タイムマネジメント⑥ やるべきことは何?:優先順位をつける
前回までに、やるべきことを全部洗い出したうえで、本当にやる必要があるか、やめられないか、やめたらどうなるかを検討することについて書いてきました。
今回は、それら業務の優先順位のつけ方について書いていきます。
🪟重要度と緊急度の評価
優先順位のつけ方としては、重要度と緊急度で判断するやり方がメジャーですね。
縦軸を重要度、横軸を緊急度とする2軸のマトリクスを用いて、それぞれの業務がどの枠に入るのかを考えます。
この方法は、アメリカの第34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーが演説の中で紹介した考え方で、スティーブン・R・コヴィーが著書『7つの習慣』の中で具体的な手法としてまとめ、広まったものです。
そのため、アイゼンハワーマトリクスと呼ばれています。
① 重要度(高)× 緊急度(高)
② 重要度(高)× 緊急度(低)
③ 重要度(低)× 緊急度(高)
④ 重要度(低)× 緊急度(低)
以上の4つに分類されますが、
自分が洗い出した業務がどこに当てはまるのかの判断って、結構難しいですよね。
特に「重要度」が難しく感じるのではないでしょうか。
重要度が高い業務とは、
自分が所属する組織にとって重要なもの。
その業務を行うことで得られる利益が大きいもの。
その業務を行わなかった場合の、損失が大きいもの。
以前の記事でお伝えした
「パレートの法則」の20%に当てはまるようなものですね。
🪟chatGPTに聞いてみた
一般的に、それぞれの枠にはどんな業務が該当するか、
chatGPTに事例を出してもらいました。
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① 重要度(高)× 緊急度(高)
・重要クライアントへの提案資料の作成とプレゼン準備
・緊急対応が必要な顧客クレーム処理
・締め切り直前のプロジェクト企画書作成
・重要会議の直前準備
・重要案件のメディア対応やプレスリリースの作成
・大規模トラブル発生時の対応と調査
・役員からの急な指示によるデータ分析と報告
・期末決算に関わる重要な財務処理
② 重要度(高)× 緊急度(低)
・年次予算計画の策定
・社員研修プログラムの開発
・主要クライアントとの定期ミーティングの準備
・新製品の市場調査と分析
・業務プロセス改善プロジェクトの計画
・社内システムの大規模アップグレードの準備
・企業のCSR活動計画の立案
・大規模イベントの長期的な企画
③ 重要度(低)× 緊急度(高)
・翌日の定例会議の資料準備
・システム障害の緊急修正
・期限が迫った経費精算処理
・上司からの急なデータ提供依頼
・定例報告書の即時提出
・緊急メンテナンスの手配
・急な電話対応
・急な来客対応
④ 重要度(低)× 緊急度(低)
・オフィスの消耗品の在庫管理
・社内掲示板の更新
・小規模な内部ミーティングの調整
・日常的なファイル整理
・一般的なデータ入力作業
・社内報の執筆や編集
・定期的なバックアップ作業
・オフィスの清掃や整理整頓
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いかがでしょうか。
あなたが洗い出した業務の分類の参考になれば幸いです。
🪟で、優先順位は?
さて、このように
4つの枠に分類したら、優先順位が見えてきます。
✅①にあてはまるもの=優先順位1位
重要度も緊急度も高い①が、最も優先順位が高いことは明らかですよね。
まずは、この枠にあてはまるものを最優先に取り組みましょう。
早急に計画を立てて、すぐに取りかかります。
✅②にあてはまるもの=優先順位2位
次に優先順位の高いのが、②です。
ただし、この重要度が高く緊急度が低い②と、重要度は低いけど緊急度の高い③にあてはまる業務の取り扱いが、このマトリクスで判断が難しいところでもあります。
②にあてはまるのは、「社内の業務マニュアルの改訂」や「将来の大規模イベントの企画」といった比較的時間がかかる業務が多いですよね。
組織全体に影響を及ぼす可能性のある重要な業務です。
でも、実際に職場で仕事をしていると、緊急度が高い③に当てはまるものへの対応に時間を取られていることが多いのではないでしょうか。
例えば、「期限が迫った経費精算処理」や「急な出張の手配」といった業務。
これらは、急ぐのでとにかくやらなければいけない。
でも、②を後回しにして③にばかり対応しているうちに、②の業務もいずれ緊急度が高まってきてしまいます。
しかも②に当てはまるものは、会社にとって重要な業務であるため、よく検討したうえで対応すべきことが多いはずです。それなのに、期限が迫ってから対応していては、求められる質を担保できない可能性も出てきますよね。
そうなる前に、②に該当する業務については、早めに着手することが大切です。
まずは業務内容をよく把握して、計画だけは立て、スケジュールに入力しておきましょう。
✅③にあてはまるもの=優先順位3位
②の方が優先順位が高いとしても、③に当てはまるのは緊急度が高いので、これもなかなか後回しにはできないですよね。
ですので、③のうち、短時間でこなせるものについては、さっさとやってしまいましょう。スキマ時間に済ませられるようなタスクは、溜めないことが大切です。
また、以前の記事に書いたように、③のうち自分でなくてもいいような業務は、他の人に任せてもいいですし、本当にやる必要があるかよく考えてみるのもいいですね。状況によっては、「やらない」という判断もあり得ます。
✅④にあてはまるもの=優先順位4位
さて最後は、重要度も緊急度も低い④ですね。
ここに当てはまるものの優先順位が一番下になります。
余裕のある時にやるか、ひょっとしたら、やらなくていい業務も多いかもしれません。
ここに該当するものから、業務を削減できないか検討するといいでしょう。
🪟TickTickの場合
ちなみに、私が使っているタスク管理アプリのTickTickでは、このアイゼンハワーマトリクスが自動的に作られます。
条件は2つ。
・最初に、マトリクスの分類の基準を設定しておく(例えば、期限が7日以内のものを「緊急」にするなど)。
・それぞれのタスクを入力する際に、重要度と期限を併せて入力する(重要度は、高・中・低で設定できます)。
入力したタスクは、リストの状態やカレンダー形式でも表示することができますが、このマトリクス表示を選ぶと、次のように表示されます。
時々これを見て、優先順位の高いものが後回しになっていないかチェックしています。
🪟まとめ
優先順位を考えずに目先のものから対応していると、真に重要なものを期限に間に合わせたり、求められる水準で完遂したりすることが難しくなってしまいます。
多くの業務を抱えている人こそ、優先順位を考えたうえで、計画を立てていくことをおすすめします。
さて次回のタイムマネジメントの記事では、「それぞれの業務にどれくらい時間がかかるのか=所要時間の見積もり」について書いていく予定です。
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