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PKC27レポート

こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。
PKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。
よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPKCでは2416試合のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作る目的で開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。
また、参加者には厳しい参加条件を設けています
具体的には、過去1年間のKCで上位500位以上に入ったことがある、もしくは直近のKCで400戦以上走った(=モチベーションが非常に高いこと)です。
この結果、1試合の質も保証されています。今回は、18名の金アイコン保持者と20名以上の銀アイコン保持者が集まった上、参加者の人数も70人を超えました。
やはり、実力者同士の試合とそうでない試合とでは結果が大きく変わるのが遊戯王です。実力者同士の試合だからこそデッキのポテンシャルを正確に計ることができるのではないでしょうか?
レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
PKC参加者の中から毎回金アイコンが出ていますから、今回も世界最強のデッキが眠っているかもしれません。
前回のPKC参加者の中からも複数名の金アイコン、銀アイコン獲得者が誕生しました。
KCカップに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、前回、前々回のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。

全体分布

分布はこのようになりました。
タキオン圧巻の60%、ここ最近では1強環境の代名詞と言える転生炎獣でも46%ですから、相当異常な環境であることが伺えます。

歴代最強デッキと言われるこのタキオン、ロアーのような万能カウンター罠をサーチ可能、オノマト変化や薔薇の魔法のようにスキルを2回使用可能、タキオンをチラ見せしなくて良いのでレイジングのような弱点もありません。まさにデュエルリンクス歴代最強デッキのキメラのような存在です。
ランクマですらミザエル ミザエル ミザエル…このゲームは一体どうなってしまうのでしょうか?
評価が分かれる環境ではあると思いますが、環境デッキが10個近くあった雑多環境から一強環境になったので、「最近あんまりやってなかったけど…」みたいな人にはむしろ復帰するチャンスな環境と言えると思います。

とはいえタキオン自体に小人のいたずらのようなきついメタカードも存在しているので、天才デッキの存在も否定できません。
例えばシェア次点の不知火は安定性も高くベアトリーチェで直接小人のいたずらにアクセスできるので、タキオンに食らいつける可能性を秘めています。
毎KC「ダークホース枠になったデッキが実はPKCでしっかり勝率が出ていた」ということはかなり多いので、データを紐解き隠れ強デッキを探していきましょう!

これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。

主要テーマの勝率と相性表

※ジャイトレ派とフェルグラ派の区別は先攻ワンキル型以外でジャイトレ出しを基本プランにしているかを基準としています。
※上位数テーマのシェアが多すぎる都合上他のテーマはどうしても試行回数が少なめです。

タキオンが最高勝率です。もっと圧倒的な勝率になるかと思いきや意外と控えめな勝率だと感じた人もいるかもしれません。しかし小人のいたずらのような先攻で打たれたらまず負けるカードがプールに存在しているにも関わらずこの勝率は圧倒的ですし、そもそも他のデッキは勝ち越していないのでタキオンが圧倒的Tier1であることは揺るがなさそうです。

タキオンのデッキタイプでは、ジャイトレ採用型と無採用型でだいぶ勝率が乖離しましたね。
ミラーは圧倒的にジャイトレが優位なようです。ジャイトレの枠はルーオンなどが多かった印象ですが、意外と刺さりが悪いということでしょうか?フルモンを起こしてしまった際の事故が解決できないのも勝率を落とす原因になっていそうです。
そのほかのデッキに対しても、一貫してフェルグラントに向かってしまうことでエクシーズオーバーディレイや禁じられた一滴を採用しているデッキに対して前面を捲られ勝率を落としてしまうのかもしれません。

次に不知火です。
タキオンに勝ち越すことは難しいようですが、それ以外のデッキには大きく勝ち越していますね。そもそもスキルでかなり高い安定性を担保できていますし、タキオンに対するメタをスルーしやすいのでTier2としては悪くない立ち位置にいると思います。
またこのデッキは展開ルートが無数にあり、まだ全体が煮詰まり切っていないようにも感じます。残りの期間の開拓次第ではタキオン越えの可能性もあるかもしれません。

三番手には魔妖が位置しています。実際に第二部では2位に入賞していますし、練度や構築次第では十分に戦えるポテンシャルを秘めたデッキなのかもしれません。ただし同じくTier2である不知火にも微不利がつくようで、46%とやや負け越しています。デスカイザードラゴンやヴァンパイアサッカーで墓地を触られて妨害を有効に使えないのが理由の1つでしょうか。どのデッキをカモにするかもKCにおいて重要な要素ですから、Tier2同士のマッチングが不利が付くのは少し辛いところかもですね。

セイクリッドは一時はTier1候補として持て囃されたものの、1回のKCすら経ず今ではすっかり見る影がなくなってしまいましたね。
今では数少ない偽装ができるアーカイブスキルですし、環境的にも小人のいたずらの影響を受けなかったりエクシーズオーバーディレイのデメリットを踏み倒せたりと追い風になり得る要素はいくつかありますが、そもそものデッキパワーが足りていないのを感じます。現状はかなり厳しいでしょう。

詳細テーマ勝率

今回の下位デッキに特に顕著な傾向なのですが、死ぬほどメタってタキオンにギリギリ勝率を五分に持って行ったものの不知火にボコボコにされてしまう現象が発生しています。パワーが低いデッキが後攻も勝とうとするとエクシーズオーバーディレイのようなピーキーな札にどうしても頼る必要があるので、メタが全然違う不知火が環境に存在することでタキオンの一強を助長してしまっている感じがありますね。
逆に不知火も上手く走ればタキオンに勝ち越さなくても大きくDPを伸ばせる可能性があるということです。不知火で走る上での作戦として考慮していいポイントかもしれません。

先後別勝率

こちらは全体の先攻後攻勝率です。過去一とんでもない数字が出てしまいました。リンクスのMD化が進んでいると度々話題になりますが、ここだけみるとあまり否定できない状態ですね。

前回のPKCでは「イビルツインの先攻勝率が過去最高の70%。ロアーが使えた転生炎獣ですら先攻の勝率は60%、マーメイドが使えたオルフェゴールの先攻勝率が57%。」というお話をしたのですが、なんとまたしても過去最高記録を更新してしています。

想定していたよりタキオンの後攻勝率が低めですね。初動率が高く手数もあるタキオンですが、ミラーの後手捲りのハードルがかなり高いのとミラー以外のデッキが小人のいたずらのようなピンメタを採用してくる傾向にあるため、なかなか勝ち切るのは難しいようです。

タキオン以外のTier2デッキもしっかりと先攻勝率が高く、セイクリッドですら6割に乗っています。
今回のKCも先攻は当然勝つものとして、後攻がマシなデッキをどう選択するかのゲームになりそうです。

入賞構築

下馬評通りタキオンだらけですね。それになんとか魔妖と不知火が喰らい付いている形です。
タキオン自体はそれほど自由枠が多いわけではないのですが人によって構築がかなり違いますね。月の書と手札誘発の枠が入れ替え枠で、リミット3にもかなり好みが出ているようです。一方でエクストラはかなり固まってきていますね。入賞者がいずれもジャイアントトレーナー採用型で、ネオタキオンとブレードの2枚目が自由枠といったところでしょうか。

2位入賞の不知火は20枚薄型です。牛頭鬼を採用することでベアトリーチェ初動への確率を高めているようです。ただ注意が必要なのが、データを見てみるとタキオンにもなんとか勝ち越しているものの、セイクリッドなどタキオン以外のデッキをカモりまくっているのが入賞の大きな要因であると読み取れます。

同じく2位に入賞した魔妖はタキオンに対して11-4と大きく勝ち越しています。禁じられた一滴とも相性が良いテーマですしスキルの都合上エクシーズオーバーディレイのデメリットを無視できるので後攻で強いカードが採用できて優秀ですね。今回のKCで何を使用するにしても魔妖というデッキの対策は要チェックかもしれません。

まとめと展望

毎回言っているような気もしますが、振りかえればデュエルリンクスも遠いところまで来たなと感じます。
堕天使・幻影騎士団・転生炎獣などデュエルリンクスが転機を迎えた環境はいくつかあると思いますが、まさしくこの環境も転機の1つといえるでしょう。
本番まであと数日、タキオンに対するメタが見つかるのかそれともタキオンを極めるのか、しっかりと準備して本番に向かいましょう!

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