tapeをリリースする理由
2022年、10月頃だったと思う
少し涼しくなって来たが、まだまだ暑い日が続き
在宅勤務にも慣れて来た所だった。
その日、嫁さんが検診で近所の病院に行き、割りと早めに帰って来て
開口一番「ダメでした」と言う
乳がん検診に行ったのだ。
早い話が乳がんでした、と言う事だ。
湿っぽい話しでは無く、今は本人もバキバキに元気とまでは行か無いが、そこそこ元気にやってます
そんな中、息子の進学も決まった。
昨年の俺は何をしていたのか、記憶が曖昧だが
この10年、音楽活動はなにもやって無いのに、何かやってる自分を演じて、人のやる事に対してあーだこーだと言っていた様に思う。
ただの「何かやってる風オッサン」になっていた訳だ
そんな中で家族の者が病気になった。
嫁とは特にいつも親身に話す事も無いが、手術の前くらいは少し散歩にも付き合う様にしたし
子供の進学の話も聞く様にした。
嫁と散歩に出ていた時
「死ぬ気はないけど、何か形に残る物…なんだろうねーわかんないけど、そう言うのを残せれば良かったと思うね」
と言う。
「形?とは」
と聞き返すと
「まあなんでもいいよ、子供にでも家族にでも誰にでもいんだけど」
「…そう言う物か、俺は…なんも無いなー、残すと言うてもアルバムなんか出しても売れへんしな笑」
「じゃあミックステープなんじゃないの?めっちゃ出して無かったっけ、今出しとかないもう出せないかも知れないよ」
と言われた。
これが俺が昨年11月からtapeをリリースしている理由だ
フリースタイルバトルに出る理由でも無ければ、ヒップホップに帰り咲いてビジネスすると言うドリーミングな話しでも無く
ライフイズミュージックでもライフイズヒップホップでも何でも無いうえに、少し重い。
それに今でも時折話題に出る「お前はヒップホップじゃないべ」「誰がヒップホップかなんて気にしてない」と言う、そう言う若さ溢れる分かりやすくギラギラした物も無く大変申し訳ねえ。
まあこの年齢になるとね、色々思う所ある物なんですよ。
残せる物が裕福な財産でも無く、俺の名前だけで食って行けるコネでも無く、自作トラックで作るtapeしか無いだけで
PCの中を漁ると、自分でも忘れてた音源が入っていたからmixtapeにすれば残るのでは!?と思ったから作り始めた、と言う訳だ
息子には「なんだっけ、MD?カセット?コレってプラスティックのケースは取って再生するの?」と言われるけど…
ただ、勿論今のトレンドも入れたいし、のっぴきならない様々な経験の中で見て来た景色を落とし込んでやろうと思って作っています
https://king3ldk.bandcamp.com/album/psycho-soul-over-drive-saga
そうやって作った音源を、今カセットで聴いてもらって(データでもいい)面白いと思ってもらったり、ナニコレと思ってもらってもいい
聴いて何か思う所あって欲しいと言う気持ちで作ってます。
https://king3ldk.bandcamp.com/album/beat-tape-vol-1
00年代初頭、新譜をいかに早く、そして上手くエディットしてmixtapeを作るかと言うmixtape game…とは全然違う作り方になった現代
俺はまだ手探りですが、とにかく私情込みで一歩前のめりに進んでみました、その手探りの所も込みで聞いて欲しいと言うのもあるし
同い年位で同じ様な境遇の人で音楽していたけど、色んな理由でプレイヤーから退いている人が、また…まだ自分ももう少し何かやっても楽しいのかもな、と思える様になればいいと思います、まあそこまで背負ってる気持ちは無いですけど。
あとそこそこ売れたらMPC1000(かMPC500)を買い足したいと思っていますので、1000を持ってたら「ちょっとだけ売れたんだな」と思って下さい
この場でビックシャウトアウトとして全員の名前を書きあげたいんですけど、ヒップホップは感謝し過ぎとか一時言われたりもしていたしな、その感謝しなければいけない人が今の俺には多すぎるのでまたの機会に
上記カセットテープのフィジカル販売はこちらから
street size pt.2 (京都vinyl7オンラインショップ)
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BEAT TAPE Vol.1 (中目黒waltzオンラインショップ)
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psycho soul over drive saga (wenodオンラインショップ)
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