タイムマネジメント⑦ その仕事、どれくらい時間かかる?
ここまで(タイムマネジメント③~⑥で)、「やるべきことは何?」について書いてきました。やるべきことを洗い出すだけでもたくさんのポイントがありましたね。そのうち、前回は「優先順位をつける」でした。
今回は、そうやってやるべきと判断した仕事は「どれくらい時間かかるのか?」について書いてみようと思います。
スケジュールを立てるためにはとても大切な視点ですので、ぜひ参考にしてくださいね。
⏰所要時間を正確に見積もれてますか?
あなたは、「1時間で終わるだろう」と思っていた仕事が、実際には3時間もかかってしまったというような経験はないでしょうか。このような経験は、ほとんどの人にあるのではないかと思います。
どうも、人にはそういった傾向があるようです。
以前紹介した書籍「エッセンシャル思考」では、次のように書かれています。
特に面白いのが、この記述の後に、「なぜ実際より短く見積もってしまうのかという理由については諸説あるが、『周囲によく見られたいから』という説はなかなか興味深い」と書かれている点です。
人は、特に自分の見積もりが周囲に知られる場合には、実際より早くできると言ってしまうようです。
なんとなく、わかるような気がしませんか?
とは言え、そうなるとその仕事が遅れるだけでなく、予定していた他の仕事にまで影響が及んで、ストレスも増してしまいますよね。
そんなことにならないよう、できるだけ実際に近い見積もりができるよう意識することが大切です。
⏰自分の時間の使い方の記録が役に立つ
所要時間の見積もりには、「タイムマネジメント①」の記事で解説した「自分の時間の使い方の記録」が非常に役立ちます。
ひとつひとつの業務にどれくらいの時間がかかったのかが可視化されているので、同じ種類の仕事については、その記録を踏まえて所要時間を算出しましょう。
ただ、記録したものを見ても、同じ種類の仕事にかかった時間がその時々で違うことも多いと思います。その時の状況や細かい内容によっても異なりますし、いろんなことがスムーズに進んだ場合とそうでない場合で差があるのは当然です。
そのため、そのような場合は、時間がかかった方の見積もりを参考にしましょう。最短の時間を採用してしまうと、見積もった時間どおり終わらない可能性が高くなります。
こうやって過去のデータを見返すことで、「どのタスクにどれくらいの時間がかかるか」の見積もりがより実際に近づき、計画が立てやすくなるはずです。
⏰仕事を小さなピースに分けてみよう
例えば、「プレゼン資料作成」というタスクを考えたときに、だいたい3時間くらいかな?なんて見積もることはないでしょうか。
こんな風に、ある程度大きなまとまりで仕事をとらえることは、時間の見積もりを誤ることにつながります。
どういうことかというと、「プレゼン資料作成」の業務は、以下のようなサブタスクで成り立っているということです。それぞれにかかる時間を見積もらずに全体で見積もってしまうと、齟齬が生じることが多いのです。
「上司への確認」については、最後の1回だけではなく、状況や立場によっては間に複数回入るかもしれません。
これらの、小さなピースごとの所要時間を考えることで、より正確な時間の見積もりができます。
これらを足し合わせると、4時間20分になります。
バッファも考えると、4時間半または5時間程度と見積もる必要があるかもしれません。
つまり、全体で捉えるのと比べたら、2時間も差が出てしまうということですよね。
1日のうちの2時間、予定より遅れてしまうと、確実にほかの仕事に影響が出ることになるでしょう。
このように大きめの仕事は、作業レベルのサブタスクに分解して一つ一つ見積もるようにすることが大切です。
⏰ 洗い出した業務に見積もり時間を書く
さて、以上のように各業務の所要時間を見積もったら、リストアップしたタスクの一つ一つに、その所要時間を書いておきましょう。
そうすれば、スケジュールを考えるときに、実現可能な計画を立てやすくなります。
このときに、サブタスクレベルで書いておくと、より有効活用できます。
その詳細については、別の記事(次回)で書く予定です。
⏰まとめ
以上、今回は業務の所要時間を正確に見積もる方法についてでした。
仕事を小さなピースに分け、記録した時間の使い方を参考にしながら見積もり時間を設定することで、より現実的なスケジューリングが可能になります。
次回は、これらの見積もりを踏まえたスケジュールの立て方について書く予定です。どのように予定を組み立てるのか、具体的な方法をお伝えしますので、お楽しみに!