〝プラモ作りは爆発だ!〟~「太陽の塔」制作記<下>
noteの世界のみなさま、こんにちは。オヤジモデラーのきんぐじょーです。さてさて、昨年暮れから作っていた表題の「太陽の塔」ですが、越年のうえ、1月下旬になってようやく完成いたしました。今回はその制作過程の中で最も楽しませてもらった「生命の樹」部分の塗装(というよりは色塗り)作業を中心に、完成までをご紹介したいと思います。なお、当初想定していたよりも紹介できる場面が少なくなってしまったので、前回の記事のタイトル「①プロローグ」は単純に<上>に変更・更新しています。ご容赦ください。では始めます。
「生命の樹、塗り分けが細かいぞ!」
顔部分に電飾を概ね仕込み終わったところで、太陽の塔内部のモニュメント「生命の樹」制作にとりかかります。とにかくそれぞれのパーツが細かい、この部分。まずは台座部分と、そこにうごめく原生動物の取り付けと着色です。
説明書に従って、まずは台座パーツ全体を生々しいピンク色に着色。この台座にごちゃごちゃと林立する原生動物のパーツ基本色を黄色っぽいクリーム色で塗るのですが、何せ細かいので、台座に個別パーツを接着してはちまちま筆塗り…という作業をコツコツと進めていきます。
ひととおり接着し終わったので、こんどはそれぞれの王冠状の先端などに、ちょんちょんと赤やオレンジなどの色を適当に乗せていきます。
台座が完成した後は、ここに根を張る「生命の樹」の組み上げ&着色。生命の樹は、幹の根元にうごめく「三葉虫」やキノコに始まり、上にいくにつれて枝分かれした先に、魚類やハ虫類、恐竜や類人猿が取り付けられ、人類へと進化の過程を表現しているそう。
さて、その生命の樹、幹に枝のパーツを接着して組み上げ、それぞれの「生物」を接着していくことになりますが、「恐竜や大きめの魚類などは先に着色」「小さな貝やアンモナイトなどは枝に接着してから着色」など、それぞれの手順を考えつつ色を塗り、接着していくので、なかなか進みません。「あ~、こっち先に塗るんだった」「塗っちゃったけど、ここは先にくっつけとく方が良かったな…」といった失敗も何度か。
それでも、この色塗り&組み立て作業、なかなかに楽しい工程でした。説明書の着色指示を守りつつ、自分なりに塗料を混ぜて「こんな色かな」「こういう色だったかも」と考え、細い筆でそれぞれの「生物」に〝色を置いていく〟作業は、子供のころの「図工」みたいな感じでした。
「赤だ!青だ!」胴体内部は原色に
生命の樹が完成したので、そろそろ胴体にとりかかります。まずは、塔の内部を巡る階段部分を組み立てて塗装。手すりのあたりは透明なアクリルなどが使われていたような気もしたので、「透明プラバンで張り替える」こともちょっと考えたのですが、細工が面倒そうなので諦めました(笑)。
このキット、胴体の外壁と内壁部分が別々のパーツになっていて、最終的に外壁パーツに内壁部分をすっぽりとはめ込んで接着する構成になっています。まずは内壁部分の内側を真っ赤っかに着色。最上部の床と壁は鮮やかなブルーに塗っていきます。目がチカチカします(笑)。
ここでふと「塔の中も明るくできると面白いかな?」と思い立ち、塔内部の天井部分にLEDを2箇所追加することにしました。小さな穴を開けて、LEDを接着しておきます。
胴体部分に続いて、今度は〝両腕〟の内部へ。キットでは腕の内部に張り巡らされた鉄骨が再現され、左腕には「階段」があります。大阪万博開催当時は昇った先には塔の周囲を囲むフロアに出られるドアがあったそうです。階段の接着には、今回購入した〝新兵器〟のセメダインの「ハイグレード模型用」を使いました。塗料やメッキの上からでも接着できる優れものとかで、乾燥時間は長いのですが、しっかりくっついてくれて助かりました。
腕の鉄骨部分が終了したので、「黄金の顔」や内部天井に仕込んだLEDの配線を、胴体の外壁と内部のすき間を通すなどの加工を進めます。コードを通した後に外壁に内壁部分を組み込んで、完成が見えてきました。
「気に入らん!上塗りしてしまえ!」
…ですが、そこまで進めてきて、ひとつだけどうにも気に入らない、目に付く部分が出てきました。腕内部の鉄骨部分の色です。説明書の指定では薄いグレーに紫色を混色した色-となっていましたが、なんだか今一つ。「やっぱり気に入らん!上塗りしちゃおう」。上から、さらにグレーを塗り重ねて、ようやく落ち着いた色味になりました。
コードの取り回しや腕の内部も完成したので、次は外回りの着色やデカール貼りへ。太陽の塔の腹部の「太陽の顔」は薄いグレーを塗り、背中の「黒い太陽」の顔部分はつや消し黒に。胴体にからみつく「赤い稲妻」部分と「黒い太陽のコロナ」部分はセットのデカールを。デカールのサイズが大きいので、いくつかに切り分けて貼っていきました。
最後は胴体外壁全体に、エアブラシでつや消しクリアーを吹きます。塔の外壁はそれらしいモールドが施されていて成形色そのままでも、それなりの質感があるのですが、デカール保護の意味合いもあるので、さっと吹いておくことにしました。…で完成です!
「デカい!光る!極彩色!」
こちらのキット、「生命の樹」や塔内部の様子が再現されているのが一番の特徴なので、当たり前ですが胴体前面は取り外せるようにしたままにしておきます。高さ30センチを超えるだけあって、やっぱりデカい!
「黄金の顔」の目から放たれる「ビーム」光と内部の照明もちゃんと光ります。ただ内部照明は天井部分だけでなく、各フロア部分にもLEDを配置しても良かったかな…と、ちょっと反省です。
内部の階段部分は、はめ込み式で接着指定もないので取り外し可能。ただ、このキットの見所は「生命の樹」ですし、ちまちまと手間をかけて「生物」たちの色を塗る作業をした部分。さまざまな色が主張し合う、その極彩色の「生命の樹」は階段を取り付けるとほとんど隠れてしまいますので、飾って眺める際には外しておくべきなのでしょう。「手すりを透明プラバンに差し替える」チャレンジは諦めておいて良かったと思います(笑)。
とにかく筆で色を塗りまくった、今回のキット。あらためて細かい塗り分けにじっくり取り組み、その楽しさ、面白さを感じたキットでした。
岡本太郎先生〝最大の作品〟である「太陽の塔」。そのユニークで魅力的な姿を再現したキットの完成品はいま、我が家の玄関・下駄箱の上に鎮座しています。(おわり)
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前後編にてご紹介した「〝プラモ作りは爆発だ!〟~『太陽の塔』制作記」はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
年が明けてはや1カ月になりますが、2024年も楽しくプラモデル作りにチャレンジしたいと思います。では、また。