僕と質量による不安
ついこの間、墓参りに行った際、道が悪くて祖母の手を握って歩いた。
彼女は、足が悪いわけではないが念のため、
と手を繋いでいた。
そして、墓参りをおえ、
手を離した
その時、自分の手元からすごく大きなものが移動してしまった気がした。
それは、昔3年近く付き合った彼氏と別れたときに似ていた。
理由は、いろいろあるが、現実的すぎてまだ大きな世界を夢見ていた僕を応援してくれなかったこと、僕への庇護欲、養いたい欲が嫌だった。
勝手に僕の生きる道を決められた気がした。
気持ちが悪かった
あくまで僕は血のつながりを重視してしまう点がある。
友人達や、仕事仲間には少しもそれは意識することはない。
しかし、恋人という関係にあると
血の繋がりもないのになぜコイツは僕に指図をするのか、
僕の家族に対して対等に渡り合おうとするのか、が理解できなかった。
そんなことは置いておいて。
僕から別れを切り出した、本当に無理すぎると。
しかし、ふと本当に別れるとなった時
一番辛かったのは、もう手を繋げないというのが辛かった。
僕にとってその人は 自分の手元にある質量だったのだ。
僕はモノを買って満足するタイプだ
僕の手元に所有することで気が済んでしまう。
布団も冬場は3枚かけてもこもこの靴下とレッグウォーマーと毛布のガウンを着て寝る
ぬいぐるみもたくさんある。
僕よりもぬいぐるみの方がベッドの幅を使っている。
だけど安心するからそれで良いのだ。
ぬいぐるみを抱きしめると安心する。
きっと何かを抱きしめると安心するのが、生き物なのかもしれない。
しかし、いずれなくなる生き物という種を抱きしめるのは怖い
(配信をしている僕は
リスナーを抱きしめるつもりで配信している。)
常に僕は満たされていない気がする。
暖かい部屋、美味しいご飯、家族
揃っているのに何か満たされなさを感じてしまう。
ずっと、ずっとそう思ってきた。
すると僕が感じていた様なことを代弁してくれる奴がいた。
デンジくん だ。
他の人から見でも、本人的にも決して幸せではない環境から、
住む家も食事も服もしっかりと与えられる様になった時、
なぜかそれ以上を求めてしまっていた
そうなんだよ、それなんだよ。
きっと世界中のみんなが思っていることだと思う。
自分以外の個体が、しかもそれが自分にとって大切で大好きな個体の質量がこの地球から減ってしまうのが本当に怖い。
何もなくならないでほしい。
そしてその恐怖に僕は恐怖する。
心は痛むし体も動かなくなる。
どうしてこんなに不完全な僕なのか、
僕自身にもわからないけど、もしかしたら他の人と比べたら全くもって大したことないことなのかもしれない。
でも僕にとってはそれが大問題で、
世界でどんなことが起こっていようと、
僕の中では僕の大好きな質量が減るのが一番心配なのだ。
それを考えると眠れなくなる。眠れるけど
頭が回らなくなる。全部が全部嫌だ。
けれどすごく大事にしていたものを無くしてしまったりすると、一緒に探してくれる人よりも早く諦めてしまう様になってしまった。
大事にしていたものはこの先全部そうなっていくのだろうか。
あとこの文章を書いている時、
自分の昔怖かったことをおもいだした。
覚えている範囲で、祖父母の家に預けられることが多々合った。
泊まりもあった。
別にそれが悪いことだったわけではない。
しかしいつもの自分のお気に入りの布団、匂い、枕、環境音、ぬいぐるみ、などそんないろんなものが不足している、と感じることの多い環境に置かれることが怖かった。
しかし祖父も祖母もいつも僕を可愛がってくれて、
そんなこと忘れてしまうくらいに寝る間際まで過ごせていた。
恐ろしいのは寝る間際だ、
迎えはもう来ないのかもしれない。
という考えと、
いつもと違う環境への漠然とした恐怖は
僕の楽しい気持ちを根こそぎ奪っていく。
怖かった。なぜか泣きながら寝たこともあった。
そして帰り道、両親が迎えにくると、
逆に祖父母の家から帰るのが怖かった。
もう遊びに来れなかったらどうしよう。
何かあったらどうしよう。
不安で仕方がなかった。
家に帰って寝てしまうと不思議とそれはなくなるのだけれど。
それは、一人暮らしをしている時もそうだった。
不安だった。自分の知らない世界が怖かった。
そしていつの間にか、
僕は生きることさえも不安になっていた。
以下 不安なものリスト
僕の逝き先
すごく面白かった映画(その映画をもう一度見た時自分が初めて見た時ほどの感動と脳内麻薬はやってこないのが怖いつらい)
お腹を壊しそうなもの
大きな声を出す人(自分が一番声でかい)
僕の大事な人たちの死、葬式、喪失
ぬいぐるみがなくなること
いつかきっと大地震が来ること
宇宙人等UMAがいないと検証して証明したと騒ぎ立てること
今までの古代遺跡よりも前のものがあったとされる話
ヴォイニッチ手稿
急に話しかけてくる人
ポンペイ
都市伝説、最大の事件等を、紹介する番組でよく再生されるSE 女性達の「「えぇ〜??」
東京スカイツリーのエレベーター(早さに耳抜きがついていかない)
不安で考え込んでいるときに騒ぎ立てる人
耳音響放射
めまい、耳鳴り
寒い場所に追加の防寒着無しで行くこと
暑い場所に脱ぎ着しやすい服装で行かないこと
映画上映前のCM中にケータイをいじる人(上映中もいじるのかなと不安になる)
同じく映画上映直前まで普通に喋っている人(上に同じ)
以下略
たくさんあるととても疲れる。
ありがとうみんな生きててくれて。