【デジライズ】ステップアップガシャ(Wピックアップ)の排出確率と消費ルビー期待値【デジモンリアライズ】
契機
ピックアップガシャは排出確率と排出デジモン数(連数)がstep毎に変化する為、確率の計算がやや煩雑になる。
排出確率の変化は過去に以下の記事で算出した。但し、消費ルビーの期待値は算出していなかった。
また、20/5/8よりスタートするステップアップガシャは今までと異なり、確定排出デジモン(勇敢メギドラモン)と別にピックアップされているデジモンが2体いる(ゴッドドラモン/冷静ホーリードラモン)。これにより、確率計算は更に複雑になる。
今回は複数体のピックアップデジモンを狙う場合の排出確率、及び消費ルビー期待値の算出にチャレンジし、導出に成功した。以下に数値を纏めておく。
結論
狙うデジモンのパターンを3つに分けた。貴方の狙いに応じて見分けて頂きたい。
①2体のピックアップのうち1体以上を狙う
(どちらか片方が出た時点で撤退)
②2体のピックアップのうち片方のみを狙う
(例:ゴッドドラが出た時点で撤退、ホリドラが先に出ても続行)
③2体の両方を狙う
それぞれの排出確率(累積)の変化は以下のグラフの通りである。
①2体のピックアップのうち1体以上を狙う
②2体のピックアップのうち片方のみを狙う
③2体の両方を狙う
排出確率5倍!などと聞くと如何にもピックアップが出そうな気がしてしまうが、実際にはstep5以降でも一連当たり1.5%しかないことに注意したい。
さてstep5まで引いたときの確率を見ると、①「どちらか片方が出たら撤退」パターンでさえも、確率は46.34%しかない。
つまりstep5まで引いても、ホリドラもゴッドドラも出ない人が過半数ということである。
③「両方を狙う」パターンの人はstep10まで引いても50%も無い。相当な覚悟が必要だろう。因みに、同じ系譜のデジモンを2体狙う場合もほぼ同じ確率である。
私はエアドラモンとゴッドドラモンを狙っており、今回は相当なルビーの消費を承知の上で臨む予定だ。
次に期待値を見てみよう。
①2体のピックアップのうち1体以上を狙う
②2体のピックアップのうち片方のみを狙う
③2体の両方を狙う
①「片方のみを狙う」パターンの場合でも、平均的にはstep6.5、消費ルビーは約1,000を要する。
③「両方を狙う」パターンに至っては2,235ルビー必要であり、普段のリミテッドガシャ(排出率1%)の消費ルビー1,818を上回る出にくさである。
まとめ
今回は「狙いのパターンが実現するまでガシャを引き続ける」前提で、step数やルビー消費量の期待値を算出した。
勿論、現実的な引き方として「step5の確定まで引いて、ついでにピックアップが当たればラッキー」と言ったパターンも想定される。
計算式:記号定義
まずは記号を定義する。
A, B:デジモン名。排出確率が等しいとき、
特にA=ゴッドドラモン、B=ホーリードラモンとして一般性を失わない。
k:Stepの回数を表す。 k=1, 2, 3, …
Pk:Step k における1連当たりの排出確率。
ここではAとBの排出確率は等しくPkとする。
P1=0.15%, P2=0.3%, P3=0.51%, P4=0.75%, Pk=1.5% (k>=5)
Nk:Stepkにおける連数。
N1=3, N2=5, N3=7, Nk=11 (k>=4)
Rk:Step k におけるルビー消費数。
R1=50, R2=100, R3=150, Rk=200 (k>=4)
計算式:「 ②2体のピックアップのうち片方のみを狙う」の確率
「①2体のピックアップのうち1体以上を狙う」の前に、式が単純である②を先に計算する。ここではデジモンAとデジモンBの排出確率は同じなので、デジモンAを狙うものとして計算しよう。
Q(A)k:Step k-1 までAが当たっていない、という条件付きで、
Step k で初めて1体以上Aが当たる確率
とすると
Q(A)k = 1 – ( 1- Pk) ^ Nk
また、ガシャを引き始める前( Step1を引く前)の状態にあるとき、「②2体のピックアップのうち片方のみを狙う」に対し、Step k で1体以上のデジモンAが当たる確率は
②k = Q(A)1 (k=1のとき)
②k-1 + (1 – ②k-1) Q(A)k (k>=2のとき)
これらを数値計算し、累積確率に変換すれば、上記の値を得る。また、消費ルビーの期待値は
Σk=1→∞ (Rk × ②k)
計算式:「 ①2体のピックアップのうち1体以上を狙う」の確率
①と同様に計算できる。
Q(AorB)k:Step k-1 までAもBも当たっていない、という条件付きで、
Step k で初めて1体以上AまたはBが当たる確率
とすると
Q(AorB)k = 1 – ( 1- Pk *2) ^ Nk
①k = Q(AorB)1 (k=1のとき)
①k-1 + (1 – ①k-1) Q(AorB)k (k>=2のとき)
消費ルビーの期待値は
Σ(k=1→∞) (Rk × ①k)
計算式:「 ③2体の両方を狙う」の確率
実現には2パターンが存在する。
③-1:Step k-1 までAもBも当たらず、Step k でAとBがそれぞれ1体以上当たる
③-2:Step j-1 までAもBも当たらず、Step j で初めてAまたはBの片方が1体以上当たり、
更にStep k (j < k)でもう片方が当たる
まず③-1から求める。
Q(2枚抜き)k:Step k-1 までAもBも当たっていない、という条件付きで、
Step k で初めてAとBがそれぞれ1体以上出る確率
Q(1枚抜きA)k:Step k-1 までAもBも当たっていない、という条件付きで、
Step k で初めてAのみが1体以上出てBは出ない確率
Q(1枚抜きB)k:Step k-1 までAもBも当たっていない、という条件付きで、
Step k で初めてBのみが1体以上出てAは出ない確率
Q(0枚抜き)k:Step k-1 までAもBも当たっていない、という条件付きで、
Step k でもAもBも出ない確率
とすると
Q(2枚抜き)k = Q(A)k + Q(B)k – Q(AorB)k
= Q(A)k * 2 – Q(AorB)k
Q(1枚抜きA)k = Q(A)k – Q(2枚抜き)k
Q(1枚抜きB)k = Q(B)k – Q(2枚抜き)k
Q(0枚抜き)k = 1- Q(A)k – Q(B)k + Q(AorB)k
さて、ガシャを引き始める前時点で見て、Step k までにAもBも当たらない確率Ekは
Ek = Q(0枚抜き)1 × Q(0枚抜き)2 × … × Q(0枚抜き)k
従って、パターン「③-1:Step k-1 までAもBも当たらず、Step k でAとBがそれぞれ1体以上当たる」が生起する確率は
(③-1)k = E(k-1) × Q(2枚抜き)k
次にパターン「③-2:Step j-1 までAもBも当たらず、Step j で初めてAまたはBの片方が1体以上当たり、更にStep k (j < k)でもう片方が当たる 」の確率を求める。まず前半部分、「Step j-1 までAもBも当たらず、Step j で初めてAまたはBの片方が1体以上当たる」確率Fjは
Fj = E(j-1)×Q(1枚抜きA)j + E(j-1) × Q(1枚抜きB)j
= E(j-1) × 2×Q(1枚抜きA)j
更にこの後Step k でもう片方が当たる確率、即ち③-2が生起する確率は
(③-2)k = Σ(j=1 → ∞) { Fj × (1-Q(A)(j+1)) × (1-Q(A)(j+2)) × … × (1-Q(A)(k-1)) ×Q(A)k }
以上の計算結果をまとめて、求める「 ③2体の両方を狙う」の確率を求めると
③k = (③-1)k + (③-2)k
これから累積確率を求めると、上記の値が出る。消費ルビーの期待値は①②同様
Σk=1→∞ (Rk × ③k)