韓国で唯一の日本式のお寺と、日本家屋
1945年まで日本領だった韓国には、朝鮮戦争の戦禍や戦後の開発の中でひっそりと残っている日本式の建物がたくさんあります。ただ、そうした数少ない日本家屋も多くは老朽化が進み、あるいは改築によって以前の姿をとどめなくなっていたりします。
そんな中で、韓国の全羅北道郡山市にある東国寺は韓国で唯一の日本式の寺院です。どこからどう見ても、日本の田舎にあるようなお寺です。
戦前には錦江寺と呼ばれていたお寺でしたが、日本の敗戦後に米軍に接収されたことで運よく取り壊しを逃れ、その後韓国人僧侶の手に渡り東国寺と改名され現在まで運営されてきました。
お寺の鐘も、日本のどこかの景色を切り取ったかのように見えます。
戦前、錦江寺が所属していた曹洞宗によって建立された石碑。
お寺の中は日本と様子がかなり異なる。特徴ある天井の飾り。礼拝の仕方も日本とは違うので、中にいると異国の地にあるお寺であることを感じられる。
戦前の郡山市は米の輸出などで栄え、多くの日本商人が邸宅や商館を構えていました。その後、戦後の経済成長から取り残された関係で再開発の手が入らず、結果として多くの日本家屋が残されていました。
郡山市ではこうした特徴を生かして、日本家屋を活用した街づくりを進め多くの観光客を集めています。
住居としての役割を終えた朽ち果てた日本家屋。おつかれさまでした。
旧広津家屋、豊かな米商人であった広津吉三郎の邸宅。庭園も管理が行き届いており、多くの観光客を集め、当時の繁栄ぶりを伝えてくれる。
旧広津家屋の内装、往時の姿が偲ばれる。とても異国の地とは思えない美しい日本家屋。
日本家屋と日本資本のコンビニという独特な組み合わせ、現地で見ると違和感に圧倒される。
改築された道路沿いの外壁の奥には日本家屋の名残が、こうしたローカライズされた日本家屋もあちこちに残っている。
改装され美しく生まれ変わった日本家屋。こうした新しいタイプの日本家屋は飲食店などが入り、多くの観光客を集めている。
日本家屋を改装したゲストハウスの階段。
ちょっと表通りにでると、韓国らしい景色が広がっている。
ボロボロになった日本家屋。こうした建物は韓国のあちこちにひっそりと残り、朽ち果てるのを待っている。