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日本の働き方:価値と犠牲〜 現代の職場文化と個人のバランスを考える〜
現代の日本では、会社組織が自分には合わないと嘆く人が多い。過剰残業や給与が低い・上がらない、など不当な扱いを受けていると嘆き、上司や同僚、部下と人間関係で悩む人も多い。
その結果、継続して会社に勤めることなく、すぐに転職しまう人も少なくない。会社に留まり、自分の課題を見つめ、新たに成長する前に、自分のキャリアを作らずに他の会社に移ってしまう人も多いのではないだろうか。
いくらか自己主張が先行しているようにも見え、もったいないことをしているのではないかと思う。
国内の転職理由の上位は、給与が低い・昇給が見込めない(32.8%)、昇給・キャリアアップが望めない(25.2%)、社内の雰囲気が悪い(23.4%)だ。
民主主義の根本は、私を大事にすることだ。自分が何よりも尊い(佐藤芳直,2015)と考える。それはもちろん間違いではない。
しかし、民主主義は戦後、欧米から入ってきた考え方で、以前の日本とは異なる考え方ということも事実である。働くカルチャーの違いを見てもそれを見て取ることができる。
海外の人を中心に職業紹介を行うIZANAUによると、2017年の世界労働環境調査では、日本の平均勤続年数は12.1年となっている。これは欧州、アジア、アメリカなど調査対象となった14カ国の中で2番目に長く、多くの国は平均勤続年数が10年を下回る数字となっている。
これは日本が独特な(外国と異なる)文化を持っているからではないかと思う。私事だけではなく、公にも配慮して行動をする文化であるからだ。
会社は、業績を上げるためだけでなく、働く従業員にも愛情を持って配慮するように組織を作る。従業員もそれに応えるように、時には自らを犠牲にして労力を惜しまず働く。そのような文化があるからだと思う。
この考え方が現代にマッチしているかというと、必ずしもYesとは言えない。しかし、このような気持ちをもって過ごすことができれば、一人で嘆いてばかりの事態にはならないのではないかと思う。言い換えると、現代の複雑な人間関係や常識、硬直した社会制度にとらわれてばかりではなく、周りの人に対する愛情、時に自己犠牲を払える精神、を持つことでより自分らしく、誇れる生き方ができるのではないかと思う。
戦時中の日本にはこんなエピソードがある。
第二次世界大戦中に命より大切なものを守ろうとした神風特攻隊5845名の話だ。
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