犬と象と猫の散歩
大きな犬を散歩させている女性がいたら興味を惹かれる。
さらにその女性が小柄で、犬に引っ張られているにも関わらず満面の笑みを浮かべていたら興味津々。
その場合は散歩させているのか、させられているのか、犬の付き添いなのかはわからない。
その問題は誰も気にしないだろうから迷宮に閉じ込めておこう。そしてたまに思い出すだけの存在にしておこう。
今回は犬がキーポイントとなる話だが、実を言うと僕はそれほど犬が好きじゃない。
犬が目の前にいたら毛を触りたくなる。良い肌触りなのかそうでもないのかが気になるくらいで、目の前に犬がいないときに犬の事を考えたり思ったりすることはない。
『今考えているじゃないか!?この文章を書いているときに犬について考えているだろ?目の前に犬はいないだろ?』
そう突っ込みたい人がいるだろう。
確かに目の前に犬はいない。
今考えている犬は犬を散歩させている女性、あるいは散歩させられている女性、はたまた犬の付き添いの女性を思うことで初めて僕の脳内に登場するのだ。
つまり、二次的なものであって、もはや犬でなくてもいいのだ。
そうだ!この際、象にしよう!
象好きだろ?
その方が君も分かりやすいだろ?
大きなアフリカ象を散歩させている女性がいたら興味を惹かれる。
さらにその女性が小柄で、必死の形相を浮かべながらアフリカ象を追い掛けていたら興味津々。
その場合は単独で狩りを行っているのかもしれないし、サーカスを抜け出した象を追い掛けている途中かもしれない。
団長からアフリカ象の担当だとに命じられたけど、よく見てみたらインド象じゃん!アフリカ象は調教したことあるけどインド象の経験はない。アフリカ象より足速~い!さっすがインド!って感心してる場合じゃない!あ~ぁこれから先が思いやられるわぁ。何で私はこんなことやってるんだろう?そういえば子供の頃、母親に『首の長い動物はキリン!では鼻の長い動物はなんだ?』と問われて『天狗!鼻長いよねっ!』って即答したなぁ。そしたら母親は『子供らしからぬイマジネイション!』と言い放って家を飛び出したっきり帰ってこない。どこに行ったんだろう?あの時、象って答えていたら今の状況は変わってたかな?
その問題は誰もわからないだろうから迷宮に閉じ込めておこう。そして二度と思い出すまい。
今回は象がキーポイントとなる話だが実を言うと僕はそれほど象が好きじゃない。
アフリカだろうがインドだろうがナウマンだろうが。
象が目の前にいたら鼻を触りたくなる。みんなが言うほど鼻が長いのかそれほどではないかが気になるくらいで、目の前に象がいないときに象の事を考えたり思ったりすることはない。
『今考えているじゃないか!?この文章を書いているときに象について考えているだろ?目の前に象はいないだろ?』
当たり前だろっ!!
今僕は自室で右半身を下にして寝そべっているんだ!
象なんかいるわけない。
象は二次的なものだってば!
話が進まないじゃないか。
よし、こうしよう。
……猫、猫なら分かりやすいだろ!
猫好きだろ?
猫を散歩させている女性などいない。