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PKC25レポート
こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。
PKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。
よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPKCでは3788試合のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作る目的で開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。
また、参加者には厳しい参加条件を設けています
具体的には、過去1年間のKCで上位500位以上に入ったことがある、もしくは直近のKCで400戦以上走った(=モチベーションが非常に高いこと)です。
この結果、1試合の質も保証されています。今回は、17名の金アイコン保持者と30名以上の銀アイコン保持者やKCGT本線決定戦出場者が集まった上、参加者の人数も100人を超えました。
やはり、実力者同士の試合とそうでない試合とでは結果が大きく変わるのが遊戯王です。実力者同士の試合だからこそデッキのポテンシャルを正確に計ることができるのではないでしょうか?
レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、今回から入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
PKC参加者の中から毎回金アイコンが出ていますから、今回も世界最強のデッキが眠っているかもしれません。
前回のPKC参加者の中からも複数名の金アイコン、銀アイコン獲得者が誕生しました。
KCGTに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。ぜひ御覧ください。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、前回、前々回のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。
分布
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分布はこの様になりました。
トップシェア2つは新登場したカオスソルジャーと天威の2つになりました。両デッキともに回転率が良く後手も強いため好まれた印象です。
またこれら以外の環境デッキは長く環境に存在しているため、新テーマのパワーを見極める目的でとりあえず使用してみたプレイヤーが多かった側面もあると思います。
3番手以降にはオッドアイズとD-HEROが続いています。
ただでさえパワーが高いオッドアイズですが、天威とカオスソルジャーに対して相性が良いことで更に追い風になっていた感じはします。
型が多く何が飛び出してくるか予想が付かないのも強みでしょう。間違いなく今回のKCにおける本命と言えます。
D-HEROは天威に対して相性が良いとは言えないものの、丸い選択肢としてまだまだ現役といっても良さそうです。環境次第でどんどん札を差し替えられるデッキなので、経験上こういうデッキは終盤まで居座り続けることは間違いありません。
一方で大きくシェアを減らした代表としてはトリックスターですね。
鬼神の突破が難しかったり剣闘士にキャロベインを無視されたりとトリックスターの強みが全く出せない対面が増えた印象です。今回のKCでは、2日目ぐらいまでは見るかもしれませんが後半は見ることが無くなりそうです。
今回は大幅な環境テーマの規制と過去テーマの緩和の影響で使用に耐えうるテーマの数が非常に多く、トップシェアのカオソルですらシェアが20%を超えていません。(いつもの感覚だと大体トップシェアは30~50%くらいになる)
分布に存在しているテーマ以外にも数多くのテーマが存在し、かなりの雑多環境となっています。
このような環境では相性だけではなくデッキとしても自力が必要になってくるのですがそのあたり、以下のデータからしっかりと紐解いていきましょう。
これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。
主要テーマの勝率と相性表
お買い上げいただきありがとうございます!それでは話を続けましょう。
オッドアイズはマギストスオッドアイズ、岩戸オッドアイズを別デッキとして集計しているので、相性表のオッドアイズは純構築と認識していただいて問題ありません。
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カオスソルジャーの勝率は可もなく不可もなくといったところです。
同期の天威には大きく勝ち越しているものの、元から居た環境テーマには負け越した形になっています。やはりブラッドローズ、深淵、ロンギヌスなど、全方位からメタの対象になった点は否めません
天威が成績を見る限りシェアを落としそうだと考えるとなかなか難しい面もありそうな気はします。
とはいえ構築の自由度が高く妨害に対する貫通力もあるため、まだまだ引き出しがありそう点には注目です。
天威はシェア上位の中では最も負け越してしまっています。性質上手数が読み辛くプレイミスを誘発しやすいため初見補正がかかりやすいはずですが、それにも関わらず大きく負け越しているので、本番はもっと苦しくなることが予想できます。カオスソルジャー等とメタが被ったり、先攻はどうしても苦しかったりと、根本のメインギミックに課題ありといったところでしょうか。
シェア3位のオッドアイズはかなり安定して勝ち越しています。この試行回数でプレイヤーを選ばず勝率55%は圧倒的強テーマなのは間違いありません。
鬼神の突破に困らない点やカオスソルジャーに対してもイージーウィンがある点で他デッキと大きく差が付いた印象です。
問題点としては、やはりミラーがどうしても運ゲーになってしまう点でしょう。こればかりは構造上どうしようもないのですがミラーが増えてくると勝率にムラが生まれることは避けられません。
最新弾が来る前の環境ではオッドアイズに次いで人気だったD-HEROですが、今回大きく負け越す形になりました。オッドアイズとは対称的に、かなり鬼神の突破が苦しい印象です。全体としては芳しくない勝率でしたが、1部と2部の優勝がD-HEROなのでまだまだ煮詰める余地はありそうです。
天威がシェアを落としそうなのは追い風です。
他と比べると試行回数がやや少ないものの、ヴァレットもかなりの好成績を叩き出しています。龍鬼神の登場によって強い8シンクロの選択肢が増えたことや、ロンギヌスが刺さらないことが追い風になっています。D-HEROと同じく今回の罠デッキ枠として環境に居座ることになりそうですね。
強欲なウツボの緩和、深海のセントリーにより大幅に強化された海皇ですが、意外にもメタ対象になっていそうなカオスソルジャーに大きく負け越しています。
海皇というデッキの性質上、スタンバイに深淵を発動しないといけない対面は素材に入れた重装を活かし辛いため、深淵+アーケティスまでいけないと素引きの剣闘士や開闢に貫通されたり、一旦罠でいなされて捲られることが多いです。これは逆にカオスソルジャーがロンギヌスのような一部のメタ以外には対応できるという点を示していそうです。
今期のダークホース枠の1つとしてはトゥーンに注目したいところです。
デュエルリンクスではこういうデッキは勝ち越さない印象ですが、昔と比べて圧倒的に環境デッキ全体の対応力が上がった現代においてもそこそこの成績を出せるのはポテンシャルを感じますね。
1時間毎のシェア率の変化のグラフ
環境の変化を予測するためにPKCの各パートでの1時間毎のシェア率の変化をグラフにしてみたので確認してみましょう。
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どのパートもカオスソルジャー・天威は終盤にかけてシェアを減らしています。メタの対象になりやすく、2つともメタが被っていて共倒れになってしまっているので、終盤まで戦い切るのは難しいかもしれません。
逆にオッドアイズ・D-HEROは全パートで安定したシェア率を誇っています。致命的なメタも少ないですし、やはり地力の高さを感じます。この2つは終盤まで見かけることになりそうです。
詳細な相性データ
集計時の都合上、純構築のオッドアイズの集計名がオッドアイズ(その他)になっています。
オッドアイズ(その他)は純構築オッドアイズとして問題ありません。
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マギストス型のオッドアイズが大きく負け越している点が注目ポイントでしょうか。特にカオスソルジャー相手は開闢や出張マギストス1枚で妨害を踏まれてしまう上に剣闘士が致命傷になるため、沈黙込みの3妨害までいけないとかなり苦しい印象です。
逆に純寄りのオッドアイズとミラーになった際、マギストスで妨害を簡単に踏めるのでミラーに関してはこちらの方が優位と言えるでしょう。
意外にも使い手が少なかったのはガンドラオルフェですね。上位デッキとメタが被ってしまっていた側面もあるとは思いますが、ここまで少ないのは少し予想外です。勝率自体もあまり良くなく、実際に立ち位置は悪そうです。
個人的に使用してみた感想としてはオルフェゴールトロイメアの枚数が減らされた分少ししょうもないハンドが増えているなといった印象です。ダークアームドドラゴンのリミット解除など強化要素もありますがオルフェゴールトロイメア素引きによる貫通と比べると微々たるものです。
もう一つダークホース枠として取り上げたいのはWCS本戦でも使用されていた絆ベアルクティです。
注目すべき点として、オッドアイズに大きく勝ち越しています。純寄りのオッドアイズはマギストス型のオッドアイズと比較して直接的な妨害数が少ないので、ベアルクティに貫通されやすいといった感じでしょうか。カオスソルジャーに対しても動きの中で初動を破壊できるため実は立ち位置は良さそうなデッキです。とはいえヴァレットや海皇相手にボコボコだったりと絶望的な相性が何個かありそうです。加えてかなりムラがあるデッキなのでデータを見る上で他のデッキと比べるとやや試行回数が少ない点はご注意ください。
先後別勝率
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全体の先攻後攻勝率で後攻が優位になったのはかなり久しぶりな気がします。
最新弾のテーマであるカオスソルジャー・天威・トゥーンがどれもかなりの後攻番長で、先攻側の対応力が求められそうです。
オッドアイズも後攻番長寄りのデッキですが、先攻自体も特に負け越していないので程良くバランスが取れたデッキに見えます。
5番手以降のデッキであるトゥーン・ベアルクティ・パラディオンなどはかなり先攻後攻の勝率に差がありますね。上手くいけば一気にDPを伸ばせそうですが、逆に言えば一気に溶かす危険性もあります。扱いが難しいデッキなのは間違いないでしょう。
入賞レシピ
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今回は珍しいデッキの入賞が無く、全体的に手堅いデッキが順当に入賞しています。天威の入賞が無い辺り、やはり苦しい印象は受けます。
カオスソルジャーはかなり構築が固まってきましたね。1枚で多くの役割が持てるマギストスギミックは事故回避においても妨害の貫通においても非常に優秀です。ヴァフラムを装備することによって耐性付き鬼神を突破することが容易なため、出張ギミックはマギストスでほぼ確定といってもいいのではないでしょうか。
また入賞したカオスソルジャーの多くがロンギヌスを採用しています。ブラッドローズへの解答としても勿論そうですが、ミラーや対天威においても差が付く1枚となりそうです。逆にロンギヌスが入っていないカオスソルジャーが1回しかオッドアイズを踏んでいないのも注目してみてください。
全体分布では大きく負け越しているD-HEROですが、1部2部ともに薄型が勝ち切っています。
深淵・ビュート・ナイトメアなど4エクシーズの選択肢が豊富になったこともありドリルガイの重要性が高まっています。特に深淵は天威の耐性付き鬼神を突破するために必須なので、多少ゴミを引いてしまうリスクを背負ったとしてもデッキは薄くする必要性があるかもしれません。
3部ではヴァレットが2人入賞しています。構築に関して特筆すべきところはありませんが、両デッキともにカオスソルジャーに負け越しており、その他のデッキに対して満遍なく勝ち星を稼いでいます。丸いデッキでの1つではありますがカオスソルジャーのシェア次第では立ち位置が悪くなる可能性はありそうです。
まとめと展望
あらためてお買い上げいただきありがとうございました。
kinghaloさんはよりによって天威に手を出してしまい、貴重な2万5千円を失ってしまいました。課金するならPKCレポートを見てからのほうが良かったですね。泣きそうです。
久々にPKCでリンクスに触れた感想としては、最近のリンクスのゲーム性は圧倒的に先攻を取って気持ちよくぶん回して制圧したもん勝ちでしたが、後攻が強めのテーマが複数登場したことで先でも後でもやれるゲームが増えてストレスはかなり減ったなあという感じです。
一時期のリンクスに比べると格段に面白いゲームになっている気がします。
kinghaloさんは虎の子の2万5千円をうしなったのでどうしたもんかと途方に暮れていますが、本番まであと4日、お互いしっかりと準備して本番に望みましょう!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!