板タブ歴10年の私が液タブを使ってみた感想(※2019年5月9日追記)
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ワコムのintuosの初期のやつと、Bamboo CTH-670という板タブを10年くらい使っていたのだが(その前は6年位マウスで描いてた)、中華液タブのHUION gt-156HDV2がAmazonのキャンペーンで4万円ちょっとという値段になってて、レビューも良くて前から興味があったのでポチった。
これ。
国内メーカーのワコムだと同じような大きさで余裕で10万超えるので、それに比べるとめちゃくちゃ手が出しやすいお値段である。
デジタルお絵かきはWindows98のペイントに始まり、お絵かき掲示板とかsaiとか色々使って今はCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)に落ち着いている。同人誌を描くのでバージョンはEX。
同人誌は早割を目指してできるだけ早く仕事の前後とか休日とか睡眠とかを削ってかくのだが、なんやかんやで早割を諦めてギリギリ入稿になることが多くて、液タブだったら作業効率が上がる(引きたいところに線をひける、色の確認がしやすい等)みたいな話をよくきいていてずっと買うか迷っていた。で、今回Amazonのポイントがけっこう貯まっていたのと割引キャンペーンがあったので買った。
でっけえ…
これ商品の外箱で、これにピッタリサイズのダンボール箱で送られてくるんだけど、とにかくでかい&重い。
中身はこんな感じ。写真ヘタクソ芸人なので影が入ってるとか対象が斜めってるとかは気にしないでほしい。
内容品を確認してノートパソコンに接続。説明書は日本語ページもあるしそんな難しくない。5分もあれば設置できる。ドライバーは8cmCDが付属しているが、それだとなぜかうまくインストールできなかったのでHUIONの公式サイトからDLした。
設置完了
コード類が邪魔…。ノーパソのHDMIの接続するとこが左側で、液タブは右側からコードを出しているのでこういうことになる。左から出すように設置することもできるが、右利きなのでショートカットボタンを左手で使いたい…となるとこうするしかない。スタンドを立てっぱなしにするならスタンドの下を潜らせればいいのだろうが、そうするとキーボードを打ちにくいので、手前に出すことで妥協している。
ちなみに板タブと比較するとこれくらい大きい。
BambooはMサイズ
19インチと迷ったけど15.6インチにしといてよかった。絶対に机に乗らない。
使ってみた感想
2月下旬に届いて、現時点で1ヶ月と少し経っている。同人誌は描いていないのだが(スパコミ申し込み忘れた)、イラストとか漫画とかをちょいちょい描いていた。
良かった点
・とにかくめちゃくちゃ筆圧拾う。板タブは1024レベルとかだったんだけど、液タブは8192レベル。あんまり強弱のない線が好きなので結構調整した。強弱つけまくりたい人にはいいかも。
・画面がでかい&発色がいい。ノーパソも15.6インチだが、タスクバーとかの関係でクリスタは少し小さめに表示される。液タブだと全画面表示でワークスペースが広めに表示されるので見やすい。あとクリスタは有志の人たちが公開している素材やツールがすごく多くて、そういうのをどんどん入れていくとサブツールのウィンドウがめちゃくちゃ長くなる。
右側のバーが随分小さくなっているのがおわかりいただけるだろうか…
液タブだと画面がでかい分けっこう下の方まで表示できるので、使いたいサブツールを探しやすい。
あとノーパソの画面はキャリブレーション?なにそれ?というくらい発色が死んでるので、液タブの発色のよさにびびった。カラー原稿やるときは今までずっとテレビに出力して確認していたので…。
・2画面表示ができる。板タブだと画面がノーパソの1面のみ(モニター接続すれば話は別)なので、資料をググって見ながら描く時にクリスタとgoogleを行き来しながら描くのがけっこう面倒だった。液タブだと、ノーパソに表示した資料をみながら液タブで描くとかいうことができる。あとyoutubeとか観ながら作業できるのも便利。
・液タブのボタンが便利。ショートカットキーを14個設定できるのと、スライドバーで拡大縮小が直感的にできる。左手デバイスとしてクリスタ公式のタブメイトコントローラーを使っていたが、ボタンの数が少なくてもどかしい思いをしていたので、追加で使うことでかなり楽になった。
・ドライバーが安定している。ワコムのドライバーはスリープモードから再開したり、ちょっとコードを引っ掛けたときに筆圧を全然拾ってくれなくなることが多々あった(締切ギリギリにそうなるとマジで死を覚悟する)。なのでちょっと休むときはyoutubeの作業用クラシックの10時間くらいある動画とかを流してスリープモードにならないようにしていた。HUIONはスリープモードから再開しても普通に筆圧拾ってくれる。
悪かった点
・ポインタのずれが気になる。モニターキャリブレーションを何回かやってだいぶ落ち着いたけど、未だにペン先とポインタがずれる。板タブはポインタだけ見て描けばよかったので気にならなかったけど、液タブだとどうしてもペン先を見てしまうので慣れない。
・腕が疲れやすい。液タブは角度をつけて描いているのだが、腕もそれにあわせて曲げるのですごく疲れる。板タブみたいに寝かせると首も下向きになるので姿勢が悪くなる。板タブだと腕は楽に伸ばして描くし首は前向きなのでまだマシ。
・文字を打ちにくい。これはノーパソならではの悩みかもしれない。液タブの奥にノーパソという感じで置いているので、液タブを立てて使っていると文字がすごく打ちにくい。設置場所を広くとって左右に並べるようにすれば解決しそう。
・コードが邪魔。ワコムの板タブはUSBケーブル1本で接続できるので机周りめちゃくちゃすっきり使える。出先に持っていきたいときもコンパクトに納まる&軽いから大変重宝していたのだが、HUION gt-156HDV2、とにかくコードが邪魔。3in1ケーブルという付属のやつなんだけど、かなり長めに作られていてとても邪魔。あと割と重い。
・ちなみによく板タブから液タブにした人が言う「自分の手が邪魔」というやつは、マウスで描く前はアナログで描いていたので特に気にならなかった。普段から仕事のメモや手帳などをよく書くのと、未だにネームだけはアナログなのもあるかも。アナログ歴長い人なら心配しなくていいと思う。
総括
ざっとまとめるとこんな感じ。一長一短というところだが、作業効率がよくなると思われた「引きたいところに線を引ける」という点、ペン先とポインタのズレにより今のところ一切恩恵を感じない。
ワコムの板タブも色々新しいのが出ているので、板タブに戻るか悩みどころである。もしくはHUIONのドライバーがいい感じだったのでHUIONの板タブ+発色のいいモニタという選択肢もアリかもしれない。
板タブ歴が長くて手元を見ずに描くことに慣れているとか、筆圧検知にこだわらない(正直1024レベルで全然いける)人なら、無理に液タブ買う必要ないと思う。板タブのほうが安いし。差額でポーズ集とか薄い本とか買った方が有意義な金の使い方な気がする。
2019年5月9日追記
液タブ購入から1年と少し経過しているが、結論だけ言うと、半年も保たずに板タブに戻りました。液タブはメ○カリでほぼ元値で売れた。
一番の理由はポインタのズレによるストレスだけど、身体的にも首と腕の痛みに耐えられなかったので同人誌の一冊も描くことができず…。目もむちゃくちゃ疲れるし。同人原稿作業、休日だと原稿作業以外のすべてを捨てて一日20時間くらい描き続けたりするので、姿勢が悪くなる&目が疲れるのは致命的だった。ちなみに筆者の視力は裸眼で両目とも1.5で、スマホにズブズブな現代人としてはかなりいい方なのだが、液タブ使ってるときは明らかに視力が落ちてる感じがして危機感を覚えていた。仕事(WEB制作関係)で一日中モニター見てても視力維持してたのに…。
2019年現在はXP-PENのdeco02という中華板タブと、アマゾンのセールでお安く買えたEIZOの24インチのモニターで、ノートPC+モニター+板タブという感じで描いている。XP-PENの板タブはワコム基準だとかなり安くて不安だったけど、ドライバはめちゃくちゃ安定してるし、くるくるするホイールでWEBの閲覧もヌルヌルだし、筆圧検知も問題ないし、ワコムより断然快適に使えている。すごいぞ深セン。ぶっ壊れてもすぐに買い直せる値段なのもありがたい(同人誌4冊+日々の落書き等で使ったけど今の所は特に不具合なし)。
クリスタの作業画面をモニター出力してるので、液タブと同じような広い画面で作業ができ、ノートPCの画面の方で資料見たりyoutube垂れ流したりできるので、作業はノートPC+ワコム板タブだった時よりもずっと快適!!!EIZOのモニター、高いけどマジで目の疲れが全然違うので超おすすめです!!!!!
そういうわけで結局液タブは使いこなせませんでした。私はこのまま一生板タブ派として生きていきます。板タブ、最高!!!!!!!
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