタルーニャ音楽堂」。ここは1900年代初頭に建設されたコンサートホールで、同時代を象徴する建造物として前日に訪れたサン・パウ病院とセットで世界遺産に登録されている。
●外観も素敵なはずの音楽堂ですが、まさかの工事中。なお、場所的には旧市街にあり道幅も狭いため、どう頑張っても外観の全容は写真に納まらない。おとなしく入館し、入場料(たしか21ユーロ)を支払って館内へ。入ってすぐのところには、すでになにやらおしゃれな雰囲気のカッフェーがあり、とても雰囲気がよさそう。

ここでプロレスやろう

●館内の作りや階段、手すりなど歴史と伝統を感じる意匠なのもさることながら、一番のみどころはやはり、音楽堂の音楽堂たる所以である大ホール。入った瞬間から「すごい」を感じることができる。アリーナ座席は少し傾斜がついていて、2階席(多分VIP席)、3階席まで同様に段差構造。ホール内のどこからでも前の座席の人をあまり邪魔に感じることなくステージを眺められる。すごい。プロレス会場に向いてる(プロレスファン脳)。また、おそらくはお金を払えばステージツアーができるようで、ステージ上を見学している人もチラホラいらっしゃった。
●カタルーニャ音楽堂、快適。全体として空調の効きが良く、当たり前ながら座席も豊富でどこでも座ることができる。大ホールの空間自体が美しくて心地がいいうえ、時折、簡単なピアノの演奏も行われてホール内での音の広がりも知ることができる。写真をバシャバシャ撮りながら、連日の旅疲れもあってすっかり根が生えるワタシ。快適なのは同意してくれた奥様に促され、さて次何しようか。

≪ランチ難民≫

●時刻は正午も近いため、スペイン的には少し早めですがランチを捜索することに。音楽堂のすてきなカッフェ―もいいけれど、前日、ピカソ美術館で紹介されていた「4 Gats(クアトロガッツ)」を覗いてみることに。このお店はピカソはじめ芸術家たちに愛されたというお店で、現在は昔のお店ではなく、当時の様子を模したコンセプトカフェみたいな感じで運営されているらしい。旧市街だから音楽堂からもほど近い。ちょうどいい。

看板に猫が4匹いた(撮り忘れ)

●通常11:00開店のところ、日曜日は12:00オープン(Google調べ)。開店5分ほど前にお店について…なんか、まだ営業の気配を感じない。店名の通り4匹の猫が描かれた看板から、営業時間の案内に視線を流すと、なんと日曜は12:30 OPEN。ここにきてGoogleに欺かれる。この暑さでの30分はなかなか堪えるため、泣く泣く、移動を決意する我々難民たち。

≪グエル別邸≫

●行くアテの無くなった我々は哀しみを抱えながら観光を続行。モンジュイック城方面か、それともガウディ建築回収ルートの2択、我々はケーブルカー(モンジュイック城は山の上にある)を嫌い、後者を選択。地下鉄ではこれまでの最長距離移動となる、約25分の移動で「グエル別邸」を目指すことに。
●おなじみ「カタルーニャ広場」駅から地下鉄L3線に乗車。マドリッドからの到着駅だったサンツ駅も通り過ぎたさらに先、「Palau Reial」駅下車。バーを押して出る旧式の改札だったため、一瞬出方がわからなくなるなどしつつ地上へ。この駅は、FCバルセロナの本拠地である「カンプ・ノウ」の最寄り駅(の一つ)。中心部からやや離れてることもあってかあまり人はいない。ちなみにワタクシ15年前、カンプ・ノウでスタジアム見学した際に、スペインではよく現れるというニセ警官に絡まれた(現金8ユーロしかないからか見逃された)。若干トラウマ。
●グエル別邸はカンプ・ノウとは逆側、駅から北にいったちょっと小高いところにある。グエルさん、別邸というだけあって他の2つの住居からやや離れたところに作ったものですね。郊外で土地が広いためあまり日差しを遮るものがなく、一段と強い太陽光に苛まれながら、とにかく奇妙な建物を探す。奥様曰くトレードマークは「ドラゴン」らしい。そんな異色なものが果たしてこんな郊外の住宅地に…あ、いた。

どらごん


●グエル別邸で観光客を出迎えるドラゴンは、家の門に象られている。グエルさんちの変遷を時系列でまとめると、グエル邸(住めそう)→グエル別邸(ドラゴン)→グエル公園(サラマンダー)。ガウディの深化が止まらない。
●しかしグエル別邸の周りを進むが、それらしい入場口が見当たらない。そして何やら掲示されているので、奥様がGoogle翻訳発動。…どうやら、別邸現在工事中の模様。おう。この半日で工事中→営業時間変更→工事中。持ってる。
●とはいえ、ガウディのガウディらしさを目の当たりにすること自体はかなったのでここも割と満足。奥様「今日の体力ではとてもケーブルカーには乗れなかった(からこっちでよかった)」とのことでもあるので、選択はそう間違ってはいなかった。ちなみにカンプ・ノウの方も行けなくはなかったけれど、実はこちらも結構な高台にあるので、見なかったことにする。体力的に。

≪カサ・ミラ≫

●乗ってきた地下鉄をそのまま折り返して25分弱、カタルーニャ広場駅を通過してさらに3駅ほど行くと、本日のメインイベント「カサ・ミラ」の最寄駅。ガウディ建築有数の人気スポット最後の刺客に乗り込みます。…まぁ、毎日通り過ぎてはいるんだけれども。

顔の正体を誰か教えて

●地上に上がってすぐにみえる異様な建物と、悪目立ちする白い顔。バルセロナの中心にあるのが異様なはずですが、逆にこの異様な建物群がもはや基準みたいになってるので、むしろ調和してしまっている。ちなみにこの顔のモニュメント、マドリッドでも見ました。どうやら以前はなかったみたいなんだけれど、ざっと調べてみてもいまいち正体がわからない。一体何なんだろう…
●カサ・ミラは「曲線」「自然モチーフ」「タイル装飾」「換気・貯水槽へ配慮した設計」等など、ガウディのこだわり欲張りセット。中でもクジラの肋骨をモチーフにしたという独特な曲線で作るハリが有名で、中はさながらダンジョンの様。15年前も訪れましたが、そこが特に印象に残ってます。カサ・バトリョと勘違いしてたけど。


曲線&曲線

●手摺やイス、ドアノブも独特な形をしているんですが、これは自然物をモチーフとしていて、さらに手で形作ることで自然と手になじみやすい温かみのある造形になっているという。このたどり着いた境地を指してガウディ(というかオーディオガイド)は「シンプル」「単純」と表現しているわけですが、確かに考え方としてはシンプルなのかもしれないけれど、アウトプットは全くシンプルじゃないっていう。誰かやつを止めろ(100年くらい手遅れ)。
●やっぱりこの建造物も屋上がみれるようになっていて、屋上だってほら、全然シンプルじゃないし。「15人の戦士」をモチーフにしたオブジェが乱立していて、バルセロナの市街や、サグラダファミリア等の町の大きなモニュメントも一望できる(けど落ち着かない)。吹き抜けのフロアの中心には世界各国の文字で形作られた、体育座りした人みたいなオブジェも鎮座。別にこのことを指してシンプルと言っているわけではないだろうけど、腑に落ちない…

≪昼食≫

●やはりガウディは最後までガウディだった、という結論に(個人的に)達しつつ、概ねバルセロナで予定していた全ての観光の行程を終了。ここで一旦忘れかけていた昼食探しに移行する。といいつつ、目をつけていた店はすぐに見つかった。
●訪れたのはバルセロナ市内のカフェチェーン「365」。バルセロナにおけるベローチェやドトールみたいなお店で、コーヒー以外にもパンなどの軽食にもありつける。カサ・ミラ近くで見つけたので、早速入店。
●店内はとてもガラガラでしたが、店員さんがかわいそうなくらいのワンオペ状態。3組分の注文を待って、自分のターン。「esto(これ)」+ジェスチャー×3+「カフェコンレチェ」っていう数少ない使える呪文で攻撃。最後に「アイス!」って足してみたけど、通じなかった。

難民ランチ

●我々が座った後あたりからお客さんが増え始める。注文したパンは白いやつが思っていたよりモッサリしていて口の水分を大いに奪っていきましたが、ピロシキみたいなやつは美味しかった。
●暑さと水分不足もあって、甘いもの、特にアイスを補充したいという方針で我々夫妻の意向が一致。調べてみると、ほんのひと区画戻ったところにGoogle口コミ☆4.7のアイス屋を発見したので、早速突撃。鶏のマークがイケてる。

チョコミン党
1週間で3アイス

●マドリッドでアイス屋に2度も通ったので、だいたい気持ち的には慣れて来ていた我々、しかし最低ロットが2段アイスの様だったので、混乱を避けるために個人で発注を試みることに。
●食の趣味がかなり近い我々夫妻ですが、唯一著しく異なる点が「チョコミント」の取り扱い。私は信徒、奥様は反徒。普段だったら奥様がいるところではチョコミントは頼みにくいのですが、しかし、今回は2段だ!というわけで、即決。チョコミント&チェリーをチョイスしました。ぶっちぎりで色のドぎつかった2つ。超おいしい。

≪夕食≫

●少々早めにバルセロナでの観光を完走した我々、ホテルに戻って夕食の作戦会議。というか最後は「一番有名なところに行こう」という結論に達しまして、現地の夕飯には少々早い18:00、向かいましたのは「Cerveceria Catalana」。どのガイドブックにも掲載されている、超人気店。ちなみにCerveceriaはビアホールのことなので、意味としては「カタルーニャビアホール」とか「カタルーニャ酒場」とか。

ニコニコマークが目印。皿の料理はコロッケ。

●18:00台が空いててねらい目、というガイドブックに従い向かいましたが、着いて早々目にしたのはすでに出来上がっている行列。この人数だと30分待ちかなーとか思いながら列に並ぶも、奥様が「(店員が)なんか書いてるみたい」と見つけてきたので、もしかしたら名簿制なのかと思い声をかけてみる。2名であることを伝える、と、あっさり入れてもらえた。並んでいた人たちはいったい何だったんだろう…
●とてもとても広い店内にはあふれんばかりの人がいましたが、店員がせわしなく動き回りながら、大人数でも対応できるよう次々と座席配置を作り変えていた。店員レベルが高すぎる。我々の席はサクッと作られ、テーブルには英語メニューと、本日のおすすめメニューが設置。は、早い。
●飲み物は私がコーク、奥様がサングリア。2日前はチャンポンにやられたけど今回は大丈夫とのこと。あとは名物料理と、適当に目についた何が出てくるかわかるものをチョイス。でてきたのがこちら。

●まずは名物フォアグラ&ステーキのピンチョス。見ていただいてわかる通り、はい、もう美味しい。もう一皿、タラとトマトのピンチョスもまた、おいしく調理されています。あとはおつまみ的な奴で、マッシュルームとアスパラの炒め物と、アンチョビ&オリーブがやってきました。オリーブ私は美味しかったのですが、普段なら気にならないという奥様はどうやら疲れからか、オリーブの酸っぱさにやられていた。が、ガンバレ!
●その他に追加で注文して、これもとりあえず「タコ」って書いてあったからどの食材が出てくるかは分かったタコのタラモサラダ(みたいなもの)が登場。ジャガイモとかぼちゃが和えてあるらしい。おいしい。
●胃袋の空きぐあい的に、なにかもう一品チャレンジしてみることに。しかし英単語がいまいちわからず、wifiが通じなくてGoogle翻訳も使えない中、「ボイルされた何か」を注文。ドキドキしながら待つと、出てきたのは、こちらでした。shrinp以外の表現を知らなかった…。


boiled prawn

●このままでは負けた気分になるので、泣きのもう一回、今度はデザートでチャレンジ。「ココプリン」など、どう見ても無難なものもチョイスできましたが、ここは攻め時。メニュー表の一番上にあったけど何が出てくるかわからない、「マリア・テレーザがどうのこうの」的なメニューを指差して注文。…本当に、なんだかよくわからないものが出てくる。

美味しいなにか

●見た目はカヌレっぽいけどサイズ感が異なり、外はサクッと、中はフワッとしている。奥様調べによるとフレンチトーストの一種のようですが、とにもかくにも日本ではどうやら食べることは出来なさそうな料理のようです。だって説明のしようもないし。これがもしかしたらスペインで食べたもので一番おいしかったかもしれない。
●プラウン(エビ)の負けを謎のスイーツで取り戻し、スペイン最後の晩餐を終了。満足してホテルに帰還し、7日目の行程を終了。
●ずっと海外にいても旅行期間くらいではホームシックや日本食への渇望みたいなものは出てこなかったけれど、ホテルに戻るととにかく毎日日本語が聞きたくなってしょうがなくなったりしてました。
●マドリッドのホテルではNHK-WORLDが映ったのでずっとつけてたけれど、バルセロナホテルでは入らない。代わりに(ネット回線は弱いながら)YouTubeがつながったので、日本相撲協会チャンネルで、ちょうど佳境だった大相撲名古屋場所のダイジェストばかり見てた。最終日はもう千秋楽終わってたので、仕方がないから、ラーメンズの「日本の形」シリーズを片っ端から見てた。This is Japan.

➡8日目~9日目に続く

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